輝く断片のあつめかた

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掌編「雨に思う」 日向永遠

こんばんは~

会社からの帰り、車のガラスにあたる雨を見て、こんなお話を考えてみました。
(運転中、ヒントをもらいました


すっごく、短いお話なのですぐ読めると思います。

今日は内容を暗示させるようなヒントはなしです。
良かったら、感想教えてくださいね。お願いします。



 「雨に思う」

 朝から雨が降っていた。秋の雨は冷たい。今日は一日、家に居ようと華菜は思った。
雨の日は憂鬱になって、心が内に沈みがちになる。もともと華菜は活発な方ではない。高校での生活も友達も少なく、一人、窓際で物思いにふける夢見がちな少女だった。

 昼過ぎになっても雨は止まない。そんな激しい降りではないのだが、空は暗く昼間だというのに明かりが必要だった。母も父も兄弟も出かけてて華菜一人だった。

 テレビもオーディオも消し、外を眺めていた。遠く山々の連なりが見える。近くには神社の森が茂っている。

 華菜の中で音は消え、自分の鼓動の音と雨の音が重なって聞こえてきた。

 カラス窓に水滴がいくつも、いくつも付いている。時々、水滴と水滴が一緒になってガラスの面を滑って流れていく。

 水滴を見つめてみる。心を覗いている様な不思議な感じになってくる。

 華菜は水滴の一つ、一つにの自分の顔が映っているのに気がついた。自分がほほ笑む、すると無数の水滴の顔も微笑む。自分が睨む、すると無数の水滴が睨み返してくる。

 すっかり夢中になってしまった。今、世界には自分と無数の水滴の自分が存在している。
ああ、この子たちと話をしたい。この子たちと一緒に遊びたい。

 華菜は何時間、そうしていただろう。不思議な事が起こった。ひとつの水滴が華菜の顔を映し、下から上に移動してきた。そして口をぱくぱくしている。何か言っている。

 華菜はじっと水滴を見つめた。窓に近づく。もっと良く見ようと窓に着く位、近づく。
水滴は嬉しいのかますます、活発に震えだす。華菜はもうガラスに触れそうだった。

 華菜の顔が唇がガラスに触れる。無数の水滴が一か所に集まってきた。華菜の顔と同じ大きさになる。華菜はしらず吸い込まれ、水となり流れて行った。

 部屋の中、窓の下に水だまりが残っていた。

                               終わり
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掌編 | コメント:10 | トラックバック:0 |
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コメント

こんばんは~♪

車のガラスにあたる雨を見て、
こんな素敵なお話を思いつくなんて
日向さん、すごい想像力ですね~(*^_^*)
ラストは、ちょっとホラーっぽいですけど
すごく面白かったです♪

寂しげな華菜は、水になって、
水滴の自分とどんな話をしたのかなぁ…??
何だかすごく想像が膨らんでしまいますね(*^_^*)
2009-10-27 Tue 18:25 | URL | miwa125 [ 編集 ]
日向さん、こんばんは~♪

わわ、とっても幻想的なお話で面白いですねぇ(*^v^*)
華菜ちゃんってこの間の掌編に登場したカナちゃん…?? 別人かな…
日向さんは山梨出身なだけあって、山とか森とか自然の描写が沢山出てきますね。
神社のある森はなんだか神秘的な感じがしてとても好きです♪

掌編で終わらせるのは勿体無いお話ですよ~(><)
水と一体になった華菜ちゃんはどうなったのか…とても不思議なお話で好きです☆
2009-10-27 Tue 20:00 | URL | nanaco☆ [ 編集 ]
こんばんは。
メルヘンかと思って読んでいましたら…こわいっ!
でも、不思議に後味がスイートな感じです。日向永遠さんの筆のせいでしょうね。
2009-10-27 Tue 21:43 | URL | あむあむ108 [ 編集 ]
miwa125さん
こんばんは~
感想ありがとうございます!
もうちょっと膨らましたかったのですが昨日は眠くて短くなってしまいました(笑)

自分の書く話の主人公はみんな寂しい人ばかりです。
もう少し明るい話も書きたいのですが・・・
2009-10-27 Tue 23:08 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
nanaco☆さん
ありがとうございます。面白かったですか?
嬉しいです。

華菜はかなは・・・ちょっと曖昧にしておきます。
こういった短い話も続けて書きたいと思ってます。

また何かアイデアが浮かんだら書きますね(*^_^*)
2009-10-27 Tue 23:10 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
あむあむ108さん
こんばんは~★
コメントありがとうございます。
今回のお話はあまり怖くないと思ったのですが・・・
いつもこんな事ばかり考えてます。

また書きたいと思うので是非読んでくださいね。(*^_^*)
2009-10-27 Tue 23:11 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
こんにちはー☆
車にのってる間にこんなお話かけるなんて!
わたしも普段の生活でちょっとは何か考えて生きることにします。笑

華菜、もしかしてさみしい女の子だったのかなぁ…
友達が少ないのは自分でそうしてるからじゃなくて、本当はもっと欲しかったのかなぁ…。
このお話何度も読めば読むほど不思議な温かい気持ちになります。

ところで、わたしも華菜や、かなお姉さんと名前が似てるのでびっくりしました。
nanacoさんがななお姉さんで、わたしがかなお姉さんだわ~♪なんて。
…まぁ、わたしの名前は「奈落の奈」ですけど。笑
2009-10-28 Wed 13:01 | URL | まる811 [ 編集 ]
まる811さん
こんばんは~☆
感想ありがとうございます!
えっ
かなお姉さん。まるさんの名前と同じなんですか?
びっくりです。また使わせてくださいね・・・

温かくなりますか?嬉しいな~
2009-10-28 Wed 21:02 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
この先の続きを読みたくなるような、色々想像して自分なりの華菜を描いていきたくなるような、、、
不思議な余韻のある作品ですね~。
こんなふうに、「もう少し・・・」という所で綺麗に終わらせるのもニクイところです。^^

華菜の心の奥にある寂しさが、しとしとと降る雨の音とうまく混ざり合って、私にまでも伝わって来ました。
水たまりとなった彼女は、私には何故だか もう寂しくないように思いました。^^
2009-12-26 Sat 12:15 | URL | picchuko [ 編集 ]
picchukoさん
感想ありがとうございます。

これ、短いですけど自分のお気に入りです(*^_^*)
なのでコメントすごく嬉しいです。

つづきも書けますね。いつか書けたらいいな。
2009-12-26 Sat 13:17 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]

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