輝く断片のあつめかた

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「第6回 エントロピー 新世界の黄昏」

皆さんこんばんは~★
長い間中断していましたが”エントロピー”を再開いたします。

正直、色々あってへばっていました。なかなか、話の続きを考える余裕がありませんでした。
メンタルな部分で弱さもあったり、肉体的にも辛かった。

でも最近、暑さも一段落したこともあり、少し持ち直して来ました。
それと同時に自分が夏向きな人間ではないなと改めて自覚する事になりました。

随分、間があいてしまい話の内容を思い出すだけでも時間がかかってしまいますね。
申し訳ありません。m(__)m

話の雰囲気が変わってしまうかもしれませんが、それは今回の中断のなせる事だと思ってください。ごめんなさい。

実情は早くエントロピーに区切りをつけて虹子の物語の2部を書きたいと思っています・・・

そうかと言って、エントロピーをいい加減に書く気はありません。
また是非、お付き合いください。宜しくお願いいたします。 

第1回 第2回 第3回 第4回 第5回

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 第6回 エントロピー 新世界の黄昏

 3 潜入
 数日後、葛城は町の歓楽街を目指した。
 一般の住人が空中都市に行くことは余りない。富裕層の住人に知り合いがいて彼らが招待してくれるか、それとも社会統制委員に様があるか。一方、空中都市に住む人々は物見遊山で地の下都市を訪れる。地下都市には歓楽街があるからだ。そこには人間の欲望が渦巻いている。空中都市にもないわけではないが圧倒的に地下都市の方が大きい。人の数だけ欲望がある。地下都市の方が猥雑で多様だった。空中都市の洗礼された施設とは違った魅力があった。葛城は、そこで社会統制委員を探すつもりだった。
 
 クラブ、ニューワールドのドアをあけ、中に入った。ここに来る前に数件はしごして情報を仕入れてきたのだ。カウンター席の奥に、顔のない男がいた。以前、葛城をおそった男とは違う。クラブのママらしき女が横に座っていた。客は閑散としている。葛城はひとつ空けて座った。ママが葛城の方を向いた。同時に顔のない男も葛城を見た。表情が変わる。葛城の事を知っているのだ。葛城が目配せすると男はママに席を外すよう言った。

 「葛城君だね」席をひとつ空けたところに座りなおした。
 「ああ、統制委員の警察組織の事を知りたくてね」葛城は警察手帳を差し出しながら言った。
 「ほう、やっと決心がついたかね。時代の趨勢を見極める事の重要性に気が付いた様だね。それが大人の行動と云うものだ」
 「先に統制委員として組み込まれた仲間と話がしたいのだが出来るかな?」
 「彼らは現在、研修中でね。来月から統制委員の一員として働いてもらうために訓練中なんでね。会えるの来月ということになる。もちろん、君が統制委員、編入に同意するなら、明日からでも会えるよ。同じ研修仲間としてね」
 「もう少し考えさせてくれ。連絡先をおしえてくれるか」男は黙って小さな紙片を取り出し葛城に渡した。それはICチィップが埋め込まれた、制御版プロパティカードだった。
葛城は胸のポケットから携帯端末をだしその上にかざした。相手の携帯端末の番号だけがスキャンされた。ほかの情報は皆無だった。名前もない。

 「あんたをなんて呼べばいいのかな?あんたたちは顔もなければ名前もないのか?」
 「名前?私に名前はないよ。良いかね。神に近づく程名前はないのだ。天皇に苗字の無いのは日本人なら知っているだろう?何故なのか知っているかね。高貴な存在ほど名前を呼んではいけないのだよ。なぜなら呪をかけることができるからだ。名前イコール個なのよ。人は言葉に縛られる。名前はその最たるものだからね。もちろんこの22世紀もなかばになって呪なんて言うのは科学的ではないと思うかね。違うのだよ。人間は知性を獲得した。それは言葉を操ることを獲得したと同義なのだよ。そこから言葉と実態は切っても切れない物になった。名前はないとさっき言ったね。名前の無い利点はなにか、敵から特定されない事だよ。頭の良い君ならもう解るね。連絡ならその番号に入れてくれ。いつでも歓迎するよ」

 「おい。ふざけるなよ。名前も言えないのか!社会統制委員のメンバーは名前がない?
そんな筈ないじゃないか」葛城は男を睨みつけた。ふざけている。この男は俺を馬鹿にしている。名前がなくてどうやってコミニュケーションをとると言うのだ。

(つづく)

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コメント

おぉっ!エントロピーの続きだ!楽しみに待っていました~♪
前回から少し間が空いていますが、インパクトがあったからかよく覚えていましたよ(^^ゞ

顔のない男、どんな感じなのかなぁと色々と想像してしまいました。
>人は言葉に縛られる
あぁ、その通りだなぁと思わず頷いてしまいました。
日本では昔から、名前が呪いに使われる事って多いですものね。

エントロピーを読んでいると、あさのあつこさんの「NO6」という小説を思い出します。
聖都市と、その都市が吐き出したものが集まったような都市。
続き、楽しみに待っていますね~♪(虹子の物語も!)
2009-08-29 Sat 07:41 | URL | nanaco☆ [ 編集 ]
nanaco☆さん
長い間が空いてしまったのですが、読んでいただきありがとうございます。
嬉しいです。頑張って続きを書きますね。
虹子の物語も早く書きたいな(*^_^*)
2009-08-29 Sat 10:24 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]

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