輝く断片のあつめかた

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「醜さの問題」第1回 日向永遠 「連載小説を書いてみようv(41975)」

皆さんこんばんは~★
新作連載開始します。第一回です。

今回は今までのとは少し雰囲気違いますが宜しくおねがいしますね。

それとホームの創作のところを久々に更新いたしました。
少年たちの挽歌等に飛べる様にしましたので未読の方は良かったら読んでくださいね。
連載途中の機械蜘蛛の塔はまた練り直します、ごめんなさい。

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「醜さの問題」第1回 日向永遠
   

 前につり革につかまり立っているスーツ姿の女性を片倉は眺めた。良い女じゃねえか。
片倉は視線を上から下に移していった。
 端正な顔立ち、どちらかといえばキツイ方か、化粧はそれほど濃くはない、髪は黒く長い。
スタイルは抜群だった。大きな胸にすらりとした足。片倉はその足をさっきから見ていた。
 心の中でこの女を弄んでいた。女は知らずに電車に揺られている。時々胸元がチラリとのぞく。ガタンと揺れた拍子に二人の視線が交差した。片倉は目をそらすことができなかった。なんて魅力的な瞳なんだ。そして艶然と微笑んだ。あなたの思っている事なんて全部分かっているわよとでも言っているようだった。片倉もかろうじてニヤっと笑い返した。こいつ誘ってやがるのか?

 女は雪といった。昨夜、喧嘩別れした彼を心底憎んでいて、どうやって殺そうかと考えているところだった。もう何度も殺すところを想像した。ホームから突き落とす。電車にひかれ、首がゴロリとこちらに向く。それを笑ってみてやる。あるいは大きなナイフで裸の胸を一刺しする、赤い血が美しい。苦痛に歪む顔。いままでで一番いい表情じゃない?
思わず微笑んでしまうと、目の前の男と目があった。そのまま見つめた。悪くない。そしてまた、彼の殺し方を考え始めた。

 こいつ、馬鹿にしてやがる。片倉は女を見続けた。女の見ているのはどうも俺じゃない。
想像してるんだ。だが何を想像しているのか分からなかった。その容姿とは裏腹に想像の内容が醜いものなのが分かった。瞳は潤んでいて、唇が半開きになる。声を掛けようかと思った。できるだけ普通の声が良い。なんて言おうか。

 その時、悲鳴があがり、前の車両から大きなナイフを振り回しながら大柄な男が入ってきた。そのナイフは血に染まっていた。無造作にそばにいた主婦らしき女性に切りつける。切りつけられた女性は凄まじい叫びをあげ倒れこんだ。車両の中は一転、阿鼻叫喚の地獄図と化した。男性も何人かいたがみな線の細い者ばかりだった。この中では俺が一番強そうか。片倉はそう思い、面倒くさい成り行きになったとおもったが怖さは不思議となかった。女が気になってみると、この女も怯えているようには見えなかった。却って恍惚とした表情を浮かべている。他の乗客が後ろの車両に逃げていくのに片倉と女、雪はそのままそこに残っていた。

「あなたが守ってくれるでしょ?」雪が言った。
「ふん」と片倉は鼻で笑い立ち上がった。立ち上がった片倉はナイフ男に負けないほど大きかった。片倉は革の鞄を前に男に向かってゆっくり近づいて行った。
「お前ら皆、醜い」ナイフ男が言った。
「何言ってんだよ」片倉が言い返した。
「俺には見えるんだよ。お前らの醜さが」
「だから、何のことを言ってんだよ」
「お前、その女とやってただろ、頭の中で」
「・・・・・」片倉は無言だった。嫌な感じがこみ上げてきた。
「そこの女も女さ、人の殺し方ばかり考えてやがる」
片倉は女を振り返った。そこに隙ができた。ナイフ男が素早くナイフを突き出した。片倉の左腕を掠る。片倉はそれにかまわず、革鞄を大きく振り回し、男の顔面を強打した。しようとした。男が薄笑いを浮かべよけた。
「あまいね」片倉は左腕を抑えながら、男がよけた方向に体を預けた。下から男の膝がせりあがってくる。体をひねりかわす。それで座席の支柱に背中をぶつけてしまった。そのとき電車は駅に着いた。ドアが開く。待ち構えていた警官がなだれ込んできた。

 ナイフ男は大した抵抗もせずに警官に連行されていった。
「俺とお前らは同類なんだぜ。頭の中身とやっていることは全然違う。思った通りやっている俺のほうがまともなくらいさ」男が、片岡を見、雪を見て言った。
片倉と雪は、事情聴取に一時間ほどつき合わされた。腕の傷は大したことなかった。

 その日は二人とも仕事を休んだ。そしてホテルの中。重なった体のした雪が言った。
「あいつ変なこといってた。私たちが醜いって。そして頭の中のことを言ってたわ」
「ああ、俺の事はまあ、目の前に美女がいれば男なら想像できるがお前の事まであてたとなると偶然じゃないな」
「そう、わたし、人を殺すところばかり想像してた。そんなことあいつに分かるわけない」
 片倉は雪を見つめた。

(つづく)

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どうでしたか?
感想宜しくお願いいたします。
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創作 | コメント:4 | トラックバック:0 |
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コメント

日向さん、こんばんは~(^^)
インフルエンザの方はもう大丈夫ですか?
まだまだ寒い日が続くので、無理だけはしないでくださいね~!!

新作の小説、いままでの作品と全く違うので、
正直、ちょっとビックリしました(@_@)
日向さんの、新たな挑戦ですね^^
人に醜さが見えるという、ナイフ男の存在が面白いですね!
私から見たら、ナイフ男も片倉と雪も、
醜い心を持った同類の人間としか思えないです(><)
これからの展開を楽しみにしていますね~(^o^)/
2011-01-12 Wed 18:26 | URL | miwa125 [ 編集 ]
日向さん、こんばんは~♪

お、新連載ですか!何だかホラーの雰囲気が漂ってきますねぇ(* ̄m ̄)ニヤリ
ちょうど昨日読み終わったばかりの本を思い出しました。
元彼をどんな風に殺そうと考えている雪が恐ろしい…一体どんな別れ方したんだ…
それに、ナイフ男と対峙しても怖気づかない片倉も、どんな人物なのか?気になります!
二人にどんな結末が待っているのか、ちょっぴり怖いですが楽しみです~(*^^*)

体調は大分良くなりましたか?
そちらも随分寒いようですから、またぶり返さないように気を付けて下さいね☆
2011-01-12 Wed 22:40 | URL | nanaco☆ [ 編集 ]
miwa125さん、こんばんは~★
返事が遅くなりました、ごめんなさい。

びっくりしましたか?^^
自分としてはどの作品も自分ですので頑張りますね~

好きな作品にできるよう頑張ります
醜さと美の違いって?と思ったところからヒントをもらいました。
2011-01-14 Fri 22:48 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
nanaco☆さん、こんばんは~★
返事が遅くてごめんなさい。

最近、すごい寒いんですよ~-10度近くにもなってます^^
また風邪ひかないように注意しないと・・・

今回の作品は何気なく初めてしまいましたが、だれでも持っている気持ち、でも・・・という内容を目指してます^^

また感想宜しくお願いします。
2011-01-14 Fri 22:50 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]

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