輝く断片のあつめかた

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「機械蜘蛛の塔 第3回」 日向永遠

こんにちは~
3回目をお届けします。

今回で主要な登場人物(動物?機械?)が出た事になります。

眠りの姫の秘密は・・・

また応援や感想をいただけると嬉しいので宜しくおねがいいたします。


機械蜘蛛の塔 第3回

「いったん家にもどろう。背中に乗って」モリカが言った。二人は今の姫の事、自分たちの秘密を知った事で塔の出口へはアッという間についた様に感じた。
「もうひとつ教えてあげよう」塔から、蜘蛛の巣の上にでながらモリカが言う。
「なに?」
「私たち機械蜘蛛には民の家の担当が決まっているのだ。私の分担が君たちの家だった」
「担当?」
「そう、一軒一軒の守り神としての機械蜘蛛。そして塔には兵士の蜘蛛がいる。この国は太古から孤立してきたらしい。外界は恐ろしい暗黒の世界。この国は奇蹟の国らしい。外界の事は良くしらないのだが・・・」

 闇にほのかに光る蜘蛛の糸を進む。すれ違う機械蜘蛛が来た時よりはるかに多い。注意してみると動きがまだたどたどしい蜘蛛もいる。きっと作られててまだ間もないのだろう。

 ネルとチハルの家に近付いてきた。真下に家を見るのはなんとも不思議だった。窓から明かりが見える。祖父はまだ起きて二人を待っているらしい。

 糸を引きながら二人を背中にモリカが地上に降りる。地面に着く前にネルとチハルが飛び降りた。家に駆け寄ろうとしたときモリカが止めた。

「待て、なにか感じる」モリカは音を立てない様に近寄り窓から覗く。機械の表情はよめないが一瞬、こわばったように見えた。ネルとチハルの胸に不安が過る。窓に近づく。二人の背では届かない。

「土蜘蛛」モリカが慌ててドアに向かい開け放った。背後から二人が除くと人間の二倍の大きさはある土蜘蛛が祖父を咥えて出てくる所だった。祖父の体からは血がながれだしている。土蜘蛛の全身は黒かったが腹の部分に白く星の様な模様が七つ丸く並んでいる。

「お爺さん」二人が絶叫した。

土蜘蛛は恐ろしい早さでモリカとネル、チハルを突き飛ばし、外にでた。土蜘蛛は白い粘液質の糸で祖父を素早く括り体に固定した。

 モリカは前脚をナイフに変形させて土蜘蛛に襲いかかる。土蜘蛛は括りつけた祖父を盾にしてモリカを牽制した。

「やめて、お爺さんを殺さないで!」チハルが叫ぶ。土蜘蛛は口からびゅっと糸をモリカに向かって吐き出した。モリカの動きが一瞬止まる。

 土蜘蛛のぎらぎらと感じる強い意識が二人を蔽った。糸から抜け出したモリカが前足を振るう。土蜘蛛の脚が一本、切断されて落ちた。土蜘蛛は恐ろしいくぐもった声を発した。

「今はこいつを連れ去るのが先決。お前との決着は必ずつけるぞ」土蜘蛛は大量の糸をはき、その間にいずこともなく消え去った。いまも蠢いている一本の脚をのこして。
「お爺さん!」ネルがチハルが糸にもがきながら叫ぶ。いつの間にか他の機械蜘蛛が二体、上空の巣から降りてきたが既に七本足となった土蜘蛛の姿はなかった。三体の機械蜘蛛は情報交換した。二体は直ぐに巣の上に戻った。

 チハルが泣き崩れた。涙を浮かべながらネルは茫然としていた。

「敵に先を越されてしまった」モリカの声に悔しさが滲む。

暫く、なすすべもなく硬直したように微動だにしなかったが、二人と一体はやがて家に入って行った。祖父の書斎は見るも無残な状態だった。書籍は殆どが原型をとどめていない。
大きな机も半分に割られている。書類の様なものが床一面に散らばっているが文字は読め取れそうにない程に何かの染みで覆われている。

 ネルとチハルとモリカは憑かれた様に書斎の中を捜しまわった。何か、を。

「ねえ、これ」一時間以上さがして椅子の下側の隠し引き出しを発見したネルがいった。
それは掌大の薄い手帳。

慌ててページをめくると最後のページに

 眠り姫→東の魔女 とあった。

「これは・・・」

 その時、家の窓から、額に赤い星のある巨大な黒犬が室内を伺っている事に二人とモリカはまだ気が付いていない。

(つづく)
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コメント

日向さん、こんにちは~(^^)
「機械蜘蛛の塔」の第2回、第3回、楽しく読ませていただきました♪

眠る続ける姫を目覚めさせる方法…一体どんな方法なんでしょうね~。
まさか、美青年の王子様のキス、ってことはないですよねぇ(笑)
…すみません、個人的願望なので気にしないでください(爆)(^^ゞ

連れ去られたお爺さん、どうなっちゃうんでしょう?
土蜘蛛は、古代生物と関係があるんでしょうか?
眠り姫→東の魔女の意味は?
巨大な黒犬は、はたして敵か味方か…?
あ~、もう気になることだらけで、
早くも続きを読みたくてうずうずしてきました!!(*≧▽≦*)
第四回を楽しみに待っていますね~(^^)/
2010-04-24 Sat 17:40 | URL | miwa125 [ 編集 ]
こんばんは!
第1回から読ませていただきました。
まるで映画の最初のシーンのように、空を覆う蜘蛛の巣と機械蜘蛛が頭に浮かんできました。
想像力がとても刺激される文章です。
おじいさんのことも眠り姫のことも気になります。
続きを楽しみにしていますね♪
2010-04-24 Sat 23:12 | URL | samiado [ 編集 ]
日向さん、おはようございます~♪
面白いです!次にどんな展開が待っているのか、続きを読むのが待ち遠しいです(><)

土蜘蛛に、黒犬……すごく気になる存在です。
個人的に黒犬という響きが好きなので、どうか二人の味方であって欲しいのですが(笑)
でも二体に共通する星の模様…これは何かを意味しているんでしょうか?うぅ、気になる…
それに、お爺さんの安否も気にかかります(*_*)
第4回、楽しみに待っていま~す☆
2010-04-25 Sun 11:16 | URL | nanaco☆ [ 編集 ]
miwa125さん
こんにちは~
読んでいただいて嬉しいです!ありがとうございます。

眠りの姫の覚醒に美男子の王子・・・勿論考えました・・・がどうなんでしょうか・・それ以上のアイデアがあるのか・・(悩)

2010-04-25 Sun 16:57 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
samiadoさん
こんにちは~、感想ありがとうございます!
想像膨らみますか?嬉しいです。

前からこのイメージだけがあって、それをなんとか物語にしようと思ったしだいです。

また読んでくださいね~。ありがとうございます。
2010-04-25 Sun 17:00 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
nanaco☆さん
こんにちは~、感想ありがとうございます。

面白いって言ってもらうのが一番嬉しい。

今回で大体の登場人物が出そろったのですがどう展開していくのでしょうか?漠然とはあるのですが、ご多分にもれずラストを考えてません・・・また宜しくお願いしますね^^
2010-04-25 Sun 17:02 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
日向さん、ますます物語が膨らんできましたね~。
なんだかゾクゾクしながら、ある種の興奮に包まれて、先へ先へと読み進みました。
土蜘蛛の切られた1本の足までが、リアルに頭の中でイメージされ、黒犬の額の赤い星が異様な光を発しているような、そんなところまで目に浮かんできます。
どうかお爺さんが無事でありますように。
幼い二人の使命の大きさと、これからの闘い(?)、
次回を楽しみにしてますね~!!!
2010-04-25 Sun 19:27 | URL | picchuko [ 編集 ]
picchukoさん
こんばんは~
ありがとうございます!
色々、考えているのですがどうなるのか自分でもわからないです^^

でも自分も書いていて楽しいです。なので出来るだけ早く続きを書きますね・・
2010-04-26 Mon 23:20 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]

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