輝く断片のあつめかた

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掌編「本に住むもの」 日向永遠

皆さん、こんばんは~★

凄く久しぶりですが、短いお話を書きたくなって、即興で作ってみました。
即興といってもなんとなく頭の片隅にあったイメージを膨らませたものです。

どんな感想をもたれるか、教えていただければ嬉しいです。

ハカリの物語の途中の息抜きみたな・・・

******************************************************************

「本に住むもの」

 本だけが友達だった。友達はいっぱいいた。魔法使い、ドラゴン、孤児、盲目の先生、歌の上手な少女、殺人鬼、サイコ、本を開けばいつでも誰かが待っていてくれる。
 ファンタジーの設定で主人公が本の世界に迷い込んでしまい、大冒険をするのがあるけれど、あんな素敵な事がわたしに起きないかなっていつも思っていた。たとえ、狼男においかけられても、きっと素敵な騎士があらわれて救ってくれる。そして言う。
 「素敵なお嬢さん、お怪我はありませんか」わたしは頬をそめながらええ、大丈夫ですって言うの。だけどそんな事はいままで一度も起きなかった。そんな事を思っているからだれも友達がいないのかもしれない。いつも学校の図書館にいりびたり、この学校の誰よりも本を読んでいる自信がある。本には独特の匂いがあってその匂いに包まれているだけで幸せ。でもその幸せを誰も理解してくれない。何故なんだろう。ああ、今、この本の中から、魔女が現れて、わたしを連れてってくれないかな・・・
 
 家に帰り、夕飯もそこそこに、読みかけの本を開く。この本は図書館の奥の奥にあっていままでだれも読んでないみたいだった。学校ができた頃から何十年もあったはずなのにわたしがはじめて読むみたいだった。題もかすれていて良くみえない。扉にも見開きにも題が書かれていない。昔の本でとても字が小さくて、読みづらいのだけれど、凄く不思議な雰囲気があって夢中になった。まだ、学校に行く事が一般的になっていない時代、二人の少女の友情の話。途中、素敵な青年に二人が同時に恋をして喧嘩になったり、同時に失恋したりしている。次はどうなるの・・・

 次の夜、その続きが気になって直ぐ本に飛びつく、なにか変だった。厚くなってる?
最後のページを見ると600ページだった。変な感じだったのだがきにしないで本をよみだした。学校では試験がはじまり二人は猛勉強をしているのだ、子猫が迷い込んできて、大慌て、その子猫が弱っていて二人は寝ずに看病する。当然試験の結果は惨憺たるもの。
二人は親から大目玉を貰う。そこまで読んで栞をはさむ。

 夢なのかしら。その夜、うつらうつらしていると二人の少女がわたしの顔を覗きこんでいる。そしてなにやら話している。

「ぐっすりねてるわ」
「だいじょうぶね」
「この子の大好きなお話を考えなくちゃ」
「それにはこの子の事をしらなくちゃね」
「そうね。そうね」

 二人の女の子はわたしにそっと蔽いかぶさる。わたしはなんか一冊の本になっていて彼女たちはそのページを凄いスピードで捲っている。

 やがて、ふたりの女子はお互いを見る。
「次のお話が決まったわね」
「うん」

 次の日、ページは700ページまで増えていた。わたしはもうびっくりはしなかった。

 ページを開くと本の中から二人の女の子がわたしにむかって声をだしてきた。

「いつも読んでくれててありがとね。わたしたちの始めての友達。さあ、この本の中で友達になりましょ。次はだれがよんでくれるかな」


(おしまい)

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掌編 | コメント:6 | トラックバック:0 |
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コメント

こんばんわー☆
この本、ずーっと図書館の奥にあったから魔力でも宿ったんでしょうか?
それとも「わたし」に見つけてもらうのを待ってたのかな?
次にこの本を読む子はにとっては3人の少女のお話になるのかも?
うーむ、そう考えるとちょっとホラーっぽい気がする。
色んな問いが浮かびます。不思議な話ですねぇ…
この本を巡って色んな物語がありそうな気がします!
日向さん!もっと読んでみたいです~

突然異世界に飛んでいけたら…っていう「わたし」は、
わたしの心のどこかにも住んでいて、すごく共感しました。
でも突然異世界で大冒険…ってなったらわたし逃げちゃいそうです。笑
ハッ!そうならないための毎日更新チャレンジ中だった!
2010-09-21 Tue 02:19 | URL | まる811 [ 編集 ]
日向さん、こんにちは~♪
おぉ、凄いですね!日向さんの頭の中にはいくつの引き出しがあるんでしょう(*^m^*)
SFもファンタジーもいけるんですね☆掌編を沢山作って一冊の本にできそうです!

図書館の奥深くに眠っていた本。なんだか魔力がありそうですね。。。
主人公の女の子が3人目…そして次に読む子をどんどん取り込んでいくのでしょうか?
ふふ、そう考えると結構怖い本ですね…( ̄~ ̄*)
このお話の続き、どんどん想像が広がります♪是非長編にしたものを読んでみたいです^^
いつも素敵な物語ありがとうございます☆
2010-09-21 Tue 11:19 | URL | nanaco☆ [ 編集 ]
まる811さん
こんばんは~★

感想、ありがとうございます!

嬉しいですよ~。
いいかも・・・この本を中心に色々な人の物語が広がって、つながっていく話。

異世界にいくとしたらどんな世界がいいですか?

>こんばんわー☆
>この本、ずーっと図書館の奥にあったから魔力でも宿ったんでしょうか?
>それとも「わたし」に見つけてもらうのを待ってたのかな?
>次にこの本を読む子はにとっては3人の少女のお話になるのかも?
>うーむ、そう考えるとちょっとホラーっぽい気がする。
>色んな問いが浮かびます。不思議な話ですねぇ…
>この本を巡って色んな物語がありそうな気がします!
>日向さん!もっと読んでみたいです~

>突然異世界に飛んでいけたら…っていう「わたし」は、
>わたしの心のどこかにも住んでいて、すごく共感しました。
>でも突然異世界で大冒険…ってなったらわたし逃げちゃいそうです。笑
>ハッ!そうならないための毎日更新チャレンジ中だった!
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2010-09-21 Tue 22:34 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
nanaco☆さん

こんばんは~★

ほんと、久しぶりに書いてみました。短い話をいっぱいあつめて本にできたら素敵ですね。がんばろ・・^^

長編化もいいかも・・。色々アイデアだけはあるんですけど、今一つなにかが足りないんですね。

次回も宜しくお願いします。
2010-09-21 Tue 22:37 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
日向さん、こんばんは~(^^)

きゃ~、本好きとしては、凄く共感できるお話ですね~(*^_^*)
図書館の奥にあった誰も読んでいない本…
きっと、魔女が少女のために置いていった魔法の本だったんでしょうね~(*^_^*)

夢のある素敵なお話、とっても面白かったです(*^^)v
2010-09-22 Wed 18:46 | URL | miwa125 [ 編集 ]
miwa125さん
こんにちは~★

ありがとうございます。コメント、うれしいです。

定期的に短い話を書きたいと思います。
また宜しくお願いします^^
2010-09-23 Thu 10:15 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]

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