輝く断片のあつめかた

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掌篇「渋滞の中」

こんばんは~

竜岩石とただならぬ娘を読んだ所為かちょっと不思議な話を書きたくなって、こんな話を書いてみました。

良かったら読んでみてくださいね。



「渋滞の中」

 日曜日、帰路に着く車の列が続いていた。渋滞である。どの会社もなんで休みが土日なんだ。のろのろと動く車に苛立ち、理不尽な事を呟く。宗教的な理由と経済的な訳があって、土日に休むことになったのだろうがこうまで一斉にやすまなくていいだろと思う。二つ先の信号が青に変わり、少し移動し直ぐに止まってしまう。なんで前の車はもっと車間距離を詰めんないんだ。一台分は優にあるんじゃないか。渋滞の時、車間距離を長くとられるとイライラする。のろのろなんだらから車間距離をとらなくてもいいだろうに。渋滞のとき、必ず一台や二台、そんな車がいるものだ。免許を取ったばかりの初心者か高齢者、または婦人の運転する車に違いない。

 自分の三台まえの初心者マークをつけた車がそうだった。もっと詰められるのに、無用なスペースが大きく空いている。クラクションを鳴らそうか。まあ、怪我人や病人が同乗している訳でもないし、良いか。

 信号が変わり、また進む、初心者マークの車は交差点を右折し渋滞から抜けて行った。
これでスペースもなくなるなと思った。しかし二台先の青い車はさっきまでは詰めて運転していたのに今は一台分の車間距離を空けている。まあ運転に疲れてきたか老人かアベックでキスかなんかに夢中に違いない。暫くしてその青い車はけばけばしいネオンサインのある宿の方に入って行った。

 前には赤いスポーツカーが一台になった。一台分の車間距離もその赤い車の前に移動してきた。

 冗談だろ。前のスポーツカーは若い男が一人で運転している様だ。しかし何かの約束でもある様に一台分のスペースが空いている。不思議な事があるものだ。
 幾つ交差点を過ぎたのだろう。赤いスポーツカーはイライラした感じで交差点を左折して行った。

 スペースは自分の前だった。

 こんな車間距離は無意味。自分はアクセルを踏み車間を詰めようとした。今、自分の前には一台分位の空間とその先には黒い車がいた。

 アクセルを踏む。しかし、一台分の空間は縮まらない。渋滞が解消されたわけではなかった。なのに詰める事ができない。厭な気分になってきた。ハンドルを握る掌に汗が滲んできた。

 前の黒い車を良く見る。運転者はどんな奴なんだ。心臓の鼓動が速くなる。前の車の運転者はよく分からない。
車内は異様に暗く、伺いしれない。厭な予感は益々大きくなっていく。背中にも汗が滲んできた。さっきまでなっていたカーラジオも今はなにも音をだしていない。
 ヘッドライトを一瞬上向きにしてみた。前の黒い車の車内を照らす。

 運転手はいなかった。無人だった。ハンドルだけがライトに浮かんだ。

 よく見ると前の前の車も黒かった。その前も・・・・。
 次の交差点までが異様にながかった。

    おわり
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掌編 | コメント:8 | トラックバック:0 |
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コメント

ひゃ~~~(><)
日向さん、不思議なというかこのお話怖いですよ!!(笑)
こういうの大好きです。とっても面白く読ませていただきました♪

無人の車の渋滞の先には一体何があるのか…
一人、二人、とその渋滞から抜けていったのは、もしかしたら正しい選択だったのかも…!!
うわぁ、色々な続きを想像しちゃいますねぇ。

ここからnanacoなりの妄想コーナーです(笑)
その前の車に血がこびりついているのを見た主人公は、ある不吉な予感にとらわれる。
もしやこの無人の車達は、過去にこの道路で亡くなった人達なのでは…?!
ビビった主人公は直に引き返そうとバックミラーを覗きこむと、そこには無数の死者達が…!!!
な~んて、こんなんじゃ完璧ホラーになっちゃいますわ~(爆)
2009-12-21 Mon 20:30 | URL | nanaco☆ [ 編集 ]
nanaco☆さん
こんばんは~
感想ありがとうございます。

本当はもう少し余韻の残る作品を書きたかったのですがもろ実話風怪談になってしまいました(*^_^*)

nanacoさんの・・振り向いたら・・・のラストも凄く恐いです。
2009-12-21 Mon 23:07 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
夜に読まなくて良かった~。(笑)
どんな風に話が進むんだろうかと、でも意外な最後であとは読む人の想像力に任せてくれるので面白いです。
nanaco☆さんの続きもホラーなのに笑っちゃいました。^^

それにしても、渋滞時の運転手のイライラをうまく表現していますね~。
私は田舎者なので滅多に渋滞に巻き込まれることはないのですが、それでも5台ばかり連なるとイラッとしてしまいます。^^;
日向さんの文章を読みながら、まるで自分あハンドルを握っている気分になりました。
(渋滞時、私はご婦人にも関わらず(爆)、前の車に詰め寄るタイプです・・・。^^;)
2009-12-23 Wed 06:33 | URL | picchuko [ 編集 ]
picchukoさん
こんばんは~
読んでいただきすごく嬉しいです。
感想ありがとうございます。

もう少し味のある奇妙な話にしたかったのですが・・
まだまだ・・
nanacoさんの続きもいいような・・・続編も考えようかな~
2009-12-23 Wed 17:13 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
こんばんは~♪
きゃ~!運転手がいない黒い車…
もうそれだけで充分怖かったのに、
黒い車の行列ですか~!?
きっと、どの黒い車にも運転手がいないんでしょうねぇ。
渋滞の先はどんな世界なんでしょう…?
というか、永遠に抜けられない渋滞だったりして(^_^;)
一生、異世界を彷徨う車…あ~怖い!!(><)
でも、色々想像が膨らんで面白かったです(*^^)v
日向さん、面白いホラー掌編ありがとうございます☆
2009-12-23 Wed 17:19 | URL | miwa125 [ 編集 ]
miwa125さん
こんばんは~★
ありがとうございます!

永遠に抜けられない・・・そのアイデアいいですね~
ちがった展開があったかも。

想像を含まらせていただいてうれしいです。
2009-12-23 Wed 18:59 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
ひぃぃぃ~…!!
年末からずっと読みたいと思ってたこのお話、ようやく読みに参りました!
良かった、これから出かける予定がなくて!!

黒い車、一体なんなんでしょうか…
赤や青の車は、気付いて曲がっていったんでしょうか…それとも気付かなかったから曲がれた…?
気付いてしまった主人公は次の信号で曲がれるんでしょうか?
続きを想像するとドキドキします。
今度渋滞にはまった時にこのお話を思い出してしまいそうです。
2010-01-11 Mon 10:37 | URL | まる811 [ 編集 ]
まる811さん
こんにちは~☆

感想ありがとうございます!!

どうでしたか?
なんか続きも考えられそうです。そのうち、作ってみようかななんて・・
2010-01-11 Mon 16:12 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]

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