輝く断片のあつめかた

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「第12回(最終回) エントロピー 新世界の黄昏」 「連載小説を書いてみようv(41975)」

皆さんこんにちは~☆

突然ですが最終回です。

なんか構想と違うのですが・・・
いつか改めて書き直したいと思うのですが・・・・

なんか中途半端ですが 感想お待ちしてます。

(本当は虹子と紅葉の話を早く始めたくて急いでしまいました

***************************************
エントロピー新世界の黄昏 第12回
 
 

社会統制委員の本部のある空中都市は旧東京の上空にあった。空中都市、地下都市、地表がそのまま格差となっていた。一部の富裕層と統治者が空中都市、一般市民が地価都市、そこから零れ落ちた人々が地表に住み着いていた。

 軍専用ゲートから社会統制委員の本部までそのまま装甲車で移動した。

 「葛城君、降りなさい。本部に着いた」葛城は意思のない人形を装い、立ち上がる。
 ヌルが先導し葛城、顔のない男の順で本部に入る。総統室専用階のエレベーターに乗る。

 長い長い廊下が続く。左右の扉のネームプレートには高名な科学者たちの名が並んでいた。彼らは自由意志でここにいるのか?

 漸く総統の広大な部屋に着いた。
 
 総統は反対側にある壁一面の窓に浮かぶ青い星、地球を眺めていた。
 
 「私を騙すことはできません。あなたとヌルの企みなどお見通しです。なぜなら私は全能なのですから」

 葛城の体がビクと震える。瞬間、最初に部屋に入ってきたヌルが硬直し、大きな音をたて床に倒れた。

 「お前は・・・・」葛城は絶句した。そして体の自由が奪われていくのが分かった。意識は残っているのだが体を遠隔操作されている。体が勝手に動き総統の前の椅子に腰をおろす。

 総統が振り向いた。

 「宇宙の意志とは言いません。ですが私は地球の意志です。すべての生物、無生物を細分化しその意識下レベルを再構築したのが私です。あなたの目の前にいる女性の姿をしている私は人間ではないのです。姿をかりているだけです。この星のもっとも知性の高いものの姿を借りているだけなのです。そして地球は母です。ですから女性の姿を借りているのです。何か質問はありますか?」突然語り出した目の前の美しく若い女性の余りに常軌を逸した内容に葛城は言葉を失った。本当の話をしているのか?荘大な嘘話なのではないのか?

 「社会統制委員とは何だ?」葛城は絞り出す様に問うた。

 「私のインターフェイスであり、そしてすべての人々の予定調和した意志が生み出した幻想を実体化し、今の世界に当て嵌めた統治組織ですよ」

 「葛城さん、あなたは人類にまで希望を残す数少ない人です。その人々を代表しているつもりで聞きなさい。良いですね」

 葛城の体が自分の意志のもとに戻ってきたが力がぬけ、具体的行動を抑制していた。逃げる気も総統を攻撃する気も湧いて来ない。

 「百年近く続くこの雷や異常気象の原因を知っていますか?それは人類が環境破壊を続けた結果ですか?笑止です。そんな事はこの巨大な意思の前には瑣末な事です。表層的な事象にすぎません。私、即地球の意志です。明日にも元通りすることが可能なのですよ」

 「何故だ。なぜ人々を苦しめ、地下都市に追いやる!」葛城は怒りをぶつける。
 「罪なき人々を苦しめる権利がお前にあるのか!」

 「あなたは良く理解していない様ですね。私は地球の意志だと言いました。嘘でもなんでもありません。この事の意味があなたに判りますか?」

 葛城は黙ったまま総統を見つめ続けた。するとゆっくり世界が暗転し、部屋が宇宙空間と変わった。

 総統の言葉が葛城の脳に届く。耳から入ってくるのではない。

 「私はあなたです。ですがあなたは私ではありません。地球のすべての集合的意識、それが私です。わかりますか? 人類は種としてその使命の終結を意識しはじめているのです。種としての自殺です。」

 荒れ果てた地表が目の前に浮かぶ、雷光が交差する。しかし一瞬で緑なす大地に変化する。しかしその緑はいままで見たことのない植生だった。がそれは一瞬でもと戻った。荒れ果てた世界にもどった。

 「地下都市はどうなる!」

 「彼ら、そして葛城さん。今こそ、人類の集合意識が個の意識に優先するときです。ユングの集合的無意識の仮説は真実です。しかしその先を彼でも想定しきれないでいました。

 葛城の脳裏に地下世界の人々が走馬灯の様によぎる。そしてその意識が葛城の意識に重なる。来栖がいる。綾瀬がいる。顔のない男がいる。面識もなかった人が古くからの友人の様に意識に重なっていく。

 空中都市がゆっくりと地表に向かって落下し始めた。おそらく地球のすべての空中都市が同時に落下を始めたはずである。

 葛城の意識はいつしか総統の意識とかさなり地球をおおった。

 空中都市が地表に衝突し巨大な地震が地球をゆるがした。地下都市が崩壊し人類はその使命を終えた。

 あとに顔の無い人々が生まれた。かれらの欲望は旧人類のものとは違った。彼らは貨幣経済を産まず、競争せず、無意識下で判断し社会を構築していった。

 しかしそれも地球のほんの一頁にすぎなかった。世界は、地球は理想を追い求めた。

   終わり
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コメント

こんにちは~♪
エントロピーの最終回も
面白く読ませていただきました~^^

顔のない新人類…何だかロボットとしか思えないですねぇ^^;
個人の気持ちや思いはどうなっちゃうんでしょう???
理想を追い求めた地球って、
見てみたいような、見たくないような…(>_<)

日向さん、面白い小説をありがとうございました(*^_^*)
また、エントロピーの番外編とか
パート2なんかが読めると嬉しいです(*^^)
今度は虹子と紅葉の物語の続きですよね♪
そちらも楽しみに待っていますね~(^^)/

ところで。。。
この前、コメントに江戸川乱歩の『黒猫/モルグ街の悪夢』
って書いたと思うんですけど、
エドガー・アラン・ポーの『黒猫/モルグ街の殺人』
の間違いです^^;
あぁ…すっごく恥ずかしいです(><)
2009-10-03 Sat 16:51 | URL | miwa125 [ 編集 ]
えっ、今日で最終回ですか?!
まだまだ続くと思っていたのでビックリです~(><)
最終回、とても綺麗にまとめられましたね☆
読んでいて、なんだかジャック・フィニィの世界を思い出しました。
人類の集合意識…争いや私利私欲のない世界…
地球の幸せと、個人の幸せとは全く異なるものなんだなぁと実感しますねぇ。。。

>しかしそれも地球のほんの一頁にすぎなかった。世界は、地球は理想を追い求めた。
この最後の一文が凄く良いです♪
まるでグインのようにまだまだ壮大な物語を予感させるような、、、
エントロピーも続編を切に希望します!!!^^
日向さん、ホントSF小説と相性抜群ですね~すっごく面白かったです♪

次はいよいよ虹子と紅葉の第二部ですね☆
二人の成長した姿を思い浮かべながら、楽しみに待っていま~す(^O^)/
2009-10-03 Sat 23:26 | URL | nanaco☆ [ 編集 ]
miwa125さん

ありがとうございます。
最後を急ぎすぎました。ごめんなさい。
ほんとうはもっと続けたいのですが長くなりそうなので打ち切ってしまいました。m(__)m

今虹子と紅葉の続編を考えてます。自分も早く二人に会いたいです。

乱歩とポー・・・
大丈夫ですよ。誰にも勘違いありますから・・・
2009-10-04 Sun 15:46 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
nanaco☆さん
ごめんなさい。いくつかまだエピソードを入れたかったのですが、いつ終わるか分からなくなったので・・
こんな急いだ終わり方をかんがえてはいなかったのですがもう10月になってそろそろ虹子と紅葉に会いたいなと思って急ではあるのですが一応終わりにしました。自分も納得はしてないのですが、荘大なラストにしたかったのですが・・・

読んでいただき凄く嬉しいです。また宜しくお願いしますね。もうすぐ紅葉と虹子を書きます(*^_^*)
2009-10-04 Sun 15:57 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
こんにちはー☆
遅ればせながらエントロピー読ませていただきました。
まさかこういう展開だったとは…!葛城がどうとかではなくもっと壮大な話だったんですねぇ。
最終回以前は、総統の言うことは正論と思いつつ反発する気持ちもあったんですが、
それは地球の意志だったのか…と思わず唸ってしまいました。
「集合意識が個の意識に優先」という所がすごく好きです、というか考えてしまいます。
集合意識によって個人が無視されてしまうとしたら、
わたし達って一体どうして存在しているんでしょう…?
うぅ~やっぱり地球の意志の言うことに反発したいです~!
日向さん、わたしエントロピーの世界がすごく好きです。
結末的に"続編"は難しいでしょうが"番外編"がものすごく読みたいです!!

次は虹子と紅葉に会いにいきます~♪
2009-10-15 Thu 13:35 | URL | まる811 [ 編集 ]
まる811さん
こんばんは~
コメントすごくうれしいです。

急いで話を終わらしてしまったのでちょっと変ですね。自分でも納得できません。いつか完全版を書きたい気がします。番外編ですか?考えてみますね(*^_^*)

虹子と紅葉も読んで感想お願いしま~す。
2009-10-15 Thu 22:42 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]

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