輝く断片のあつめかた

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「魔女のはかりごと 第4回」 日向永遠 「連載小説を書いてみようv(41975)」

こんにちは~
ハカリの物語、魔女のはかりごと をやっと再開いたします。

この様な不定期な連載で申し訳ありません。
たとえ一文字、一行でも毎日つづけないとだめなのが分かりました。
長い間中断していると、なかなか筆(キーボード?)が乗らないのです。
継続は力とあらためて思いました。

今回は堀先生が主役です。

前までの話を覚えていただいているか、不安ですが(自分も思い出すのに時間がかかりました)宜しくお願い致します。

そして感想や応援宜しくお願いたします。

3回へ



 魔女のはかりごと  第4回

 教壇に立つ堀は目を光らせて教室を見回した。ハカリにはそれが楽しんでいる様にみえた。紛失したお金。それはだれが盗んだのか?その事をネタに自分の楽しみにしている。そもそも、このクラスの中に堀の異常性に気が付いている人はいるのだろうか、その善悪をはっきりと区分けし徹底的に弾劾しようとしている事に気が付いている人がいるのだろうか? 堀先生の魂が律動している。その波動がクラスを蔽って居てる。

「本田さんから事前に説明を聞いています。これは事故ではありません。本田さんの不注意から無くなったもではないのです。これは事件なのです。盗まれたのです。今、名乗り出る人いませんか?良いでしょう。クラス全員の前で名乗り出る事ができないのかも知れません。今週いっぱい待ちます。放課後、私のところへ来てください」堀先生は一人一人をあなたではありませんかと疑う様に見ていった。

 教師堀三枝の脳裏に今対面している生徒と重なり幼い自分の姿が重なり浮かんできた。あれは中学にあがったばかりの頃。堀はその年の学年一位の成績で入学した。そのことは直ぐ、全生徒に知られる事となった。
 「堀が一番頭良いんだ」そんな言葉がなにげなく耳に入った。初めそれは誇らしく感じられたのだが、直ぐに忌まわしいものとなった。
 入学して一ヶ月、堀は体育館の裏に黒沼という女生徒から呼び出された。
 グランドから野球部やテニス部のかけ声や打球の音が聞こえてくる。
 堀が体育館裏に行くとそこには黒沼とその取り巻きと思われる十人近くの女生徒がいた。堀は体が震えた。
 黒沼は煙草をくわえながら堀の前に立った。
「堀、いい気になっているじゃないのか!」たちまち両側から体を押さえつけられた。
「バカじゃない」堀が叫んだ。瞬間、頬が大きな音をたてた。黒沼が堀の頬を思い切り叩いた。
「おまえが俺の仲間になるのか、試そうと思ったがやめたわ」
 堀の両手が黒沼の手下によって掴まれ黒沼の前に差し出された。次の瞬間、煙草が手の甲に押しつけれた。肉の焼ける臭いが漂う。堀は口を固く結び叫びをかみ殺し耐えた。堀は黒沼に向かい唾を吐きつけた。途端に地面に押さえつけられ、足蹴にされた。わき腹に、背中に激痛が走る。頭を庇いながら転げ回る。加虐者たちに息があがるまで無限とも思える時間を耐えた。最後に黒沼の一撃が腹部にあった。気を失った。
 その時から学生生活、それだけではなく人生が決定づけられた。人生を生き抜くのに必要なのは、知力や理性ではない。そんな世界であるなら、世界とはなんて無意味なものだろう。

堀に対する虐めは中学の三年間、高校、大学と続くことになった。仲間、友人はできなかった。黒沼の様な者を中心にしたグループか、堀の様に孤立した人たちかに分かれた。堀は堀と同じ様な境遇の人たちと連携しようとは思わなかった。堀を拒む世界に、誰も信用に値しする人は存在しない。信じられる世界はどこにも無かった。受け入れる世界は何処にも無かった。世界は真剣に生きる価値はない。二十歳前に堀は悟った。善良そうなその仮面の裏には醜い欲望が渦巻いている。それは人間の本性である。その欲望を押さえつけて善良ぶっている人々。反吐がでる。その笑顔の裏側を見せろ。それが本性ではないのか。それが堀の考えの中心だった。堀は勉学を続けた。それしか無かった。勉強している自分だけが世界と係われたのだった。それが堀にとっての世界との対峙、いや対決だった。そして、その暗く黒い思いを胸に教師となった。それは自分と云う存在を拒む世界と対決するため。

 回想から戻った堀先生は生徒たちを改めて見回した。堀先生の視線が量子に止まる。
 なんて目をしてるの?この子は黒沼の様なタイプなのか、それとも自分側の存在なのか。計りかねた。全てを見抜く様な視線。量子の他にもう一人、空子も妙に大人びた雰囲気を纏っている。他の生徒は特に問題ない。自分の餌食にできる。この世界を、うわべだけの世界の成り立ちを教えてあげる事ができる。そしてこの世界が嘘っぱちの薄い世界でしかない事を教えてやる。しかし量子と空子には注意しなくてはいけない。このクラスで注意すべきはこの二人。

 堀と量子の視線が教室の中で絡んでいた。空子は背中がチリチリするような感覚を覚えた。量子は平然としている。

 量子は、堀の魂をみた。黒く暗く蠢いている。それは世界に対する怒りと憎悪。

「量子さん、あなたは、犯人について何か知っているのですか?」堀は探るように言った。量子はこのクラスにお金を盗んだ人がいないことを感じていた。堀もそのことに気がついている事も知っている。お金の紛失は恐らく事故だ。いつか以外な場所から出てくる。今は誰も気がついていないだけ。しかし堀は何か企んでいる。量子はこの茶番を止めるべきかそれとも傍観しているべきか悩んだ。
「何も知りません。先生」量子はゆっくりと喋った。
「そうですか。名乗り出る人もいませんね」朝のホームルームを終わり堀は教室から出ていった。

 量子は空子の方を見た。空子はきつい目つきで量子を見た。

 放課後、量子は空子と駅への道を歩いていた。
「ハカリ、どう思う?」ソラはハカリに聞いた。
「堀先生、なにか企んでる。黒々した魂が見えるわ」
「私も良くない事が起こりそうなのは感じるわ」

(つづく)
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コメント

日向さん、こんばんは~^^
「魔女のはかりごと」の続き、楽しみに待っていました!
第1回まで遡って読んで、今までのおさらいしてきましたよ♪

今回は堀先生の過去ですね。
黒い塊が見えると聞いて、心が腐ったヤツなの!?と思っていたけれど、
先生が過去に経験した事を考えると、少し同情してしまいます。
先生も被害者だし、極度の人間不信に陥るのも、何だか分かるような気が…
それでも、自分の生徒にまでそれを押しつけるのは、やっぱり教師としては失格ですね!

堀先生が、ハカリとソラに対して何やら企んでいそうで怖いです。
クラス中の悪意を二人に向かわせるんじゃないかと、不安になります…(*_*)
ドキドキしながら、続きを待つ事にします☆
2010-04-11 Sun 22:22 | URL | nanaco☆ [ 編集 ]
nanaco☆さん
こんばんは★
1か月以上、空いてしまってすみません。
1回目から読んでいただいたのですね・・ありがとうございます。

これからは、出来るだけ早く次回をアップしますね。

堀先生とハカリ&ソラの対立が次回からのメインの予定です。待っててくださいね。
2010-04-12 Mon 23:11 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
こんばんは~^^

「魔女のはかりごと」、改めて第1回から読みなおしてきました!!(*^_^*)

堀先生…いじめを受けていた辛い過去には同情しなくもないですけど、
その自分の暗い思いを生徒たちにまで押しつけようとするのは
教師としてはもちろん、人間としても許されないことですよね!(--〆)
それに、堀先生の「世界に対する怒りと憎悪」が
どんどん生徒たちを餌食にしていくのかと思うと
何だかゾッとします~(><)
ハカリとソラは、そんな堀先生と、
これからどう向き合うんでしょう…!?
続きを楽しみにしていますね~(^o^)/
2010-04-13 Tue 18:24 | URL | miwa125 [ 編集 ]
miwa125さん
こんばんは~
miwaさんも一回目から読んでいただいたのですね
ありがとうございます。ほんと嬉しいです。

堀先生の過去、そしてその生き方・・・色々考えます。次回もそう間を空けず書きたいと思います。宜しくお願い致します。(*^_^*)
2010-04-13 Tue 22:42 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
そうだった、K君のお見舞いのお金が無くなったんだと、堀先生の登場に改めて以前の内容も読ませて戴きました。^^

堀先生の過去は普通じゃなく、確かに同上すべき点もあるけれど、ですが大人になりきれないまま、本来なら絶対になるべき職業ではない先生という道を進んだのですね。
量子と空子との出逢いが、一時期は対立するかに見えて、それがこれからの堀先生の人生観を大きく変えるものであるといいですね。

黒々とした魂、、、もしかすると、誰しも持ち合わせているのかもしれません。
私、恥ずかしすぎて、量子ちゃんにお会いすることできないわ!(笑)
2010-04-16 Fri 23:15 | URL | picchuko [ 編集 ]
picchukoさん
こんにちは~
返事が遅くなり申し訳ありません。
誰にも、黒い面はあると思います。それを抑えているのだとおもいます。
ちょっとしたきっかけで転んでしまう弱さをもっているのが普通の人間ではないかと思います。

堀先生の再生の物語になるのか・・・まだわかりません。
また読んでくださいね。ありがとうございます。
2010-04-18 Sun 15:56 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]

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