輝く断片のあつめかた

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「第12回 蜘蛛の女王・・・虹子の物語」 「連載小説を書いてみようv(41975)」

皆さん、今晩は!今回は中学生編の最後の山場です。(*^_^*)
今回は、虹子の蜘蛛の話です。中学生編は今回のエピソードが決着した時点で終わる予定です。次回か、遅くとも次々回の予定です。


第1回 蜘蛛の女王・・虹子の物語 第2回 蜘蛛の女王・・虹子の物語
第3回 蜘蛛の女王・・虹子の物語 第4回 蜘蛛の女王・・虹子の物語
第5回 蜘蛛の女王・・虹子の物語 第6回 蜘蛛の女王・・虹子の物語
第7回 蜘蛛の女王・・虹子の物語 第8回 蜘蛛の女王・・虹子の物語
第9回 蜘蛛の女王・・虹子の物語 第10回 蜘蛛の女王・・虹子の物語
第11回 蜘蛛の女王・・虹子の物語

それでは12回目の始まりです。宜しくお願いいたします。




第12回 蜘蛛の女王・・虹子の物語
(7)虹子とその蜘蛛

 夕方、虹子は紅葉の母に送られて、家に帰った。紅葉も一緒に送ってくれた。
「虹子。毎日でもいいから家に遊びに来てね。待っているからね」と紅葉。
「そうですよ。虹子さん。遠慮は無用ですからね。これから暫くが一番不安な時だと思うから。だから紅葉と一緒にいた方が心強いと思うわ」紅葉の母も一緒になって言う。教えてもらった紅葉の母の名は、紫(ゆかり)だった。すごく素敵な名前だなと虹子は思った。素敵だけど、その正体を知った今は名前も妖しく感じられる。

 さすがに毎日は行けないけど、一日おき位に紅葉の家に遊びに行った。そんなある日。夏休みもちょうど半分を過ぎたあたり。あの事件から2週間以上すぎたあたりの頃。

 虹子は心の中に別の意識が芽生え始めたのを感じた。ああっ蜘蛛が成長し始めたのだなと思った。
蜘蛛が成長したら会話出来るのだろうか?それとも自分自身と対話するのだろうか?別の自意識を意識しだしてまた不安になってきた。別の意識に集中してみる。それは体の特定の場所に感じるのではなく体全体に感じる。
自分が二重写しになったきがしてきた。人間の自分と蜘蛛の自分が二重に重なる。左の二の腕の痣をじっと見つめる。

「出て来い」蜘蛛が痣からでてくるイメージを思い描く。
「出て来て。わたしの蜘蛛」なんか変な気持ちだった。蜘蛛になった自分を想像するのは、不思議だった。こんな事がなかったら絶対、蜘蛛の自分なんて考えても見ないだろう。だけど不思議なもので運命として受け入れて見ると、慣れてくる。あんなに気持ち悪いとおもっていたのに。

 蜘蛛になった自分はどんなだろう?目を閉じ精神だけの自分をまず思い浮かべる、そして体の中心に蜘蛛をイメージする。蜘蛛の時の紅葉をそうぞうしながら。

 そして自分の左の二の腕の蜘蛛の形の痣に重ねて見る。まず前の左の脚がゆっくりあざからでてくる。目を開け痣を見る、痣の脚の部分が内部からゆっくり盛り上がってきた。
 脚が実体化した。腹部が大きく盛り上がる。前の四本の脚が完全にからだから出てきた。
そしてつづいて後ろ脚、腹部、頭部と続く。だいぶ膨らんできた。頭がでてくる。

 その瞬間、視界が二重に映った。痣からでてくる蜘蛛を見ている自分と、蜘蛛の目から人間としての自分をみてる像がかさなった。なに?これはなに?吐き気がしてくる。無理だ。まだ無理だ。体からでるのはまだよそう。吐き気はどんどん強くなる。蜘蛛が体に戻る様、想像する。完全に抜け出す前だったのでなんとか戻れた。トイレに走り込み、吐いた。
 
 苦しくて、苦しくて、吐くものがなくなるまで吐いた。胃液を吐く。落ち着くの待ってから口を漱ぐ。これは紅葉に教えてもらったほうが良い。絶対そうした方が良い。また明日にしよう。明日、紅葉の家に行って教えて貰おう。
 少し落ち着いてきた。

 「虹、なにしてるの?大丈夫?」心配そうな母の声がトイレの廊下の方から問いかけてきた。母は、虹子の事をにじと呼ぶ。
「大丈夫だよ。ちょっと夏風邪をひいたみたいなの。それで調子悪くて」ドアを開け母と向き合う。
 「虹、顔色が真っ青よ。暫く横になってなさい。いいわね」虹子の母は厳しい口調で言った。それ程酷い顔をしていたのだった。

 これ程、大変な事だとは思ってもみなかった。蜘蛛に人格を移すことがこんなに大変な事だとは思わなかった。紅葉も紅葉の母の紫も凄いなと虹子は思った。

 母の言うとおり暫く寝ていることにした。虹子は自分の部屋へ戻りベットに潜り込んだ。
暫く目を閉じていると、そのまま寝てしまった。

 夢の中、人格が立ち上がってきた。虹子の人格はすっかり寝付いているのだが、そのコピーと呼べる人格が芽生えはじめていた。

 その時、紅葉の家での事。

 「ねえ、お母さん、悪い予感がするの。虹子の身に良くない事が起こってる」
 「ええ、感じるわ。紅葉、直ぐ、虹子さんの家に行ってあげて。私も紅葉の中に入って一緒に行くわ」紫はそう言うが早いか蜘蛛となり左の痣から紅葉の左の痣を通り、紅葉の体に潜り込んだ。

 紅葉は自転車を飛ばし虹子の家に急いだ。10分で着く。道々、母と対話した。体の中の対話。「何が起きていると思う?お母さん」「人格の二重化による自己崩壊。私たちは、生まれながらの土蜘蛛だから、蜘蛛に自分の精神を移すことはなんでもないことだけど、虹子さんは、成長してからだから、それに少女期の精神の不安定さも影響していると思う」

 息を整えてから、玄関で声を、かける。
 「こんにちは!紅葉です。虹子さんいますか?」直ぐ虹子の母が出てきた。
 「まあ、紅葉ちゃん。良く来てくれたわね。でも虹は、具合が悪くて、寝てるの」
 「やっぱり」呟く様に紅葉は言った。「おばさん。心配だから、ちょっと虹子にあっていいでしょ?」

 「紅葉さんなら、もちろんいいわよ。虹は最近、紅葉さんの話ばっかりなんだから」
紅葉は虹子の部屋へ急ぐ。
 「虹子」真っ青な顔の虹子がベットの中にいた。目をしっかりとじていて、顔は苦しそうにゆがんでいる。「暫く、二人きりにしてください」紅葉はドアを閉めながら虹子の母に言った。ドアの外を伺い、虹子の母が去っていくのを確認する。紅葉の母が紅葉の痣からでて、虹子に潜り込んでいった。

(つづく)

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創作 | コメント:2 | トラックバック:0 |
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コメント

日向さん、おはようございます~♪
おぉ、とうとうクライマックスですね!!
いつも以上に読み応えたっぷりで、とても楽しく読ませていただきました(*^^*)

虹子の体内で、どんな変化が起こっているんでしょうか…
土蜘蛛一族は、他人の身体の変化を敏感に感じ取れるのが凄いですねぇ。
蜘蛛だけに本能的なものがあるのかしら?!
虹子にもしもの事があったら、紅葉は悔やんでも悔やみ切れないでしょうね…

続きを楽しみに待っています~♪(=^^=)
2009-06-13 Sat 07:43 | URL | nanaco☆ [ 編集 ]
nanaco☆さん
おはようございます!!
コメントありがとうございます。

虹子の蜘蛛のエピソードで中学生編は終了予定です。
なんか、紅葉と虹子の事が大事になってきてます。(*^_^*)

これからもよろしくお願いしますね。
2009-06-13 Sat 10:12 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]

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