輝く断片のあつめかた

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

「第10回 蜘蛛の女王・・・虹子の物語」 「連載小説を書いてみようv(41974)」

第10回です。ここまでつづくなんて思っていませんでした。
これも応援していただける皆さんのおかげです。本当に感謝いたします。

紅葉と虹子のこれからを見守っていただけると嬉しいです。
先がどの様になっていくかはっきりとはわかりませんが、これからも応援そして出来たら感想を是非聞かせてくださいね。

宜しくお願い致します。・・・・・・・・  日向永遠

第1回 蜘蛛の女王・・虹子の物語
第2回 蜘蛛の女王・・虹子の物語
第3回 蜘蛛の女王・・虹子の物語
第4回 蜘蛛の女王・・虹子の物語
第5回 蜘蛛の女王・・虹子の物語
第6回 蜘蛛の女王・・虹子の物語
第7回 蜘蛛の女王・・虹子の物語
第8回 蜘蛛の女王・・虹子の物語
第9回 蜘蛛の女王・・虹子の物語



第10回 蜘蛛の女王・・虹子の物語

(6)紅葉の苦悩 (承前)

 虹子の寝息の音が微かに聞こえる。紅葉は目を開けた。寝てはいなかった。泣きながらそのまま、口を利かずにいたのだ。
精神が異様に昂ぶっている。

 母に薦めらたのもあったけど、虹子を仲間にしたのは自分が考えて実行した事。紅葉は生まれてはじめから土蜘蛛の末だった。
だから当たり前だった。しかし虹子は違う。普通の中学生。それを・・・。たしかに見た目は普通の人間と変わらない。
神秘的な雰囲気はあっても自分から言い出さなければ気付かれる事はないだろう。

 だけどこの胸の痛みは何?虹子・・・。仲間になって嬉しい筈なのに。実行する前は早く仲間にと、仲間になればと大きな期待をしていたのに。いざ、虹子を仲間にしてみると・・・この心の震えはなに?

 普通ってなんだろう。紅葉にとっては蜘蛛と一緒なのが普通。でもそれは皆からみれば異常なこと。
普通ってなんだろう。虹子にとってわたしは普通じゃない存在だよね。普通じゃない仲間にしてしまった。

 紅葉の二の腕の痣から蜘蛛が這い出してきた。蜘蛛は本人と意識を通じている。
体からでた瞬間から同じ意識のふたつの人格に変わる。このことは大きな精神的負担をしいる。そこで紅葉の場合、自分(人間)の方の意識を一時的に弱め、蜘蛛の自分の意識を主とする。同じ意識を同時に同じ力で存在させるのは土蜘蛛の末裔にとってもとても高度な精神を必要とするのだ。紅葉はまだそこまでいっていない。

 蜘蛛の紅葉はゆっくり虹子に近づく。何のために?解らない。虹子がどう思っているか知りたいのかも知れない。
虹子は起きる様子はない。深い眠りに入っている様だ。虹子の蜘蛛型の痣からゆっくり潜り込む。もやもやとはじめはしている。

はっきりしてくるに従い紅葉の意識は悲しみに打たれた。虹子の精神は人間でなくなる恐怖に震えていた。これからの自分にたいする不安でいっぱいになっていた。虹子・・・。紅葉はつぶやくと意識を虹子の全体にめぐらし始めた。そしてできるだけ、暖かい心で包むようにした。紅葉の心が涙を流しながら、虹子の心を包み込む。虹子の恐怖に囚われたいた心が少し落ち着いてくる。

 その時、虹子の別の想いにふれた。紅葉の心がピクリと反応する。一瞬で紅葉の心が硬直し、見えない涙があとから、あとからあふれてくる。それは普通の人間ではなくなる恐怖のその下で紅葉の事を心配している気持ちだった。

 ”紅葉、いままでずっと、苦しんできたんだね。蜘蛛の事を誰にも言えず、私たちとは違う運命に苦しんできたんだね。だから、クラスでも、特別な存在にみえたけど、だれとでも仲良くしてたみたいだけど本当の友達はひとりもいなくて、だれにも本当の事を言えず、苦しんでいたんだね。これからはわたしたち、今まで以上の友達だから”

 涙が止まらない。紅葉は自分を見失いそうになった。今はこれ以上、虹子の心に触れていてはいけないと紅葉は感じ、そうっと虹子から抜け出した。

そして紅葉は蜘蛛とひとつになった。虹子をみつめた、本物の涙があふれてきた。心の涙とほんものの涙があふれていた。
虹子、これからずっと一緒だよ。

紅葉はゆっくり虹子に近づくと二の腕にふれ、虹子の心を思いながらそっと口付けした。


(つづく)

第11回 蜘蛛の女王・・虹子の物語
スポンサーサイト

創作 | コメント:8 | トラックバック:0 |
<<「訪問者」恩田陸を読みました。 | ホーム | 「第11回 蜘蛛の女王・・・虹子の物語」 「連載小説を書いてみようv(41975)」>>

コメント

こんばんは~♪

紅葉と虹子の、お互いを思いやる優しさに、
何だかウルウルきそうです~(T_T)
二人には、幸せになってもらいたいし、
ずっと本当の友達でいてほしいです(^^)
つづきを楽しみにしていま~す♪
2009-06-06 Sat 17:58 | URL | miwa125 [ 編集 ]
とうとう10回目になりましたね!!
今日もドキドキしながら読ませていただきました(=^^=)

nanacoは特に紅葉のほうに感情移入しているので、
今日の物語は、より一層紅葉の苦悩が感じられて…なんだかすごく切なくなっちゃいました。
今までは虹子の視点から書かれているほうが多かったですよね??
謎に包まれていた紅葉の心情が、今回痛いほど伝わってきました(><)
どうか虹子にも土蜘蛛の良さを理解してもらって、真の友達でいて欲しいです!!
(って、あくまでも紅葉贔屓ですね…笑)
続きが早く読みたいです♪
2009-06-06 Sat 20:27 | URL | nanaco☆ [ 編集 ]
こんばんは!
最初に読んだ時には、虫が苦手な私は、無理かも知れないと思いました。けれども、改めて読み進めてみたら、大丈夫でした。
少女たちの心の姿が細やかに描かれていて、いつの間にか虫のことは忘れて、物語に入り込んでいました。
辛い時にも、人の気持ちを思いやることができる、というのは、強くなければできない、でも、その強さを支えているのは優しさなのだと感じました。
また読ませていただきますね♪
2009-06-07 Sun 00:37 | URL | samiado [ 編集 ]
miwa125さん
今回も読んでいただきありがとうございます。

先の話を漫然と考えているのですがどうなるのでしょう?ちょっと悩んでいます。
2009-06-07 Sun 15:17 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
nanaco☆さん
コメントありがとうございます。

紅葉贔屓、どうもです。じつは自分もそうなので・・・話の持っていきかたがだいぶ変わってしまいそうです。(*^_^*)

虹子と紅葉の成長した姿・・どうなるのでしょうね?
2009-06-07 Sun 15:18 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
samiadoさん
コメントありがとうございます。

虫ってかなりきもち悪くて特に女性にはダメですね。
この話は虫がキーになっているので不快な描写もいろいろでてきますが我慢してよんでくださいね。

これからも宜しくお願いします。
2009-06-07 Sun 15:20 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
こんにちはー☆
第10回も読ませていただきました。
紅葉の心情、ここまではっきり書かれたのって初めてじゃないですか?
虹子を思う気持ちとか葛藤とか、読んでて切なくなってしまいました。
紅葉の気持ちを知ってから読み直したらまた違うものが見えてくるんでしょうね…
完結したら再読します!
ハッピーエンドかバッドエンドか、それとも曖昧な感じで終わるのか…
楽しみにしてます♪
2009-06-09 Tue 13:04 | URL | まる811 [ 編集 ]
まる811さん
こんばんは!コメントありがとうございます。
終わりをどうしようか大変悩んでいます。ただ、高校生になった紅葉と虹子も書きたくなったので続けようかと思います。
2009-06-09 Tue 23:16 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。