輝く断片のあつめかた

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「魔女のはかりごと 第12回」日向永遠 「連載小説を書いてみようv(41975)」

みなさん、こんにちは~
いつも読んでいただいてありがとうございます。本当に嬉しいです。

ハカリ&ソラ 12回目です。
もう少しで終わる予定なんですが、結末がまだ朧です。

感想、応援宜しくおねがいいたします^^

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魔女のはかりごと 第12回

 堀は逡巡していた。量子の秘密の能力を知るために試してみる価値があると思うのと、自分の中の弱い部分がでて流されてしまうのではないかとの不安の中で葛藤していた。しかしおくびにも出さなかった。空子もそうだが、彼女たちは、他人のちょっとした仕草や表情から色々な情報を得ている可能性がある。特殊な能力はその延長線上のものにちがいない。だから堀は表情にでないように気をつけていた。
 目の前に量子の手がある。透き通る様に白い肌に静脈が透けて見えている。その手が堀の火傷痕のある手に重なっている。量子の手は暖かかった。人に触られる事は大嫌いな筈なのに、それほど、不快に感じないのは何故なのだろう。火傷の痕からなにか、暖かいものが流れこんでくる様な感覚がする。そうすると量子への敵意が薄れそうになる。堀はその心とは裏腹に手を無理矢理にそして乱暴に引き剥がした。

 量子はその堀先生のちょっとした動揺を見逃さなかった。その拒絶するするようような動作とは違い、魂の揺れはますます赤みがましてきていたのだった。ひょっとしたら、先生の心を動かせるかもしれない。

 ***********
 
 空子は本田麻里を追いかけて、そして階段の途中で声をかけた。階段には二人の他には誰も居なかった。

「本田さん」本田は空子の声にビクッとして立ち止まった。
「本田さん、とても大事な話があるの。話を聞いて貰える?」空子は本田の背に向かって話しかけた。本田が階段の手すりに手をやり、そして空子の方に振り返った。その表情はおびえた小鳥の様だった。
 
「なんの話?」本田の声が震えている。
「堀先生の事。理科実験室で少しいい?」空子はできるだけ優しい声で言った。本田に無用な警戒心をあたえてはいけない。本田さんも苦しんでいる筈だ。先生の事でこの子を傷つけてはいけない。そう思いながら話した。
「分かったわ」本田が頷く。

 本田は空子の後をついて理科実験室に入った。そして実験台の前の固い椅子に並んで座った。
 空子はどう話をきりだそうか考えていた。その間、少しの時間があった。本田は不安そうに俯いている。

 空子はクラスの中の事を頭に思いうかべていた。本田さんは誰と仲がよかっただろう。すぐに、思い浮かばないと言う事は、孤独な子だったんだと今更ながら気がつく。それは空子には、ショックだった。堀先生との事でハカリとあんなに考えたのに、本田さんの事には、全然、気をつかわなかった。

 教室のざわつきの中、ひとりぽつんと座っている姿がおもい浮かぶ。本田が喋りだした。

「空子さん?堀先生を攻撃しないで。私には先生しかいないの。どんな関係でも、私の話し相手は先生なの。クラスの誰が私と話をしてくれるの?空子さんにとっての量子さんが私にとっての堀先生なの」その言葉は空子にとって胸に刺すほど衝撃だった。

「本田さん、私もハカリ、いえ量子も先生を攻撃してるんじゃないよ。本田さんにはだれか親しい友達がいるとばかりと思ってた。クラスの誰も・・・」

「嘘、空子さんや量子さんが私のことを思ってくれた事なんてない」空子は言葉が詰まった。たしかにそうかもしれない。

「本田さん、ごめんなさい。知らなかったの。あなたが一人で悩んでいること」空子は心から言った。

「だけど、堀先生といることが本田さんにとって良いことだとは思えないよ」空子は本田の目をみながら訴えるように言った。本田の体は細かく震えていた。その潤んだ目
で空子を見た。そして震える声で
「先生は、先生は、私の、私と友達になってくれるって、そんな事言ってくれた人は初めてだから・・・・」

 空子は悩んだ。本田さん、あなたは堀先生に利用されているんだよ。けれどそれをストレートに言って本田さんに届くとは思えない。聞いても貰えないだろう。本田さんにとってたとえ偽りであっても初めての光がさそうとしているのだから。

 こんなに近くにこんなにも悩んでいる子がいたのに、気が付かなかったなんて。空子は、自分たちがやろうとしている事の意味を考えた。

(つづく)

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次回も今のペースでアップ出来る様がんばります!!


今日も暑いです・・・・負けない様にしたいです
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創作 | コメント:6 | トラックバック:0 |
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コメント

日向さん、おはようございます~♪
続き楽しみに待っていましたよ!(^^)

ソラ、自分達も大変だろうに本田さんの事も気にかけるなんて、良い子ですねぇ(T_T)
もしかしたら思っている以上に孤独な生徒は多いのかもしれませんね。
ただ人に合わせるだけの生徒、何となく強い者に迎合する生徒、沢山いるのかも…。
思わず自分の学生時代を思い出しました^^;
そう考えると、やっぱり毅然とした態度のハカリとソラは立派です!

堀先生の心にも、ちょっとだけ変化が……?
二人は彼女の心を動かせるのか、、、続き楽しみに待っていますね~(*^v^*)
2010-09-13 Mon 05:29 | URL | nanaco☆ [ 編集 ]
nanaco☆さん
おはようございます!
感想ありがとうございます。
堀先生の心にも動揺があって、これからどうなるのか、考えてます。

ソラもどうするのか・・・
もう少しで終わると思うのでまた宜しくお願いします。

一週間はじまりますね。またがんばりましょう。
来週は祭日もあるし・・・
2010-09-13 Mon 07:40 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
日向さん、こんばんは~(^^)

本田さんのことを気遣うソラって、やっぱり優しいし、
本田さんの孤独に気付かなかったことを
心から素直に謝れるソラは、やっぱりスゴイと思います^^
ハカリとソラが、どうやって堀先生と本田さんの心を救うのか…
いよいよ次回はクライマックスに突入でしょうか?
ハカリとソラを応援したいと思いま~す(^o^)/
2010-09-13 Mon 18:39 | URL | miwa125 [ 編集 ]
miwa125さん
こんばんは~★
感想ありがとうございます!

自分もそうなんですが、何か悪い事があるとそれをしょいこんでしまうんですねソラもハカリも・・・なんとかしてあげたいと・・・だけど世の中には自分の領分とか役割とかあってそれを逸脱はできないんですね。それがもどかしい・・

また読んでくださいね。
2010-09-13 Mon 22:54 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
日向さん、こんばんは!
ちょっと予想していなかった方向へと進んでいってるので、ますます読むのが楽しいです♪
本田さんという新たな、そして重要な人物の登場に、日向さんが何を込めて書いているのか、色々想像して楽しんでいます。^^
先が読めない分、本当に面白いです。
続きも楽しみにしていますね~。^^
2010-09-16 Thu 21:11 | URL | picchuko [ 編集 ]
picchukoさん
こんばんは~★

もうすぐ終わりなんですよ。そのつもりでした!
けれど、書いているうちに当初の考えとはちがったエピソードがついかされる事になりました!

結末はまだ、漫然としてますが、そんな遠くはないです。

ほんとうにいつも、読んでいただきそして感想をかいてくださりありがとうございます。すごく励みになります。
2010-09-16 Thu 22:16 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]

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