輝く断片のあつめかた

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

「壊れる日本人 再生編」 柳田邦男 「本日の1冊(13748)」

本日、ご紹介するのは
柳田邦男さんの”壊れる日本人 再生編”(新潮社文庫 290P 438円+税)です。


壊れる日本人再生編
評価 ★★★★★

この本は平成18年に単行本で刊行された”石に言葉を教える 壊れる日本人への処方箋”を改題し文庫化したそうです。

石に言葉を教える とはどういう事か猿とかイルカなら分かるのですが相手は石です。
それはどう云うことなのでしょうか?

これは柳田さんの脳裏に浮かんだ情景だそうだ。

東北の山中である男が石に言葉を教えているのだという。それももう十三年も
「市蔵さんはきょうも石ん子さんに話しかけにでてる」 村人たちはそれを奇異なこととは思っていない。当たり前の様に接している。
はじめは幼児に教える様に リンゴハアカイ とか教えていた。それを三、四年続けただろうか。あるときこんな教え方をしても石にとっては面白くないだろうと思い、自分が幼いころ祖父が毎夜、寝る前に作り話をしてくれたのを思い出し、同じことを石に向かってする様になる。
そうこうするうちに話の内容で石が面白がったり、悲しんだりしている様に感じる様になる。
そうするといつか石が返事をしてくれるようになると確信する様になりますます感情を込めて石に話しを聴かせる様になった。そして
「おお、おお、おまえの心はわしの話を十分にわかってくれんだなあ。わしはおまえの心がよーくわかるぞ。おまえが言葉をしゃべれるようになるまで、百年でも待とう。だが、もう言葉なんかなくても、おまえの気持は十分にわかるようになった。おまえは形は石でも、やさしい心のある石なんだ。一緒に笑ってくれたり、泣いてくれたりする石なんて、ほかにどこにあろか」
との心境になるまでになる。

作者は次に 子供が柱におでこをぶつけて痛がっている時、子供ではなく柱をさすって、
「いい、いい 治る。治る。」というアイヌのおばさんの話をする。
そうすると子供はきょとんとしてそれを見る。
むかしから日本人にはこうした感覚があったと思う。それが神話や俳句をはじめとする文化の基礎になっていると思う。
西洋近代主義は徹底的な合理主義でそういったアミニズムな考えを否定していった。
その歪で世界は軋んでいるいる様に感じられる。

前著 壊れる日本人で作者が言っている様に ”便利になれば失うものがある”
ネットやケイタイが与えた便利さの一方大事なものを失っている事にもう一度気がつかせる本です。

もうひとつこの本の中から引用します。
それはユーモア背負って死出の旅 という章から
笑いの効用の説明のあとにある老人ホームでの認知症のお年寄りの会話。

〈おばあさんが「あの世はどんなところかね」って話しているんですね。
そうすると、もう一人のおばあさんが「どうもいいところらしいよ」って。
「誰も帰って来ないから」って。〉


感動しますね。
他にもいい話が満載なので是非読んでみてください。


【内容情報】(「BOOK」データベースより)

子供の学力が落ちている。気持をきちんと言葉にする力が低下したためという。仕事や研究の専門分化が進み、広く社会に目を向けない大人たちも、自分の言葉で考えるのが苦手だ。ネット社会の進化の中で、豊かな感情表現を持つ日本語に恵まれたはずの私たちの感覚は麻痺し、言語表現力が劣化している。この国をどう持ちこたえさせるのか、具体的な提案。

【目次】(「BOOK」データベースより)

石に言葉を教える/高速道路を豚が走る/「学力」とは点数のこと?/こまった時のカナ文字語頼み/専門バカの作り方/トラウマの発見/ローソクの炎、それは私です/ユーモア背負って死出の旅/雪の国のパイナップル/十四年目にやってきた男の出番/いいぞ、鈴木さん、山間の“読書塾”/町よ、村よ、絵本館を作れ!


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
↑本ブログに登録してます。宜しかったら応援クリックお願いいたします。(*^_^*)



スポンサーサイト

作家ヤ行 | コメント:6 | トラックバック:0 |
<<「びっくり館の殺人」 綾辻行人 「本日の1冊(13748)」 | ホーム | 「骸の爪」 道尾秀介 「本日の1冊(13748)」>>

コメント

「なんだか凄く人間の出来た方ですね」……と思ったら、著者はあの柳田邦男先生でしたか!!
この本を読めば、器の大きな人間になれそうな気がします^^
2008-11-23 Sun 22:13 | URL | 八束国華 [ 編集 ]
八束国華さん
>「なんだか凄く人間の出来た方ですね」……と思ったら、著者はあの柳田邦男先生でしたか!!
>この本を読めば、器の大きな人間になれそうな気がします^^
-----
コメントありがとうございます。
自分たちが忘れてしまったものを思い出させてくれる本だと思います。時間があれば是非手に取ってみてくださいね。
2008-11-23 Sun 23:04 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
おもしろそうですね。今度本屋で探します(*´ー`)

あっ記事とは無関係で恐縮ですが、『背の眼 下』の評価あげました。★4つに。よく考えるとあれを★3つにしたらほとんどの本が★3つ以下になってしまいますもん(;^ω^A
あと、広瀬正さんの『マイナス・ゼロ』読みました!!感想は近々アップしますので(* ̄m ̄)
2008-11-24 Mon 08:35 | URL | さゆみ1194 [ 編集 ]
タイトルがとてもユニークで面白そうですね♪
「ローソクの炎、それは私です」どんなお話なのかものすごく気になります(笑)

確かにネットやケータイが文化の一部となって便利になった一方で、失ったものは多いですね。
どうしても人間関係が希薄になりますし、、、犯罪も増えますしね。
でも今更ネットなしの生活に戻ることができないのが切ないです(T_T)
2008-11-24 Mon 09:22 | URL | nanaco☆ [ 編集 ]
さゆみ1194さん
>おもしろそうですね。今度本屋で探します(*´ー`)

>あっ記事とは無関係で恐縮ですが、『背の眼 下』の評価あげました。★4つに。よく考えるとあれを★3つにしたらほとんどの本が★3つ以下になってしまいますもん(;^ω^A
>あと、広瀬正さんの『マイナス・ゼロ』読みました!!感想は近々アップしますので(* ̄m ̄)
-----
コメントありがとうございます。
★4つにアップですか・・よかったよかった(笑)
マイナス・ゼロの感想どんなか気になります。
楽しみにしてますね。(*^_^*)
2008-11-24 Mon 10:47 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]
nanaco☆さん
>タイトルがとてもユニークで面白そうですね♪
>「ローソクの炎、それは私です」どんなお話なのかものすごく気になります(笑)

>確かにネットやケータイが文化の一部となって便利になった一方で、失ったものは多いですね。
>どうしても人間関係が希薄になりますし、、、犯罪も増えますしね。
>でも今更ネットなしの生活に戻ることができないのが切ないです(T_T)
-----
凄く良い本だと思うので興味があったら読んでみてくださいね。感じるものがきっとあると思うので
2008-11-24 Mon 10:48 | URL | 日向 永遠 [ 編集 ]

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。