輝く断片のあつめかた

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「ほんとうの世界 第4回」 「連載小説を書いてみようv(41975)」

こんにちは~

ほんとうの世界の4回目です。

ちょっと遅くなってしまいました。申し訳ありません。

次回、最終回の予定です。この3連休で書く気でいますがどうなる事でしょう。

是非、是非、感想教えてくださいね。宜しくお願いいたします。




ほんとうの世界 第4回

 どうしても、あの老紳士を見つけなければいけない。そうしてなおの事を確かめるのだ。その思いは日に日に募っていく。夜、酒場に行くが老紳士は見当たらなかった。会えるまで通うつもりだった。

 月曜日、出社する。同僚たちの態度が気になるのだが、特に不自然なところは見受けられなかった。仕事をしていてもいつの間にか、想いはなおのことにとんでしまう。なおが生き返ってから、気持ちは揺れた。いない間は、寂しくて、悲しくて、打ちひしがれていた。なおが生き返った今はどうか?現実を受け入れられないことで不安でならない。いない方が良いのか?そんな事はない。ならば、素直になおを受け入れれば良いではないか。何も悩むことはない。そう何度も何度も、自分に言い聞かせる。
 現実ってなんだ。実体あるものを全て信じる事で現実がなりたっている。だから、なおを受け入れれば、何の問題もない。なおをとりまく世界も生き返る以前となにも変わっていない様だった。
 ほんとうの世界は今の状態を受け入れる事で成り立つのか。現実を受け入れる事が世界を成り立たせているのか。翌々考えれば、厭、考える以前から今の世界は皆の幻想から成り立っていると言えるのではないのか。
 貨幣経済はその最たるものだと思う。紙幣という紙きれを信用し成り立っている危うい世界、日本中の、いや、世界中の人々が幻想を支えている。それが世界の実態。それは世界を維持していく上で必要な事なのだろう。しかし考えれば、考えるほどおかしな事だと思う。実態のないものに価値を与え、それを皆で疑問も持たないで信じている。お金と違いなおは実態がある。よっぽどなおの方が信じられるのではないのか。信じていけない理由はどこにもない。
 そう思うと早く家に帰ってなおに会いたい。そして抱きしめたい。そう思うようになってきたのだった。一抹の不安を無理やり心の片隅に押しやることでなんとか自分を納得させようとしている。

 会社からの帰り道、昼間会社で考えていた、なおを無条件で受け入れるという考えは家に近づくにつれ、薄れて、不安の方が大きくなっていった。軟弱な自分がたまらなく嫌になる。世界は蘇ったなおを受け入れているじゃないか。自分一人が疑問に思っているだけだとしたら、そのことになんの意味があるのだ。なおに聞いてみよう。君は生き返ってきたのか。なおなら自分の苦しみを分かってくれる。そしてなお自身の事を説明してくれるのではないのか。そう決心した。なおに聞いてみよう。
 家に着くと。夕飯を支度しているらしい、音と香がした。
「お帰りなさい。もう直ぐ、ご飯ができるまで待っててね」そこにはいつもと変わらないなおがいた。着替えてそのまま、お風呂に先に入る。夕飯は美味しかった。自分の好きなものばかり。やっぱりなおは奈緒なのだ。そう思う。

 「なお、話があるんだ」なおが小首を傾げる。その仕草が堪らなく、可愛くて、愛おしい。そして妖しい魅力が漂っている。なおに見つめられると話はどうでも良くなってくる。思わずなおを引き寄せる。
 「なお、君は生き返ってきたのか?」知らず、口走っていた。なおは聞こえたのだろうか。それとも聞こえてないのか。なおの唇が私の唇を塞ぐ。なおはそのまま体重を預けてきた・・・・。

 結局、なおに真実を聞くことができなかった。なおを抱いている時、なおの表情の中に悲しみが浮かんでいる様に見えた。それは気の所為だろうか。それとも、なおに何かの事情があって、なおは苦しんでいるのだろうか。それが生き返りに関係していることだろうか。もしそうなら、何故、自分に話してくれないのだ。今、自分の横で寝ているなおを眺めながら思う。優しく髪を撫でながら、無性に悲しくなってくるのは何故。生き返ってからのなおはその前より、性に積極的なのは悲しみから逃れる為なのだろうか。気にはなっていた。生き返る以前に比べるとその妖艶さがまし、仕草も違う。まるでいつも誘っている様に見えるのだ。それは、まるで私を失う事を恐れているかのように思えもする。
 そんな事を繰り返し、繰り返し考えているともう、真実はどうでも良くなってくるのだった。こうしてなおのそばにいる事で二人が幸せならばそれで良いのではないのだろうか。
無理になおに聞いて何かが分かったとしても幸せを壊すことになるとすれば意味はない。

 知らないでいる事の幸せは世界中にある。
 真実を知ることが幸せとイコールではない事。
 知ってしまって不幸になる事。
 真実とはなんだろうか。
 知ることで不幸になるとすると真実を知る意味があるのだろうか。
 なお、教えてくれないか。
 僕に教えてくれないか。
 僕はどうしたら良い?

 つづく

ほんとうの世界5回最終回へ

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創作 | コメント:6 | トラックバック:0 |
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コメント

こんにちはー☆
なおが偽物というより、世界が偽物なんじゃないかという気がしてきました。
老紳士はなんのためにこんなことをしたんでしょう?
どうしてこの「僕」なんでしょう?
どんな真実が待っているのか、最終回が怖くもあり楽しみでもあります。
2009-11-21 Sat 14:08 | URL | まる811 [ 編集 ]
こんにちは~♪
なおの生き返ったこの世界を、
悩みながら必死で「現実」として受け止めようとする
主人公の気持ちが痛々しいですねぇ(T_T)
幸せって何なんでしょう?
真実って何なんでしょう?
なおがどう答えるのか…とっても興味深いです♪
次回はとうとう最終回なんですね~。
早く読みたいような、ちょっと寂しいような…
とにかく、楽しみに待っていますね~(^O^)/
2009-11-21 Sat 17:17 | URL | miwa125 [ 編集 ]
日向さん、おはようございます~♪
4回目もとても面白く読ませていただきました^^

ますます謎が増すばかりですねぇ…
なおの悲しみの表情、どこか自分を繋ぎ止めておこうとするような焦り、、、
前回読んだ時はなおが何かこの世ならぬものに変貌するんじゃないかと思ったんですが(笑)
今回はむしろ、本当に死んだのは自分のほうだったりして…と色々妄想してしまいました(>_<)

日向さんの小説を読んでいると、日向さん自身の人生観が入っているようで興味深いですねぇ☆
最終回、どんな結末に落ち着くのか、、、楽しみに待っていますねヽ(*^^*)ノ
2009-11-22 Sun 06:53 | URL | nanaco☆ [ 編集 ]
まる811さん
こんばんは~★
コメントありがとうございます。
世界が偽物・・・鋭い・・・常々、この世界はなんか変と思っているのでちょっとしたところに出てるかもしれません。

次回も是非、感想を聞かせてくださいね。
2009-11-22 Sun 18:36 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
miwa125さん
こんばんは~☆

主人公と奈緒の幸せを考えると、このまま何も知らないでいたほうが良いのか・・・?

いろいろ考えてます、最終回も読んでくださいね。(*^_^*)

2009-11-22 Sun 18:38 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
nanaco☆さん
こんばんは~★

実は死んでいるのは自分の方・・・その結末も考えました。(*^_^*)シックス・センスみたいな終わりですね。

自分が普段、何かにつけ考えている事を今まで書いてきた虹子にしてもエントロピーにしてもこのほんとうの世界にも、書いています。人生観なんてとても言えませんが自分の想いを入れているのはそのとおりです。ちょっと恥ずかしいですが、nanacoさん、鋭いです。次回も読んでくださいね。ありがとうございます。
2009-11-22 Sun 18:42 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]

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