輝く断片のあつめかた

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「蘆屋家の崩壊」津原泰水を読みました! 「本日の1冊(13748)」


蘆屋家の崩壊
著者 津原泰水
集英社文庫
評価 ★★★★☆

最近、はまりつつある、津原泰水さんの蘆屋家の崩壊を読みました。

幻想怪奇の短編集!

どれも凄かったのですが、
埋葬虫 をまず最初にあげなくては・・・これを読んで思い出したのは貴志さんの”天使の囀り”あの怖さが蘇ってきました!! こっちも負けてないです。

蘆屋家の崩壊 蘆屋・・・安倍晴明に関する本を読んだことのある人はピンときますね。陰陽師の蘆屋道満の子孫が住む隠れ里の様な村。その村に住む、顔の良く似た人々の謎。

他には 猫背の女 、水牛群が良かったです。

短編集は読み終わってすぐ感想書かないと忘れてしまいますね。

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
定職を持たない猿渡と小説家の伯爵は豆腐好きが縁で結びついたコンビ。伯爵の取材に運転手として同行する先々でなぜか遭遇する、身の毛もよだつ怪奇現象。飄々としたふたり旅は、小浜で蘆屋道満の末裔たちに、富士市では赤い巨人の噂に、榛名山では謎めいた狛犬に出迎えられ、やがて、日常世界が幻想地獄に変貌する―。鬼才が彩る妖しの幻想怪奇短篇集。
【目次】(「BOOK」データベースより)
反曲隧道/蘆屋家の崩壊/猫背の女/カルキノス/超鼠記/ケルベロス/埋葬虫/水牛群

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作家タ行 | コメント:4 | トラックバック:0 |

「魔女のはかりごと 第2回」 日向永遠 「連載小説を書いてみようv(41975)」

こんばんは~★

魔女のはかりごと 第2回をお届けいたします。
最低 週一回は連載していきたいです。



第1回



魔女のはかりごと 第2回

 人は同じ人、同じもの、同じ事柄をみても受け取り方が違う。同じ事をみても感じ方が違うのだ。見え方が違う。

 量子と空子は同じクラス一年二組に机を並べる事になった。担任は英語の堀先生だった。
堀先生はまだ若く、教員歴も四年目だった。

 四月も終わりの頃、クラスの男子生徒が通学中、事故に会い入院した。クラスでは見舞に行く事になって、一人、百円づつ集めて、見舞をすることになった。会計係の本田が集金していたのだが、そのお金が紛失するという事件が起きた。

 堀は教壇にたち教室を見回した。
「昨日、K君のお見舞いに行くために集めていたお金がなくなったそうです」気の弱い本田は俯いている。
「私はお金を集めている事は知りませんでした。クラスの皆さんが決めた事でしょうから、その事についてとやかく言うつもりはありません。しかし、そのお金が無くなったという事については、ほっておく訳にはいきません。三十人で三千円というそんなに高額ではない金額ですが多い少ないの問題ではありません。このクラスの中に盗った人がいるのなら、白状しなさい」

 ハカリは堀先生をじっと見た。胸のあたりに丸く魂が見える。堀先生がクラスの一人一人を見回す。本田さんを見ているとき、魂は見下している様に黒くとげとげに変化した。
 そして量子の目を見たとき、その魂は律動したように見えた。ハカリにはその動きが憎悪から来る事を知っていた。

 量子のこの魂を見る事ができる能力には小学校二年生の時、病弱の母が亡くなる少し前、入院中、見舞に行った時に気がついた。母は意識混濁していて、うわ言の様にしか喋れない状態だった。体力もすっかり衰えていて、子供の量子から見てももう長くはないと悟られた。
 集中治療室の母のベットの横、丸椅子にすわり量子は母の手を握った。虚ろな目を向ける母。
「お母さん」震える声で量子は母を呼ぶ。しかし母は返事をしない。手を強く握っても、その握力が強くなることもない。母の体につながれた心電計は弱い信号を繰り返している。
「お母さん・・・量子をおいていかないで」母の耳に口を近付けて、小学生の量子が言う。
初めは涙に滲んだ目に蛍光灯の灯りが映っているのかと思った。

 掛け布団に隠れた母の首から少ししたのあたりに何か白い丸いものが風船のように大きくなったり、小さくなったりしているのが見えた。ああ、これは母だなと量子は思った。
 喋れないから、別の方法で幼い量子に何かを伝えたいのだなと思った。その時、心電計から異常を知らせる警報が鳴った。看護師さんが直ぐに駆けつけてくる。白い丸い風船は量子に囁く。

(量子、ごめんね。お母さんは量子に何も残せない。もっともっと生きたかった。そして量子と暮らしたかった。量子、幸せになってね。お母さんがいなくても強く生きてね。
人を守るくらい強くなってね。簡単にあきらめる子にはならないで・・・量子。お母さんは量子を生んで幸せだったよ)白い風船はそう告げていた。そしてその風船は萎んでいくように小さくなった。

 医師と看護師が慌てて、母のベットを手術室に移動していく。看護師が父に何か告げる。
父の体が細かく震えるのがわかる。ああ、お父さんの胸にも白い丸い風船がある。その風船が今は激しく震えている。今は見える。量子は父の体にしがみつきその風船を見つめた。
その先に父の顔が見える。手を伸ばしその父の風船に触る。手は素通りしてしまう。しかし、何か温かい。

 翌日、母は死んだ。量子が魂を見る事ができるようになったのはその時からだった。
感情を丸出しにしているときははっきり見えた。普段から、活動的な人の魂も良く見える。
大人しい人でも強い魂の人もいる。逆に普段は直ぐ怒ったり、威張っている人でも弱弱しい人もいる。量子は小学校、中学校と様々な生徒、先生の魂を見てきた。そして魂からその人の性格や人格を読みとれる様になった。まだ成長過程の量子だったが魂を見る能力のせいか、周りの生徒よりはるかに大人びた生徒になっていった。量子はその能力を誰にも教えなかった。父にも話してない。

 その過程で量子は人間に絶望した。多くの人間には内と外があることが分かったから。顔では心底、母を失った量子に同情している様に見えた。しかし魂からうったえてくるものは自分を心配する事や早く帰りたい言うような日常の事ばかりだった。世界は表層的な飾りだけで中身はなんて薄っぺらなんだろう。そこには空洞があるだけの様に見えた。量子は積極的に自分の能力を活かそうとは思わなくなっていった。

 そして高校一年になり、堀先生と会い、それ以上に友人、空子を得た。

 (つづく)   

3回へ

***************************************************************************
 
今回も読んでいただきありがとうございました。

魂ってあるのでしょうか?

動物にも草木にもあるのでしょうか?

心と魂とは違うのでしょうか・・・虹子の物語も同じ事を書いている様な気もします。

次回も是非読んで、そして是非感想を聞かせてくださいね。



創作 | コメント:10 | トラックバック:0 |

「魔女のはかりごと 第1回」 日向永遠 「連載小説を書いてみようv(41975)」

皆さんこんばんは~★

新しい話を始めたいと思います。

その1回目、またよかったらお付き合いください。
感想お願いします。




魔女のはかりごと
                      日向永遠
  第1回

 今度入った一年生の中に魔女がいる。そんな噂が県立緑が丘高校で広がりだしたのは一学期も終わりに近づいた頃。

 下校時間。空子(そらこ)は玄関先で立っていた。白い線がひとつ、二つ空から落ちてきてアッという間に無数の線になった。傘をもってきていなかった空子は家に電話して迎えに来て貰おうかどうしようか逡巡していたのだった。すると後ろから傘がさしだされた。
「ソラ、傘忘れたの?」量子(りょうこ)だった。量子は空子をソラと呼んでいた。空子にとって量子は唯一無二の存在だった。

「ハカリ、良かった。駅までいれてってくれる?」量子は慌てて回りを見回した。
「ソラ、学校で、その呼び方はやめて」空子も慌てて回りを見た。
「ごめん、ついつい・・・」空子は量子の事をハカリと読んでいるのだった。それには空子と量子しか知らないある事情があるのだった。

 二人は雨の中、駅に向かって歩きだした。
「ねえ、魔女の噂、知ってる?」空子はそれがハカリの事なのを知っていて聞いた。
「私は、そんな噂知らない。どんな噂なの」
「流石に本人には、伝わらないか・・」
「担任の堀三枝先生が一学期で休職する話。あれは魔女の所為だって噂が広がっているだよ。一年だけじゃないみたい。私もあまり友達いないからはっきりしないけど。こそこそ、みんな、噂してるのが聞こえるんだ」
「堀先生は、私より魂が軽いんだ。半分もない。それで立派な大人?それも教師。そんな事が許せると思う?」
「ハカリ、でもそんな事で人を排除していいの?前から聞こう、聞こうと思っていたんだけど」
「人と動物を分けるものは何だと思う?それを考えれば、当然だよ。人間に生まれてきた以上、使命があるの。人それぞれにね。それを自覚していない大人に存在意義はないのよ」
「人間である前に動物としての繁栄の宿命があると思うんだけど・・・人類の存続。それだって大事な使命じゃない?」
「そんなのは大前提。けれど貧困な魂の人間ばかりになったらどうなる?動物に戻る?欲望と本能に支配された人間ばかりになってしまう。少なくとも堀先生に教師の資格はないわ」
「でも英語の能力はあったんじゃないのかな」

 交差点に差し掛かった。左に曲がれば中学校がある。その道を二人の女子中学生がやっぱり一つ傘のなかやってきた。

 ハカリはまるで啓示を受けた様にたちどまってその中学生を凝視した。空子は雨の中に踏み出してしまい慌てて後ずさった。

「ハカリ、どうしたの?」
「ソラは感じる?」
「何?全然わからない」
「あの子たち、あの二人の中学生。二人だよね」
「なに言ってるのよ。見たとおり二人だよ」
「そうだよね。気のせいだよね。きっと」
「なんなの?」

 二人の中学生。一人は長い黒髪。もう一人は短めの髪。楽しげに量子と空子の前を通り過ぎて行く。三年生らしく、志望校の事を話しているらしい会話が聞き取れた。

「あの子たち、二人なのに、魂が四つあるのよ」ハカリが呟いた。
「まさか。ハカリ。疲れているんじゃないの?」
「そうね。そんな事ある訳ないね」二人は駅に向かった。

      (つづく)

第2回へ

**************************************

読んでいただいてありがとうございます。

少し種明かしします。

この話は虹子たちと同じ街が舞台です。

ハカリと空子の前を通り過ぎた中学生は・・・・

今回はあまり余り長くならない様にしたいです。10回を目安に考えます。

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お久しぶりです。

皆さん、こんばんは~★

お久しぶりです。
実は親戚でお葬式として結婚式と続けざまにあって暫く家を留守にしてました。
(3泊)

昨日は親戚の娘さん(従兄弟の娘さん)の結婚式によばれ埼玉まで行ってきました。
普段合わない親戚にその前のお葬式と今回の結婚式で続けて会う事ができて、こう言っては罰あたりなのですが、貴重な時間でした。

ブログも更新できませんでした。またまたご心配をおかけしたと思います。
本日からは通常にもどりますのでまた宜しくお願い致します。
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「跳躍者の時空」フリッツ・ライバーを読みました!! 「本日の1冊(13748)」


跳躍者の時空
著者 フリッツ・ライバー(中村融・編)
河出書房新社 奇想コレクション
評価 ★★★★☆

奇想コレクションの18回配本。
フリッツ・ライバーです。
おさめられた短編で最初の5つは スーパー猫、ガミッチの活躍を描いています。

何時か、人間になると信じていた子猫の時代から、猫の身を受け入れる成猫になるまで。

ガミッチは凡人の人間には目もくれず、水皿をひっくり返して水の流れの造形から芸術を作ろうとしたり、深夜、猫の代表いや地球の代表として宇宙人と交渉したりします。

とにかくガミッチかわいいです!!それに頭いい・・・

「骨のダイスを転がそう」は死神とギャブル勝負の話。凄いです。すべてをかけての勝負にドキドキとゾワッときます。




【内容情報】(「BOOK」データベースより)
まずは、SF史上最高の猫ガミッチが活躍する物語から。天才仔猫が大人の階段上る過程の、おかしくも痛々しい事件を描いた表題作から、本邦初訳の「三倍ぶち猫」まで、シリーズ全5作を一挙収録。ほかに、死神との一世一代の大勝負に出た男を描いてヒューゴー賞、ネビュラ賞の二冠に輝いた傑作「骨のダイスを転がそう」、家族の夢想が奇妙に交錯する「冬の蠅」、数をテーマにした特異なファンタジー「春の祝祭」など、全10篇を収録。
【目次】(「BOOK」データベースより)
跳躍者の時空/猫の創造性/猫たちの揺りかご/キャット・ホテル/三倍ぶち猫/『ハムレット』の四人の亡霊/骨のダイスを転がそう/冬の蠅/王侯の死/春の祝祭
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
ライバー,フリッツ(Leiber,Fritz)
1910年、アメリカ、イリノイ州生まれ。シェイクスピア劇俳優を両親に持ち、幼い頃からエリザベス朝演劇や幻想小説に親しんだ。作家デビューは39年。時代をつねに先どりする形で作風を次々と変え、SF、ファンタシー、ホラーの各分野で偉大な足跡を残した。科学と魔法と迷信が渾然一体となった世界は、ほかに類を見ない。92年没


作家ラ行 | コメント:4 | トラックバック:0 |

「悪魔の花嫁」シーベリー・クィンを読みました! 「本日の1冊(13748)」

悪魔の花嫁
著者 シーベリイ・クイン 大瀧啓裕(訳)
創元推理文庫
評価 ★★★☆☆

リンクが見つかりません!!妖艶な表紙を見てほしかったのですが・・・

訳が大瀧さん(ラブクラフトやC・A・スミスを訳してます)なので凄く期待したのです。
だけど、だけどホラーを期待すると少しがっかりします。

悪魔崇拝の組織が名探偵、ド・グラタンの目前から可憐な花嫁をさらっていきます。

この組織にはおぞましい秘密があるのです。

でも、世界は異常ですが、怪異はちょっともの足りません。

ゾティーク幻妖怪異譚 みたいなのを期待してたのですが・・

ホラー風味のスリラーとしてなら楽しめます!!!
表紙絵の魅力大な本です。

作家カ行 | コメント:4 | トラックバック:0 |

「虹子の物語第2部 卒業」第21回 最終回 「連載小説を書いてみようv(41975)」

皆さん、こんばんばんは~

やっとやっと最終回です。
思いがけず、長丁場になってしまいまいました。

ほんとうはもっと明るい話で終わらせた方が良かったのかも知れません。
今でも迷っています。

読んでいただいて本当にありがとうございました。

また新しいお話を考えますのでよろしくお願いします。

感想、応援お待ちしてます。



 第21回

 紅葉が触れるとヒロはまだ暖かった。口に耳をあてる。息はしていない。胸に耳を当てるが鼓動も聞こえない。体の温かさから死んだとしてもついさっきの様だった。紅葉はヒロの口に自分の蜘蛛の子を移した。蜘蛛の子はヒロの意識の残像を必死で拾い集めた。本当の母との別れ。それは覚えていない事なので美化されていた。新しい母と父の死の間のつかの間の幸せ。斎藤と母の仕打ち。アルフとの出会い。紅葉と虹子との出会い。家庭相談士。学園祭。蜘蛛の子はヒロの体をくまなく回る。紅葉は特になにも意図してはいなかった。ただ、ヒロの意識を救う事ができないかと思ったのだった。しかし、何年か共生してはじめて自分の意識と同化できるのにこんな短時間で可能なのか?でもやってみたかったのだ。

 穴の上から紫と虹子が心配そうに呼ぶ。「紅葉、大丈夫?」紅葉はヒロを抱き上げると、ロープを引いてくれる様に叫んだ。その時、ヒロの体がピクリと動いた様な気がした。蜘蛛の子がヒロの口まででてきた。その時、予期しないことが起きた。アルフがヒロの口から蜘蛛を舌で掬ったのだった。紅葉は唖然とした。蜘蛛は子供なので、紅葉の意識はほんの微かしかもっていない。成功したかわからないが半分はヒロの意識を吸収しているのではと思った。蜘蛛の子は今度はアルフと同化しようとしている。

 ロープが引かれ紅葉は穴の外に出ることができた。アルフもロープの端を咥えて登ってきた。涙を浮かべた、虹子と紫が紅葉を見つめた。

 「警察にどうやって知らせよう。蟲や土蜘蛛の事を説明しないでうまく伝えられるとは思えない・・」

 三人は暫く悩んでいた。そして公園まで運ぶ事にした。ベンチに横たえる。
「蜘蛛の事を教える訳にはいかないわ。でもヒロ君の事もしらせなくてはいけない」

 悲しい事だけど、受け入れなくてはならない現実。三人はヒロをベンチにねかし、手を合わせてから、車に向かった。心が引き裂かれそうだった。虹子が振り向くと、小さな虫達がヒロを蔽っていた。紅葉や虹子の痕跡を虫達が消しているのだった。

**************

 ヒロの事件は直ぐに発覚した。警察に匿名の通報があったのだった。それは紅葉と虹子が公衆電話からしたのだった。

 ヒロの身元は判明せず、事件は迷宮入りした。
 
 斎藤たちはどこへ越したのか不明だった。新聞にもヒロと斎藤達を結ぶ様な記事は載らなかった。復讐する事も考えたのだが、そんなことをしてもヒロが喜ばない事は一目了然だった。だから、斎藤たちの事は考えない事にしていた。

 暫くして、紅葉はアルフが変わってきた事に気がついた。

「虹、アルフの目、なんか人の目に似てきたと思わない?ヒロ君そっくり」

 虹子はアルフを見つめた。
「うん。ヒロ君みたい」
「アルフ・・」アルフの前足から蜘蛛の子が実体化しだした。紅葉と虹子も自分の蜘蛛を実体化させた。三匹の蜘蛛は触覚を触れ合った。

「紅葉お姉ちゃん、虹子お姉ちゃん、ありがとう」それはヒロに間違いなかった。

 紅葉と虹子から嗚咽がもれ、大粒の涙が頬を伝わった。

 アルフに同化した蜘蛛は紅葉の体内に戻る事はなかった。人と動物とは勝手がちがった。
しかしアルフの目には知性の光が宿っていた。ヒロの心を宿していた。

アルフは紅葉の虹子のそして紫のかけがえのない家族になったのだった。

             (了)  


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「バレエ・メカニック」津原泰水を読みました。 「本日の1冊(13748)」


バレエ・メカニック
著者 津原泰水
早川書房 想像力の文学
評価 ★★★★★

”綺譚集”で見事にはまってしまった津原さんの最近作です。
今回もその美しいイメージと幻惑され理解が追いつかない展開に魅了されっぱなしでした。

眠り続ける芸術家の娘、理沙。彼女の見せる幻影が実体化する東京。
巨大蜘蛛がビルの間を歩く。それを馬車で追う父。

でてくる登場人物がみんな癖があって、魅力的です。

この中で大戦中、殺戮兵器の開発の影で実は、ブラジャーが発展した話。それとかけて三章で登場する帽子が不死を創造していいじゃないかとの展開は驚く。

死が重要なテーマとなっています。最後トキオと犬の姿をしたムックとの出会いには泣きました。

暫く津原さん、追いかけようと思います。次は”蘆屋家の崩壊”を読もうと思います。


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
造形家である木根原の娘・理沙は、9年前に海辺で溺れて以来、昏睡状態にあった。「五番めは?」─都心での商談後、幻聴らしき言葉を耳にした木根原は、奥多摩の自宅へと帰る途中、渋滞の高速道路で津波に襲われる。担当医師の龍神によれば、昏睡中の理沙の夢想が東京に異常事態を引き起こしているというのだが…稀代の幻視者があまりにも精緻に構築した機械じかけの幻想、全3章。

作家タ行 | コメント:2 | トラックバック:0 |

「虹子の物語第2部 卒業」第20回 「連載小説を書いてみようv(41975)」

こんにちは~

20回目です。
前口上は今回はしません。




 虹子の物語 第20回

 紫の車に乗り込もうとすると、アルフもついてきた。紅葉が慌てて抱き上げた。影が蔽う夜の道を車は走った。丘の上公園の駐車場の方に右折した。向こうから車が来る。すれ違う。黒い車だった。すれ違いざま、運転手をちらっと見ると、運転席に男性、助手席には女性が乗っている様だった。斎藤とヒロの母親ではないのか。

 「今の車、ヒロ君の母親と斎藤がのってたわ、きっとそう。追いかける?」
 しかし、今はヒロの方が心配だった。虫たちのざわめきがますます強くなる感覚が紅葉と紫にはわかる。きっとヒロは虫たちの近くにいる。虫たちの様子からはヒロの状況はわからない。
 「今はヒロ君の方が大事だから、神社へとにかく急ごう」紅葉は言った。

 丘の上公園の駐車場に車を止める。秋も深まり、車のドアを開けたとたん冷気が頬をさした。それぞれが懐中電灯を手に神社へと向かう。アルフは紅葉の腕の中、心配そうにしている。虫たちの気配はますます強くなる。ここにきて虹子に虫たちのざわめいている様子が伝わってきた。
「ヒロ君・・・」夜の遊歩道を三人は足早に登っていく。懐中電灯に木々の、虫食いの葉の影が揺れ動く。細くなった三日月の頼りない光がかろうじて夜を照らすが足元も闇の中。
 進んで行くほどに不安はつのる。体内の蜘蛛が虫たちのざわめきに呼応して蠢く。

 丘の上公園を過ぎ、神社を通り越す。かって紅葉が虹子を捕え、蜘蛛の真実を伝えた場所、神社の裏手に来た。そこには依然そのまま、紅葉の掘った落とし穴があった。あれから、人が落ちないように頑丈な板を引いて土、葉で蔽ってあった。その板が無くなっていた。
 虫たちにざわめきはその穴の中からが一番強かった。懐中電灯の光をあて上から覗いてみてがよくわからなかった。アルフが紅葉から離れ穴に飛び込んだ。直ぐに吠える声が聞こえる。虫たちのざわめきが一段と高まる。湿った落ち葉が穴の中に落ちていく。

 紅葉は近くの太い木にロープを縛るとゆっくり穴を降りて行った。底には直ぐに着いた。
慎重に懐中電灯の光で底を照らす。紅葉は言葉を飲み込んだ。

「・・・・・・・・・・」目の前の情景が滲んでいく。ゆらゆらと滲んでいく。そこには無残な姿で横たわるヒロの姿があった。涙はいつの間にか大粒になって地面に落ちた。
蟲たちが涙を避ける様に散っていく。ヒロの体を覆っていた蟲も今はいない。

 穴の上にいる虹子と紫もほぼ同時にヒロの姿を紅葉の蜘蛛から知った。二人は無言で互いを見た。

「ああ・・・・ヒロ君を救えなかった」「何故、何故・・・」世界が暗転したかのような絶望感が三人を襲った。


・・・・・つづく・・・・・



話を作るって難しいです。
幸せな展開も考えましたが、それでは物語の深みがすくなくなるのではと悩んで、このような展開にしました。賛否あるかと思います。感想教えてください。m(__)m

次回で最終回の予定ですが、場合によっては何回か続くかもしれません。

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「虹子の物語第2部 卒業」第19回 「連載小説を書いてみようv(41975)」

こんばんは~★

虹子の物語 2部 19回です。

次回か次々回、最終回の予定です。

感想、応援宜しくお願いします。(*^_^*)




第19回

 車を見送った後、紫は得体の知れない不安に戦いた。おかしい。ヒロの母親のあの変わりようは明らかにおかしい。そう思うとますます不安は大きくなっていった。

 夕方、紅葉と虹子が帰ってきた。直ぐに三人で話がまとまり、ヒロのアパートに行ってみる事にした。以前、アパートに張っていた蜘蛛の糸はもうなかった。今日、学園祭に行く時から、ヒロに蜘蛛は同行してなかった。焦る気持ちを抑え、何事もない事を祈りながら速足で歩く。
「何か気がついた事あった?ヒロ君のお母さんをみてて何か感じた?」と紅葉。
「予期してなかったことで驚いて、気がつかなかったの。最近、ヒロ君に対する接し方も良くなってきていたから、改心したのかなと・・・・でも、やっぱり変な気がする。本心からの言葉かどうか。あまり疑ったりしたらいけないけど」
「そうね、むやみに人を疑ってはいけないけど、簡単に信じてもいけないね」
 
 団地についた、階段を駆けるようにあがるとヒロの部屋に急ぐ。ドアの前についた。直ぐに気がついた。表札が外されている。三人は顔を見合わせた。
 紅葉が直ぐドアをノックした。
「こんばんは。ヒロ君いますか?こんばんは」ドンドンと暫くドアをたたく。
「引っ越した?」誰ともなく呟く。暫くノックを続けた。しかし一向にドアの開く様子はなかった。中を窺っても人の気配は感じられない。紫と虹子は隣の部屋の人に聞いてみる事にした。隣の部屋には中年の人のよさそうな女性が住んでいた。

「お隣さんなら今日、引っ越ししてったよ。挨拶もなかったけど、付き合いもなかったし、なんとなく、付き合いを避けてたみたいだったから、こんなものかと思ったけど」

 悪い予感が三人にはしった。暗い足取りで声も殆どなく家に帰って行った。紅葉の家に着くと虹子は自分の家に電話して、今日は、紅葉の家に泊まると連絡をした。
 どこへ越して行ったのか?届がでているとは思えない。

 夜の九時を回った。紅葉は、頬がちりちりする感覚に囚われた。自分の内部の蜘蛛が反応しだした。

 「虫たちがざわついている。土蜘蛛の神社のそばの虫たちが・・・お母さん感じない?」
 「感じる。さっきから微かに感じる。だんだん強くなってくる」虹子には感じられなかった。

 「お母さん。あの神社の裏・・・・・行ってみよう」直ぐ出かける事にした。


・・・・・つづく・・・・・



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「大雪です」

昼前から雪が降り続き30~40cmくらいつもりました。
会社から帰ってきたら車が止められなくてさっきまで雪かきです。

明日も早くおきて雪かきしなくては・・・なのでお休みなさい。
(今朝、通勤時間、凄い渋滞だったのです。テレビ局とかきてて、後で知ったのですが、河口湖駅の近くで殺人事件があったとのこと。今日は色々、騒がしい一日でした)
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