輝く断片のあつめかた

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「虹子の物語第2部 卒業」第21回 最終回 「連載小説を書いてみようv(41975)」

皆さん、こんばんばんは~

やっとやっと最終回です。
思いがけず、長丁場になってしまいまいました。

ほんとうはもっと明るい話で終わらせた方が良かったのかも知れません。
今でも迷っています。

読んでいただいて本当にありがとうございました。

また新しいお話を考えますのでよろしくお願いします。

感想、応援お待ちしてます。



 第21回

 紅葉が触れるとヒロはまだ暖かった。口に耳をあてる。息はしていない。胸に耳を当てるが鼓動も聞こえない。体の温かさから死んだとしてもついさっきの様だった。紅葉はヒロの口に自分の蜘蛛の子を移した。蜘蛛の子はヒロの意識の残像を必死で拾い集めた。本当の母との別れ。それは覚えていない事なので美化されていた。新しい母と父の死の間のつかの間の幸せ。斎藤と母の仕打ち。アルフとの出会い。紅葉と虹子との出会い。家庭相談士。学園祭。蜘蛛の子はヒロの体をくまなく回る。紅葉は特になにも意図してはいなかった。ただ、ヒロの意識を救う事ができないかと思ったのだった。しかし、何年か共生してはじめて自分の意識と同化できるのにこんな短時間で可能なのか?でもやってみたかったのだ。

 穴の上から紫と虹子が心配そうに呼ぶ。「紅葉、大丈夫?」紅葉はヒロを抱き上げると、ロープを引いてくれる様に叫んだ。その時、ヒロの体がピクリと動いた様な気がした。蜘蛛の子がヒロの口まででてきた。その時、予期しないことが起きた。アルフがヒロの口から蜘蛛を舌で掬ったのだった。紅葉は唖然とした。蜘蛛は子供なので、紅葉の意識はほんの微かしかもっていない。成功したかわからないが半分はヒロの意識を吸収しているのではと思った。蜘蛛の子は今度はアルフと同化しようとしている。

 ロープが引かれ紅葉は穴の外に出ることができた。アルフもロープの端を咥えて登ってきた。涙を浮かべた、虹子と紫が紅葉を見つめた。

 「警察にどうやって知らせよう。蟲や土蜘蛛の事を説明しないでうまく伝えられるとは思えない・・」

 三人は暫く悩んでいた。そして公園まで運ぶ事にした。ベンチに横たえる。
「蜘蛛の事を教える訳にはいかないわ。でもヒロ君の事もしらせなくてはいけない」

 悲しい事だけど、受け入れなくてはならない現実。三人はヒロをベンチにねかし、手を合わせてから、車に向かった。心が引き裂かれそうだった。虹子が振り向くと、小さな虫達がヒロを蔽っていた。紅葉や虹子の痕跡を虫達が消しているのだった。

**************

 ヒロの事件は直ぐに発覚した。警察に匿名の通報があったのだった。それは紅葉と虹子が公衆電話からしたのだった。

 ヒロの身元は判明せず、事件は迷宮入りした。
 
 斎藤たちはどこへ越したのか不明だった。新聞にもヒロと斎藤達を結ぶ様な記事は載らなかった。復讐する事も考えたのだが、そんなことをしてもヒロが喜ばない事は一目了然だった。だから、斎藤たちの事は考えない事にしていた。

 暫くして、紅葉はアルフが変わってきた事に気がついた。

「虹、アルフの目、なんか人の目に似てきたと思わない?ヒロ君そっくり」

 虹子はアルフを見つめた。
「うん。ヒロ君みたい」
「アルフ・・」アルフの前足から蜘蛛の子が実体化しだした。紅葉と虹子も自分の蜘蛛を実体化させた。三匹の蜘蛛は触覚を触れ合った。

「紅葉お姉ちゃん、虹子お姉ちゃん、ありがとう」それはヒロに間違いなかった。

 紅葉と虹子から嗚咽がもれ、大粒の涙が頬を伝わった。

 アルフに同化した蜘蛛は紅葉の体内に戻る事はなかった。人と動物とは勝手がちがった。
しかしアルフの目には知性の光が宿っていた。ヒロの心を宿していた。

アルフは紅葉の虹子のそして紫のかけがえのない家族になったのだった。

             (了)  

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コメント

日向さん、こんばんは~^^

とうとう最終回!!
前回はヒロ君が悲惨な状態だったので、どんな風に終わらせるのかなぁとドキドキしていました。
おぉ、そうきましたか~♪ヒロ君が少しでも救われたようで、胸にジーンときました(><)
これで大好きなアルフともずっと一緒にいられるんですねぇ。。。本当に良かった。

母親は、斎藤は…今でものうのうと生きているのでしょうか!?
その事を考えるとどうしようもなく腹が立ってくるのですが…
少しでもヒロ君に対する愛情はなかったのかな、と切なくなってしまいますね(T_T)

とても素敵な物語、ありがとうございました☆
毎回、本当に楽しく読ませていただきました^^
次の作品はどんな感じになるのかな~?? 期待して待っています♪
2010-02-08 Mon 22:14 | URL | nanaco☆ [ 編集 ]
nanaco☆さん
こんばんは~★

最後まで読んでいただきありがとうございました。
凄くうれしいです。

いつも応援ありがとうございました。
題と内容があってないですね。
次回作も宜しくお願いします。
2010-02-09 Tue 23:13 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
こんにちは~♪
前回が悲しい結果になったので、
どんな最終回になるのか楽しみにしていました。
ヒロくん、アルフの中で生きてるんですよねぇ…
すごく素敵な結末に、心が震えるほど感動しちゃいました(T_T)
ホント、良かったです☆

日向さん、素敵なお話、ありがとうございました(^_^)
次のお話も楽しみに待っていますね~(^o^)丿
虹子と紅葉の物語は、第3部の高校生編になるんでしょうか?
こちらも早く読みたいですぅ~(*^_^*)
2010-02-11 Thu 11:53 | URL | miwa125 [ 編集 ]
こんにちはー☆

どんな風に終わるのかと思ってましたが、キャー!と思わず叫んでしまいましたよ、日向さん!
なんとそう来ましたか!!
恨みや悲しみじゃなくまず感謝の気持ちがヒロ君にあるということにすごく感動しました。

それにしても事件が迷宮入りだなんて悔しくて許し難いです!!
斎藤と母親め、どこかで不幸になってしまえ…と、
ヒロ君ほど大人になれないわたしはつい考えてしまいます…

まさかこういう結末になるとは1mmも想像してませんでした!
素晴らしいお話をありがとうございました!
次は虹子たちが高校生ですね。
それに、虹子たちと少しリンクした別のお話もあると伺って今から楽しみで仕方ないです♪
2010-02-13 Sat 17:45 | URL | まる811 [ 編集 ]
miwa125さん
こんばんは~★
返事が大変遅くなり申し訳ありませんでしたm(__)m

もう少し書き込みたかったのです。ほんとは・・。
この最後で良かったか悩みますね。

次回作も構想中ですので、また読んでくださいね。(*^_^*)
2010-02-14 Sun 18:23 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
まる811さん
こんばんは~★
感想ありがとうございます。嬉しいです。

色々悩んでこうなりました!
アルフと一体になったヒロにはこれからも登場してもらおうと思っています。

虹子と紅葉の高校生・・・の前に関連作を考えてます。大体ですがまとまってきたのでそろそろ始めたいです。(*^_^*)
2010-02-14 Sun 18:26 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]

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