輝く断片のあつめかた

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「虹子の物語第2部 卒業」第14回 「連載小説を書いてみようv(41975)」


こんにちは~☆

昨日からお正月休みです。今年は休みが1月3日までしかありません。短いですね。
最近、腰を痛めて座っているのが辛いです

虹子の物語の2部   14回目です。

20回にはならずに終わる予定でいます。感想お待ちしてます。

宜しくお願いいたします。




第14回

 翌日、月曜日、紅葉と虹子は学校だった。ヒロの事が心配だったけど、蜘蛛が教えてくれる。
 一方、ヒロの家に午前中、子供虐待相談センターから家庭相談士の男性が訪ねて来た。虹子が匿名で電話したのだった。
 虹子の蜘蛛と母、紫の蜘蛛がその様子を窺っていた。
 玄関先で相談士が訪ねている。
 「こちらに小学校に上がるまえの男の子がいますね。名前はヒロ君。実は昨日、電話がありまして・・・そのう、ヒロ君が虐待されているのではと」
 ヒロの母親が答える。
 「誰がそんな電話を・・・ヒロはちゃんと面倒みてますよ。ヒロ!ちょっとこっちに来て」奥の部屋からヒロが顔をだす。
 「ご飯だって、ちゃんと食べてるし。顔色だって悪くはないでしょ?」
 
 「お母さん。暫くヒロ君と二人にしていただけますか」相談士はそう言うとヒロを連れて近所の喫茶店に向かった。紅葉の蜘蛛は素早くヒロのポケットに滑り込んだ。

「ヒロ君、何か飲むかい。ジュースでもなんでも好きなものを頼んでいいよ」
「実は、連絡があって、ヒロ君が家の中で苛めてらているんじゃないかなって様子を見にきたんだ」

 「家で苛められなんかいないよ。大丈夫だから」
 「でもヒロ君は幼稚園にもいってないんだろ?寂しくないかい」
 「平気だよ。寂しくなんかないよ」
 「おじさんたちに電話してきたのは中学生か高校生くらいの女の子なんだ。名前は、言わなかったけど。嘘を付いている様には聞こえなかった。その子はヒロ君をどうして知っているんだろうね。ヒロ君、知ってるかい?」

 紅葉にはヒロが葛藤している様子が分かった。小さな心臓の鼓動が伝わっていくる。
本当の事を喋ってい良いのだろうか?きっと虹子さんか紅葉さんが電話したんだ。ほんとうの事を喋って、家にいられない事になったらどうしよう。ヒロの小さな胸のなかで様々な思いが渦巻いていた。それが紅葉には手に取るように分かった。

 「僕、知らないよ」ヒロは思ったのだった。もし本当の事を言ったら、虹子姉ちゃん達にも会えなくなるんじゃないかって。自分はどこかの施設に入れられてそこで暮らす。そんなの嫌だ。

 「本当に知らないのかい?ヒロ君。怖いことはないんだよ」三十分近く、家庭相談士の男性とヒロは話していた。話していたがヒロに変化はなかった。やがて、相談士は名刺と小銭をヒロに渡した。「もし何かあったらここに電話をくれるかい?何時でも気にする事ないからね。それとこれは電話代」

 相談士とヒロはヒロの家に戻った。相談士はヒロの母親に挨拶し帰って行った。

 その間、斎藤とヒロの母親は電話したのはあの中学生の女子に違いないと話していた。
 「やっぱり、あの中学生に違いない。余計なことを。ヒロを始末しづらくなったじゃねえか。ガキども。子犬の所に遊びに行くのは禁止だ」激情した斎藤が言う。

 「どうする?暫く、おとなしくしていようか?」
 「お前はどうなんだ?」
 「それは・・・来年はヒロが小学生、そんな面倒なこと、私は厭だよ。小学校にいかなければ何かと、面倒なことがあるだろ」
 「考えてみるか・・・」斎藤たちは考え込んでいた。

 ・・・・・つづく・・・・・
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「夜更けのエントロピー」ダン・シモンズを読みました!!


夜更けのエントロピー
著者 ダン・シモンズ 嶋田洋一(訳)
河出書房新書 奇想コレクション
評価 ★★★★☆

大好きな奇想コレクションの記念すべき第1回配本の”夜更けのエントロピー”を読みました。
奇想コレクションは 最新刊の”洋梨形の男”までで現在17冊が刊行されています。

自分の読んだのはこの”夜更け~”で9冊目です。どれも面白くてますます、全巻揃えの夢は募ります。

ダン・シモンズといえば、”ハイペリオン”の作者としてSF者には有名。残念ながら自分は未読です。オールタイム・ベストの上位に必ず顔をだす作品なのでこっちもいつか読んでみたい。

さて本書ですが、凄く面白い・・・

最後のクラス写真
 アメリカの最後、ゾンビ化して行く人間たち。主人公の女性教師はゾンビとなった生徒たちに僅かな希望と自分への義務から勉強を教える。しかし知性のかけらも見受けられない。彼らで授業は最後にしよう。クラス写真をとり、彼らを繋いでいた鎖を解放す。するとゾンビとなった知性のないはずの生徒が・・・。


バンコクに死す
  バンコクのアングラで友人に連れらて、みたポルノショー。それは吸血鬼のショーだった。大枚をはたいて、彼女を買う。しかしそれは快楽と引き換えに自分の命をかける事だった。バンコクで友人を失う主人公。しかしその快楽を頭から消そうとすればするほど、引きつけられていく。そして数年後、財産の殆どを用意して吸血鬼の消息を追う。今はその娘が主役だった。そして、その日・・・


ケリー・ダールを探して
 変わった生徒、ケリー・ダール。教師はケリーに異界に連れてこられそこでお互いを狩る事になる。殺すか殺されるか・・。追跡劇の果てに

黄泉の川が逆流する
 母が死んだ。そして墓から蘇ってきた。父は大金をだして母を蘇らせたのだ。しかし母は・・・。やがて狂いだす家庭。

他のも面白かったです。


【内容情報】(「BOOK」データベースより)

ミステリ、SF、ホラー、現代文学のジャンルを超えて、「すこし不思議な物語」の名作を集めたシリーズ“奇想コレクション”刊行開始!第1回配本は、『ハイペリオン』でその人気を不動にした、まさにジャンルを超えて最高の作品を生みだしつづける巨匠ダン・シモンズ!ローカス賞受賞の表題作をはじめ、死んだ母がぼくの家に帰ってきた…デビュー作「黄泉の川が逆流する」、かつての教え子ケリーを殺すため異世界を旅する元教師の孤独な追跡劇「ケリー・ダールを探して」、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞受賞の傑作「最後のクラス写真」、本邦初紹介の「ベトナムランド優待券」ほか、全7篇を収録。

【目次】(「BOOK」データベースより)

黄泉の川が逆流する/ベトナムランド優待券/ドラキュラの子供たち/夜更けのエントロピー/ケリー・ダールを探して/最後のクラス写真/バンコクに死す


作家サ行 | コメント:2 | トラックバック:0 |

「第11回 エントロピー 新世界の黄昏」 「連載小説を書いてみようv(41975)」

こんにちは~☆

やっと11回目をお届けいたします。

なんか思っていたのと違う方向に行っている気がするのですが・・・・

感想宜しくお願いいたします。(*^_^*)

第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第10回



第11回
 
 暫く途絶えていた雷光が部屋を照らした。その光の中にヌルの手に握られてた銃が浮かんだ。少し遅れてやってきた雷鳴と同時に銃が吠え葛城の左腕にあたった。
 「騙したのか!」葛城も右腕に構えた銃をヌルに向ける。その時、ヌルの手から携帯端末に付属するメッセージメモリーが投げられた。ヌルの無表情の顔からは真意がわからないが何かあることがわかった。ヌルの手の銃は今は葛城を狙っておらず床を向いている。

 葛城は銃を向けながら苦労しながらメッセージを携帯端末に読み込む。ディスプレイに緑の文字が浮かぶ。メッセージの感情モードは反応しない。携帯端末にメッセージを送る場合、その時の感情が一緒に送れるのだが、それがなかった。ヌルに人間の感情は無いのかも知れないと思いながら文字を追う。

 (葛城さん、顔を上げないで読んでください。社会統制委員になんらかの方法で監視されています。
 あなたを撃った銃は無害です。さっきの話の精神操作用の銃弾は無害化してあります。
 葛城さんが社会統制委員へ潜入しようとしているのは知っています。私が協力します。このまま、私に操られている振りをしてください。同意して貰えるなら私を外して銃を撃ってください。ダメなら私を撃ってかまいません)

 見はらている可能性は判っていたが事実だとするとぐずぐずしている暇はない。一瞬、葛城の脳裏をこの提案が罠な可能性がよぎる。しかし罠だとしても賭けるしかないか。
 葛城はヌルから僅かに外し壁を撃った。

 そして体の力を抜き、精神が支配され始めた様子を装った。ヌルが懐から端末を取り出し何か操作した。報告を入れているのだろう。

監視されているとすると普通の会話はできない。どうやって対話するか・・・ヌルの表情が読めないのがやっかいだった。

 暫くして、ヌルが立つように銃でうながした。精神操作の効果が現れる位の時間をまったのだろう。
 「私についてくてください」黙って頷く。ビルの外にでると水陸両用の装甲車が横付けされていた。後ろの扉が開く。ヌルが葛城を小突き、乗る様に指示する。葛城はゆっくり乗りこんだ。
 
 「葛城君、実に残念だ。」葛城の部屋に押し入ってきた顔の無い男がいた中にいた。顔の表面の極小の無数の目が葛城を映す。肉眼では見えないが無数の葛城が映っている筈だった。
 「こんな形で君の再開するとはな。実に残念だよ。あのとき、説得しきれなかったのは残念な事だよ」葛城は無表情を装い男をみた。ヌルと顔の無い男は何らかの方法で対話しているらしい。大きな音をたて扉が閉まった。

 装甲車はそのまま空港の向かった。巨大な軍用シャトルに収納され、社会統制委員のある空中都市に向かった。

(つづく)

エントロピー 新世界の黄昏12回

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「虹子の物語第2部 卒業」第12回 「連載小説を書いてみようv(41975)」

こんばんは~★
12回目をやっと書きました!!遅くて申し訳ありません。最低でも週一回は書きたいと思っているのですが・・・年内に終わるのかちょっと自信がなくなってきましたm(__)m

大詰めになってきた筈なのですが・・・・

応援宜しくお願いいたします。


虹子の物語 第2部卒業

第12回

 脳裏に実母の面影が浮かぶ。優しかった思い出がよぎる。何故お父さんはお母さんと別れたのだろう?それがヒロにはわからなかった。お父さんとお母さんはあんなに仲良かったのに。何故なのかヒロにはわからない。ただ優しい母の面影だけが残っている。
 「ヒロ君、頑張って・・・・」母の声が聞こえてきた様な気がした。しかし実際に聞こえてきたのは斎藤の声だった。斎藤は煙草をふかし、時々ふうと紫煙を吹き付けながら喋っている。
 「あの中学生の家に行って来たのか?」煙が頬を掠める。ヒロは何故か本当の事を言うのが怖くなった。だから黙っていた。ありふれた、食事風景。普通の家ではどんなだろう。
ヒロは夢見る。しかし現実は・・・
 「何、黙っているんだ。別に怒っているわけじゃないだろ」
 「アルフと遊んで来た」
 「良いか、家の事を色々喋っているんじゃないだろうな。あの小娘たちに」
 「ヒロ、ほんとうの事を言うんだよ」とヒロの母が言う。ほほ笑む様に言うのだが目が笑っていなかった。
 「家の事なんて言ってないよ。虹子お姉ちゃん・・・お姉ちゃんとアルフと遊んでただけだよ」
 「何か、家の事を聞かれなかったのか・・・」小さな掌に汗が滲んで来た。

 紅葉の体内で蜘蛛となり一部始終を聞いている虹子は血の気が引く思いだった。ヒロ君を苦しめる原因を自分が作ってしまった。母親の事なんか聞くんじゃなかった。後悔した。
 (ヒロ君、ごめんね。ヒロ君を苦しめる事になってしまった)虹子は祈る様な気持ちだった。

 ヒロは躊躇していた。なんて言ったらいいのだろう。虹子お姉ちゃんに今のお母さんの事を聞かれて、本当のお母さんじゃないって答えた事を。

 紅葉の蜘蛛はヒロのポケットから這い出した。ヒロをどうしたら勇気づけられるだろう。
まさかこの場で斎藤がヒロをどうにかするとは思えない。(ヒロ君、ヒロ君、大丈夫だよ)

 ヒロは握りしめた手の甲に何かがいるのに気がついた。俯き、目だけを動かして見ると蜘蛛の神様がいた。蜘蛛の目がピンク色に輝いた。ああ、神様がいるんだった。ヒロは思いだした。斎藤やお母さんは神様がいる事を知らない。だけど僕は神様がいる事を知っている。ヒロは落ち着いてきた。紅葉お姉ちゃんと虹子お姉ちゃん、それに紅葉お姉ちゃんのお母さんも蜘蛛の神様が守ってくれていると言っていた。

 「何も聞かれていないよ。唯、アルフを団地では飼えないから、だから、紅葉お姉ちゃんちで買ってい貰って、僕が遊びに行っても良いって、ただそれだけだよ」握っていた手の汗もいつの間にか引いていた。

 「ふん。本当かどうか・・・まあ、良い。あの小娘たちに何かができる訳じゃないしな」斎藤はヒロを睨みつけながらいった。視線をそらし蜘蛛を見つめた。蜘蛛の目が優しく見返してきた。

 「良いか、これからもし、家の事を聞かれる事があっても本当の母親の事や俺の事を変な風にしゃべるんじゃねえぞ」ヒロは小さく頷いた。

 遠く、紅葉の家にいる虹子、紅葉、そして紅葉の母はほっとしていた。アルフもなんとなく様子が分かっているようだった。

 「ご飯を食べたら、部屋に行ってなさい」ヒロの母親の言葉にヒロは部屋に行った。

 紅葉の蜘蛛はヒロに着いていき、紫の蜘蛛が斎藤とヒロの母がいる台所に残った。

  ・・・・・・・・・・・つづく・・・・・・・・・

虹子の物語第二部 「卒業」第13回

創作 | コメント:2 | トラックバック:0 |

「虹子の物語第2部 卒業」第13回 「連載小説を書いてみようv(41975)」

こんばんは~★
やっとやっと13回目です。

終わりが見えてきた筈なのです。なのに逡巡しております。
実際、紅葉たちと一緒になって悩んでます。どうしたらいいか。
ヒロにとってどんな選択があるのか・・・

あと何回かで終わる予定なんですよ。だけど、未定でもあります。




  13回

 紅葉はヒロが自分で物事が判断できるまでは何とかしてあげたいと思っている。中学三年である自分だって、もしヒロと同じ立場だったら、どうして良いかわからないだろう。
 以前も考えた事だが、蜘蛛の能力をどう使えばヒロ君を助ける事ができるだろうか。果たして自分たちのしていることに少しでも意味があるのだろうか?人と人との関わりってなんなのだろうか?こんな疑問を持つ自分は変わっているのだろうか?

 もし自分がヒロだったら・・・そう考えると今のヒロが随分大人だと分かる。自分の立場を理解し現実を、酷すぎる現実だが、受け入れようとしている。でもそれで良いのか。
 ヒロは部屋に行くとテレビをつけた。お笑い番組かなにか、笑い声がこぼれる。ヒロは直ぐに別のチャンネルに変える。歌の番組に合わせる。
 ヒロ君は、どんな歌が好きなのだろう。やっぱりアニメの主題歌だろうか?

 紅葉は自分が自分がひどく、無力な存在に思えてきた。ヒロは闘っている。自分は、父親はいないが母親がいて、家族に守られて生きている。そして、たまたま、蜘蛛の能力を持っている。こうして今、ヒロの家に居て、ヒロを斎藤たちから守ろうとしている。
 どの位たっただろう。ヒロはテレビを消し、布団に入っていた。紅葉はポケットから抜けだして天井に張り付いた。

 (斎藤たちも今日は特になにもしない様よ)母が伝えてきた。
 (お母さん、ヒロ君を私たちで守れるかな?守るってどういう事かな?母親から離す事が守る事になるのかな?)虹子も家にいる紅葉本体の中に蜘蛛となって同時に会話を聞いている。何度、自問自答したことだろう。また同じ思考の中に囚われている。

 社会は関わり、繋がりで成り立っている。それは紅葉が思っていること。虹子が思っている事。そう考えるとヒロの社会は狭い。母親と斎藤、アルフ。そしてそれに紅葉と虹子。紅葉の母、紫。たとえ、悪い関係でも関係が断ち切られたら、ヒロは居場所を失う。母を失ったヒロを想像してみる。一人になったヒロを想像してみる。

 一人では生きていけない。きっと何処かの養護施設に引きとられる事となるのだろう。
そうすれば社会は格段に広がる。それがヒロの幸せなのか?

 (お母さん・・・・)紅葉は声も無い。けれど思考は紅葉の母、離れた虹子に伝達した。
 (ヒロ君の将来はヒロ自身が切り開いていかなければならないの。紅葉だってそう。自分たちにできるのは、ヒロ君の社会を少しでも大きくしてあげる事だと思う。正解なんてどこにも無いのよ。その時の選択がヒロ君の将来を決める。人は誰でもそうなの。わかっているでしょ?)

 (でも、でもヒロ君はあまりに小さい。ひょっとしたら自分たちは凄い思い上がりをしているだけじゃないかな?今すぐ、保護団体に通報してヒロ君を保護してもらった方良いんじゃないかな。なまじ蜘蛛の能力があるから、こんな事してるけど。ねえ、お母さん、違う?)

・・・・・つづく・・・・・

創作 | コメント:4 | トラックバック:0 |

2009年私的ベスト本

こんにちは~
もう今年も残すところ1週間もありません。

思い残すところも沢山あります。
●虹子の第2部が終わらせる事ができない(まだ数日あるのでなんとかなるか?)
●積読本が消化できない。(整理もできてない)
等々・・・

けれど、これだけはしておかないと・・・そう今年の読書のまとめです。

去年と同じで国内小説、海外小説まとめてみたいと思います。

今年は読んだ冊数はそんなでもないけど面白い本に沢山出会えました。
ブログの友達のおかげです。
10冊に選びきれません。選びなおしたら違った結果になると思います。

一作者一作品を原則で選びます。

☆国内小説編

虐殺器官

1位 虐殺器官        伊藤計劃  ハーモニーと入替可です
2位 屍鬼         小野不由美
3位 新世界より      貴志佑介
4位 詩羽のいる街     山本弘
5位 火星ダーク・バラード 上田早夕里
6位 ロミオとロミオは永遠に 恩田陸
7位 銀の犬         光原百合
8位 Another(アナザー)   綾辻行人
9位 砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない 桜庭一樹
10位 綺譚集            津原泰水
 辻村さんのゼロ、ハチ、ゼロ、ナナが溢れてしまった
  竜岩石とただならぬ も・・・
  獣の奏者も 恩田さんは蛇行する川のほとりも良かった。

★海外小説編

  今年の一位はもうこれ以外ありません。


ペルディード・ストリート・ステーション

1位 ペルディード・ストリート・ステーション  チャイナ・ミエヴィル
2位 ゾティーク幻妖怪異譚           C・A・スミス
3位 洋梨形の男               ジョージ・R・R・マーティン
4位 デス博士の島その他の物語        ジーン・ウルフ
5位 ずっとお城で暮らしてる       シャーリー・ジャクソン
6位 死者の書                ジョナサン・キャロル
7位 嵐が丘                 E・ブロンテ
8位 ラヴクラフト全集1           ラヴクラフト
9位 レベッカ               モーリア
10位 贖罪                 イアン・マーキュアン

  アイルランド幻想、犬は勘定にいれません、TAP、ミレニアム、小公女、華氏451度も入れたかった・・・・

皆さんのベストはなんでしょう?楽しみです。
読書 | コメント:12 | トラックバック:0 |

「『アリス・ミラー城』殺人事件」北山猛邦を読みました! 「本日の1冊(13748)」


『アリス・ミラー城』殺人事件
作者 北山猛邦
講談社文庫
評価 ★★★★☆

こんばんは~

長いこと積読・・・というより読みかけだった『アリス・ミラー城』殺人事件 を読みました!

これで既刊の城シリーズは読み終わりましたよ~

50ページくらい読んでなぜかそのままにしてありました。
12月になり、このまま年を越してしまうのもどうかと思って読みはじめました。

そしたら、そしたら面白くてあっという間に読めました!

面白かったのですが・・・城シリーズはその世界の異様性というか幻想性がひとつの魅力なのですが、これはシリーズの中では普通(十分異常なんですよ(閉ざされた場所))っぽい設定でした。

アリス・ミラーを探す為にアリス・ミラー城に集まった探偵たちが次々と殺されていく。
その度に減っていくチェス盤の駒。

このまま死んでいけばどうなるのか・・・と心配をよそに一人、また一人と殺されていく。

暴かれた意外な事実。・・???

うう書けないです。書いてしまうと・・・

不思議の国のアリス、鏡の国のアリスを読みたいです!!

城シリーズで好きなのは

クロック城
瑠璃城
ギロチン城
アリス・ミラー城

順か・・・・(気分で変わりそうだけど)


【内容情報】(「BOOK」データベースより)

鏡の向こうに足を踏み入れた途端、チェス盤のような空間に入り込む―『鏡の国のアリス』の世界を思わせる「アリス・ミラー城」。ここに集まった探偵たちが、チェスの駒のように次々と殺されていく。誰が、なぜ、どうやって?全てが信じられなくなる恐怖を超えられるのは…。古典名作に挑むミステリ。

作家カ行 | コメント:6 | トラックバック:0 |

「虹子の物語第2部 卒業」第11回 「連載小説を書いてみようv(41975)」

皆さんこんばんは~★

お待たせいたしました。
虹子の物語 第2部 の11回目です。

そろそろ、終わりが見えてきました!!
もう少しで終わる予定です。

とびとびの連載で読んでいただいている方にはいつも申し訳なく思っています。
もうしばらくお付き合いくださいね。

感想宜しくお願いいたします。(*^_^*)


 第11回

 ヒロは暫く、固く口を閉ざしていた。漸く開いたその口から出てきた言葉はある意味驚くべきものだったのかもしれない。

 「僕のお母さんです。僕にはお母さんしかいません。お母さんがいなければ、僕は行くところがないだから。だけど僕のお母さんじゃ、ありません。なんて言っていいのかわからない。僕にお母さんを選ぶ事はできないし。僕の家はあそこしかない。僕は一人では生きられない。だから僕のお母さんだし、お母さんじゃない・・・・僕はお父さんの子供でお父さんと一緒に今のお母さんのとこに来たんだけど。二年前にお父さんは死んでしまった。ほんとうのお母さんは知りません。だから今のお母さんが僕のお母さんです」

 ヒロは小さな声で喋った。ああ、ヒロにとって世界でただ一人の親族は母親なのだ。その母親に排除されようとしているヒロ。紅葉も虹子もヒロの事を思うとやり切れなくなるのだった。
 「ヒロ君はお母さんの事どう思うの?」それは残酷な質問だったのかもしれない。
 「大事な存在。だけど・・・だけど・・・わからない」ヒロは苦悶の表情で絞り出すように言った。

 紅葉たちはヒロのマンションに着いた。団地の入り口でヒロと別れる。
 「ヒロ君、蜘蛛の神様がついているからね」

 相変わらずエレベーターは工事中だった。ヒロは一度、振り向きこわばった顔に無理に笑顔を浮かべると階段に消えていった。

 虹子と紅葉は暗くなった団地の影に暫く立っていた。

 「ヒロ君を守るってどう言う事かな?斉藤から引き離すのは当然だけど、母親から離す事がヒロの為に良いことなのかな」虹子が呟く様に言った。
「今の状況ではまだ判断できないね。どんな母親でもいた方がいいだろうし・・・ヒロ君の母親に優しさを取り戻してほしいけど、出来るかな」

 ヒロの上着のポケットの中には紅葉と紅葉の母、紫の分身である蜘蛛が潜んでいた。紅葉(蜘蛛の)はヒロの心中を察すると同情とも怒りとも言えない感情が湧きあがってくるのを抑えきれないでいた。
 
 ヒロが玄関のドアノブに手をかける。鍵はかかっておらずそのまま家の中に入った。
 「ただいま」
 「小僧。どこ行ってたんだ」奥から出てきたのは斎藤だった。その後からヒロの母が覗く。

・・・・・・・・・・・・・・・つづく・・・・・・・・・・
虹子の物語第二部 「卒業」第12回

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「虹子の物語第2部 卒業」第10回

皆さんこんばんは~

虹子の物語第2部の10回目です。

もう少し書いてからアップしようかとも思っていたのですが間があいてしまうので短いのですga
がアップする事にしました。

最後をどうするか、凄く悩んでいます。
ヒロとアルフには平和な生活を上げたいのだけれど・・・どうなるでしょうか。




  第10回

「お母さん、どうしたらいいと思う?」
紅葉の母は暫く考えていた。
「斉藤たちの計画の内容がわからないけれど。様子から想像すると何時、実行するかわからないわね。だから対策は直ぐしなくては・・」

 ヒロとアルフは居間の方で遊んでいる。紅葉たちは台所で相談していた。
「ヒロ君に私と紅葉の蜘蛛が一緒に着いていきましょう。そうして常時見張っているの。ヒロ君は蜘蛛は平気?」
「ヒロ君は大丈夫よ。怖くないみたい。だから、仲間にしようかなんて考えたの。だけど紅葉と相談してそれは止めようかって」

「そうね。虹子さんが特別なの・・・。虹子さんも分かっていると思うけど。秘密保持の意味もあるけど。それよりも別の問題の方が大きいわ。意識の多重化に耐えられる人は多くはないわ。虹子さんも苦しんだでしょ?ヒロ君がそれに耐えられるとは思えない。へたをすると精神崩壊しかねないの」

 そうだった。虹子は以前、紅葉から蜘蛛の子を貰いそれが体内で意識を持ち始めた頃のことを思い出した。あのときの恐怖。自分が自分ではなくなることの恐怖。自分とはなにか自分が分からなくなる恐怖。二つの視点を持つことと二重人格の抑制。あの恐怖をヒロに味あわせる訳にはいかない。でも自分が特別ってどう意味だろう?虹子は不思議に思い聞きたかった。

 「ヒロ君を守るために紅葉の蜘蛛と私も蜘蛛になってヒロ君に付いていくことにするわ。
虹子さんは暫く。紅葉の体に入ってて」紅葉も虹子も頷いた。

 不安な午後が過ぎ、ヒロを家に送っていく時間になった。夕方が近づくにつれ、ヒロの表情が固いものになっていく。

 「ヒロ君、大丈夫。神様が付いているわ」二匹の蜘蛛がヒロの上着のポケットに入る。アルフはじっとそれを見つめている。クンと鳴いた。

 団地までのヒロの足取りは重かった。家に近づくにつれ無表情になっていく。
 「ヒロ君。わたしね。小さい時、ヒロ君みたいに一人ぼっちだったの。小学校の時も、だけど今は紅葉がいる。小学生の頃は本だけが友達だった。本は時間を忘れさせてくれる大事な友達だったよ。ヒロ君にも今度、本をあげるね。ねえ、こんな事聞くの凄く悪いけど教えてくれる?斎藤と云う男の人は勿論、お父さんじゃないわね。それでお母さんはヒロ君のほんとうのお母さん?ヒロ君、ごめんね。こんな事、聞かれるの厭だってほんとうにわかる。だけど、教えてくれる?」

・・・・つづく・・・・・・・・・
虹子の物語第二部 「卒業」第11回




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「虹子の物語第2部 卒業」第9回 「連載小説を書いてみようv(41975)」

こんばんは~★

虹子の物語 第2部 再開します。

途中にほんとうの世界を入れてしまい、中断していましたがやっと書く気持ちになってきました。ペースを上げて最後まで書けたら良いのですが。
(前回までの話、覚えていてくれるか心配・・・)


また、応援してくださいね。宜しくお願いいたします。



第9回 虹子の物語 「卒業」

 5
 公園からアルフと三人は紅葉の家に帰った。駅から三人で歩いていた。
 
 「帰ってきた。ヒロ君のお母さんと斎藤が帰ってきたわ」紅葉が言った。
 「え、何故分かるの」ヒロが不思議そうに聞く。
 「蜘蛛の糸よ。ヒロ君の家に蜘蛛の神様が見えない糸を張ってあったの。その糸が教えてくれるの」
 紅葉の蜘蛛はヒロの家の要所、要所に蜘蛛の糸を張っていた。それは凄く細くて、人間の肉眼で捉える事はまず不可能だった。その糸で情報を得る事ができる。うまく波長があえば会話を聞く事も可能だった。

 「ねえ、僕にも蜘蛛の声が聞こえるようになる?」
 虹子は、もしヒロを蜘蛛の仲間にしたらどうなだろうと考えた。体内の紅葉の蜘蛛が直ぐに答ええる。
 (私もそれは考えたの。だけど、可愛そうだと云う理由だけで、仲間にすることは出来ないわ。ヒロ君の一生を変えてしまう事だから。虹、私の気持ちわかるよね)
 虹子には痛い程、紅葉の思いがわかった。いつか紅葉は虹子に言ったのだ。(一生、虹子に責任を持つ)人間とは変わってしまう恐怖をヒロに与えたくないのだ。紅葉が今でも何かの拍子に虹子を蜘蛛の仲間にしてしまった事を後悔している事を虹子は知っている。
 その度毎に紅葉は虹子に対する誓いを強くしているのだ。もしヒロを仲間にしたら、紅葉の責任はますます重くなる事だろう。
 (そうね。ヒロ君を仲間にするのは、短絡的な考えね)

 ヒロの団地での会話が聞こえてきた。それは紅葉の蜘蛛が張った糸の振動が二人に知らせてくれるのだった。

 斎藤の声がする。
 「あのガキ、遊びに行ってやがるのか。まったくかってなもんだ」
 「ヒロの面倒を見なくていいだから、結構な事じゃない?それより、あの事大丈夫?」
ヒロの母親の声。
 「ガキの始末なら任せておけよ。お前はその後の事を考えておけば良い」
 「家の中ではそのことは言ってはだめよ。ヒロ、最近、あの中学生の女子たちと仲がいいみたいだから、気づかれるとまずいわ。この団地ではヒロがいなくなっても気が付く人はまずいないでしょうけど」

 虹子も紅葉も一瞬、表情が硬くなった。斎藤とヒロの母はヒロをどうにかする計画を立てているのだ。二人はヒロとアルフをみた。何故、こんな小さな、まだ小学校にもあがっていない子が酷いめに遭わなくてはいけないのだ。
 紅葉の家に着いた。
 「お邪魔します」ヒロが小さな声で言った。奥から紅葉の母、紫の声が聞こえる。
 「ヒロ君、よく来たね。ゆっくり遊んで行ってね。アルフも嬉しそうね」
 紫は紅葉と虹子の顔を見た瞬間、良くない事が起こっていることを理解した。

 ヒロとアルフは居間に行った。
 「お母さん、ヒロ君、大変なの」

 (つづく)

虹子の物語第二部 「卒業」第10回

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虹子の物語第2部 「卒業」 第8回 「連載小説を書いてみようv(41975)」

こんばんは~★

第8回目です。今回は少し気合いを入れて??書いてみました!!
(いつもは手抜きか・・・そんな事はないのですが)

皆さんがどんな感想を持ってくれるか凄く楽しみです。

感想を教えてくださいね。感想からヒントを貰ったり、やる気になったりしますので・・・



第8回 虹子の物語 「卒業」

 4 蜘蛛の約束(承前)

 紅葉は傘の中にヒロを入れ歩いていた。虹子は直ぐ後ろをついてくる。虹子の蜘蛛は紅葉の中にいて同化していたので二人の会話と紅葉の思いが伝わってくる。

 虹、家に行く前に丘の上公園に行こうよ。小雨だけどきっと、大丈夫でしょ?
 いいわね。

 「ねえ、ヒロ君、今日はちょっと遠出して丘の上公園に行かない?」虹子が後から声をかける。ヒロが振り向いた。アルフも顔を虹子に向ける。
 「うん。僕、行きたいな」

 三人はそのまま駅に向かった。虹子は初めて、丘の上公園に行き蜘蛛の秘密を知った時の事を思い出した。紅葉はあの公園か神社でヒロに蜘蛛の事を教える気でいるんだ。

 電車の中。アルフはヒロの服の中に隠れておとなしくしている。ヒロは少しドキドキした。「アルフ、見つからないかな?」「大丈夫よ」

 「ねえ、ヒロ君。ヒロ君は神様っていると思う?」紅葉は聞いた。それはこれから話す、蜘蛛の話へのきっかけだった。
 ヒロは少し、悩んでいる様だった。

 「神様なんていないよ。だって、いろいろなところで悪い事ばかり起こるから。僕の母さんだって、僕なんて居ない方が良いって思ってるんだ。もし神様がいたらこんな事、起きないよね。だから、神様なんていないよ」

 「私はいると思うな。唯、ヒロ君が思っているほど、神様は全能じゃないんだと思う。人それぞれに神様がいて、ヒロ君の神様はまだ、決まってないんだと思うんだ。日本には神様が沢山いるんだよ」

 ヒロは納得できないようだった。アルフが暖かいのかうとうとしだした。

 丘の上公園の駅には直ぐついた。公園への坂道、あたりは紅葉が始まっていて、赤、黄色と色ずいた木々が綺麗だった。葉がしっとりぬれていてもの寂しかった。

 歩いていると汗ばんできた。ヒロは歩くのに慣れていて平気だった。歩きだして十分程で公園に着いた。

 四阿にあるベンチで休む事にした。

 「ねえ、ヒロ君?ヒロ君のお母さんが帰ってこなかったのを何故、知っているか教えてあげるね。驚かないでね。ヒロ君、神様は本当にいるんだよ。私たちの神様がヒロ君の事を教えてくれたんだよ」

 四阿のテーブルの上、今までなにもいなった。
 「ヒロ君。テーブルの上を見てて」
 
 しばらくすると、テーブルの上に大きな蜘蛛が現れた。歩いてきたわけではなく、突然、いた。

 ヒロはじっと見ている。小さく叫んだ。
 
 「この蜘蛛、僕の家にもいたよ!」

 「私たちはねこの蜘蛛の神様とお話ができるの。私と虹子の神様」アルフも不思議そうに蜘蛛を見ている。まるで紅葉の話が分かっているみたいだった。

 「蜘蛛に教えてもらったんだよ。この蜘蛛が遠くから私たちにヒロ君の事を教えてくれたんだよ。信じてくれる?」

 ヒロはじっと蜘蛛を見ている。蜘蛛は透明になり、そしてまた実体化した。そしていつのまにか蜘蛛は二匹になっていた。紅葉と虹子の蜘蛛だった。

 「信じる。蜘蛛の神様だね」淡いピンクの目をした蜘蛛がヒロに近づく、淡い青い目をした蜘蛛がアルフに近づいていった。

 それはアルフの潜在的能力が蜘蛛の力を増大させたのかも知れない。

 ヒロの手のひらの乗った紅葉の蜘蛛、アルフの頭にのった虹子の蜘蛛。
 アルフとヒロ、虹子と紅葉。三人は、蜘蛛を通して、アルフの心に触れた。

 ヒロの目から温かい涙が溢れてきた。

 アルフ、ありがとう。自然に口をついて言葉が漏れた。アルフは喋っている訳ではないのだが、ヒロと繋がっていた。紅葉も虹子も暖かい気持ちにあふれていた。
 アルフと一緒にヒロを守ってあげる。二人は思った。

  つづく

虹子の物語第二部 「卒業」第9回



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虹子の物語第2部 「卒業」 第7回 「連載小説を書いてみようv(41975)」

おはようございます。

長らくお待たせさせてしまいました。やっと第七回をお届けします。

感想、応援、お願いしますね(*^_^*)


第7回 虹子の物語 「卒業」

 4 蜘蛛の約束

 次の日は日曜日だった。朝からしとしと雨が降っていた。虹子は午前中から紅葉の家に向かった。着くと紅葉は家の中で母の紫とアルフと遊んでいた。

 アルフは元気そうだった。紅葉にも相当、懐いていたが、子犬にしてはじゃれ方が落ち着いて感じる。やはりヒロの事が気になるのだろうか?

 紅葉の蜘蛛はまだヒロの家にいた。斉藤とヒロの母親は結局、帰ってこなかった。

 ヒロは来るだろうか? アルフの様子からは窺えない。
 紅葉と虹子はヒロの家に迎えに行く事にした。虹子はアルフを抱えた。ヒロの家に行くのが分かってるのかアルフもじっと抱かれている。

 小雨が傘を濡らす。虹子は紅葉の傘に入って並んで歩いた。団地に着く。紅葉の蜘蛛の様子からまだ、ヒロが一人で居る事は分かっていた。
ドアをノックする。

 「ヒロ君、居る?」二人で声をかける。
暫くしてからドアが開いた。ヒロの顔が覗く。
「おはよう、ヒロ君。今日は日曜だから一日遊べると思って迎えに来たよ」
ヒロは一瞬、嬉しそうにしたのだが直ぐに顔を曇らせた。
 「家に誰も居ないから・・・僕、遊びに行けない」

 「お母さん、昨日、帰ってこなかったでしょう?だからヒロ君、一人なんでしょ?お母さんは、私たちが説得するから、アルフと遊ぼうよ」虹子が言った。

 ヒロは大きく目を開け、驚く。

 「何故、お母さんが出かけて、そして帰ってこなかったって知ってるの?」
 「歩きながら説明するから、さあ、私の家に行こう」紅葉は優しく微笑み、言う。部屋の奥から、透明になった紅葉の蜘蛛が這いよって来た。ヒロの目の前を通り紅葉に這い登り、服の中に潜り込む。二の腕の痣から体内に滑り込んだ。ヒロはまったく気が付かなかった。

 ヒロは一瞬、逡巡するそぶりをみせたが、遊びに行く事になった。家の奥に戻り、遊びに行くとメモを書き、台所のテーブルに置く。鍵を持ってくる。

 アルフと虹子と紅葉の待つ玄関に向かった。アルフが飛びついてくる。ヒロはアルフを抱えながら苦労しながらドアに鍵をかけた。不安と喜びの複雑な思いが交差した。

(つづく)
虹子の物語第二部 「卒業」第8回

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虹子の物語第2部 「卒業」 第6回 「連載小説を書いてみようv(41975)」

皆さんこんばんは~★
今日はしとつく雨が一日降っていて、寒い日でした。
自分は雨は実は嫌いじゃないのです。家の中から眺めているのはなんか不思議な気がするのです。

秋晴れの一日もそれは勿論大好きですが。

虹子の第2部、6回目をお届けします。
なんか、寂しい話になってきましたが感想宜しくお願いいたします。(*^_^*)




第6回 3 ヒロの家の秘密 (承前)

 紅葉の家、虹子は蜘蛛の分身となって紅葉の体内にいた。紅葉と一体になっていると、凄く落ち着く。虹子と紅葉の二人はこの二年で精神的つながりが強くなり、互いに影響しあっていた。シンクロする事も多くなり、互いの喜び、悲しみ、怒りを共有していた。

 だから喜びは倍に悲しみは半分に感じる事が出来るようになった。しかし、悲しみの感情はいつまでも残る。喜びは直ぐ忘れてしまうのに怒り、悲しみはいつまでも心に留まった。

 遠く離れたヒロの家にいる紅葉の蜘蛛と、虹子はリアルタイムに感情をやりとりしていた。だから、ヒロの悲しみ、紅葉の悲しみが虹子に伝わってきた。二人は紅葉の心の中で対話していた。

 (酷い)それは虹子と紅葉の共通した思いだった。(ヒロ君を助けてあげたい)
 
 知ることって辛いね。知らないでいる事と知ってしまう事は決定的に違う。物理的な違いは何処にも存在しないのに、ヒロの境遇を知ってしまった今は昨日までの世界と違う。

 世界は目に見えて、自分が知っている世界だけで出来ているのではない。それが今更ながらに思い出される。勿論、ヒロはそんな世界の一部にすぎないのだろう。

 紅葉、蜘蛛の能力って何だと思う?こうやって人の不幸を知ること?人の感情を覗き見て自分たちに溜め込んでそれって何になるの。・・・もちろんそれは虹子の本心ではない。

 混乱した虹子の思考の過程を追っているのだ。虹子はヒロの境遇を自分の物として受け止めているのだ。だからそのヒロの悲しみを自分の悲しみに感じはじめているのだった。

 虹、虹子。考えるの。自分達二人にできることがないか、考えるの。ヒロ君がひとりではないってヒロ君に気付いてもらうのが一番最初にしなくてはいけない事だと思うの。

 斎藤やヒロ君の母親の事はその次に考えましょう。ね、虹、そうでしょ?

 そうだね。紅葉。ヒロ君が一人ではないって思ってくれればきっと次に繋げられる。人と繋がる事がヒロ君にとって一番だね。それと斎藤たちが事を起こさない様に見張っていればいいと思うわ。

 だから、悲しんでばかりいられない。ヒロの悲しみを知ることはとても大事な事だけどそれに囚われてしまってばかりいてはいけないんだ。

 考えること。ヒロを一人にしないこと。本当の友達になること。それがヒロを救う第一歩だと二人は思った。

 蜘蛛の事をヒロ君に教えてあげようか?私たちがヒロ君といつも一緒だよって教えてあげるのはどう?

 蜘蛛の事をヒロ君に教えてあげるのは良いと思うんだけど、蜘蛛が私たちだって事は教えない方がいいじゃないかな。蜘蛛はヒロ君と私たちの共通の何か不思議な存在としておけば良いんじゃないかと思う。

 遠くヒロの部屋、冷たい布団の中でヒロはひとり眠りに着いた。今日と変わらない明日の朝を思い、暗澹とした気持の中で。

                                   (つづく)

虹子の物語第二部 「卒業」第7回

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「虹子の物語第2部 卒業」第5回 「連載小説を書いてみようv(41975)」

こんばんは~★

お待たせしました!!

5回目をお届けします。ヒロの家に潜入した、蜘蛛の紅葉。
そこで見たものはヒロの家の秘密。


感想宜しくお願いしますね。(*^_^*)



第5回  3ヒロの家の秘密

 
 「ヒロ、どこに行ってたんだよ」ヒロの母親が眼ねつけて言う。ヒロは体を強張らして萎縮している。
 「アルフ・・子犬の所へ。この前、家に送ってくれた、お姉さんがが飼ってくれているんだ」
 「お前になついてもしょうがないだろ。飼えないのは知っているだろ。何故、そんな事をするんだ」
 ヒロはオズオズと家に上がる。
 台所には若い、ひと目でその筋の人間と分かる男がいた。斉藤だった。
 ヒロはこの男が大嫌いだった。
 「ガキ、めしを食べたら、さっさと引っ込んでろよ」ヒロは出来るだけ音をたてないようにご飯を食べ始めた。

紅葉(蜘蛛の)は斉藤と母親のいる台所の冷蔵庫の陰に隠れていた。念のため透明化していた。


 「ぐずぐず、食べるんじゃね。」斎藤がバンとテーブルを叩き、煙草の煙をヒロに吹き付ける。ヒロは煙にむせてせき込んだ。母はそれを見て何も言わないどころか薄笑いを浮かべ眺めていた。
 
 「犬の所へ行っているだったな。やめな。出来ない事を望んじゃねえ。人間には分相応ってのがあるんだ。お前は犬を飼う様な生活はしてないだろ」
 「ねえ。犬位いいだろ。保育園にもいってないんだから」母が言うのが聞こえるがおなざりに聞こえる。

 酷い。酷いよ。紅葉はいたたまれなくなった。こんな家に置いておけないと思った。

 ヒロはご飯もそこそこに小さなテレビのある部屋に行った。。

 「なあ、あんなガキなんかどうにかして二人にならないか」斉藤が言う。
 「あんたが始末してくれるかい?それなら良いけど、私は嫌だよ」
 「まあ、考えとくさ。な~に、ちょろいもんさ。よし、今日は飲みに行こうや。着替えな」
 ヒロの母親は派手な洋服に着替えた。
 「ヒロ、出かけてくるから、早く寝な」と言い残し二人は出て行った。

 紅葉はドアの隙間を抜け、ヒロの部屋に移動した。ヒロはテレビに見ていた。流行のアニメが音を絞った状態で流れていた。全然、楽しげではなかった。

 ヒロ君はいつも一人なんだ。紅葉は思った。あの母親はヒロの実の母なのだろうか?
あの斉藤と云う男は母の愛人なのだろう。

 紅葉は糸をだして天井からヒロの肩に移った。ヒロは顔をテレビに向けていたが殆ど見ているようには見えない。
 
 ヒロ君、私が付いてるよ。紅葉は思った。だから悲しまないで。
 なんとかしてあげるから、ヒロ君をあの二人の思い通りになんかさせない。紅葉はヒロの前に移動した。そして一瞬、実体化した。ヒロは大きく目を見開き、紅葉をみた。
 
 すこし驚いたようだった。大きな蜘蛛がいる。でも怖くないとヒロは思った。ヒロが見ている間に蜘蛛は透明になり消えた。

                                   つづく
虹子の物語第二部 「卒業」第6回


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虹子の物語第2部 「卒業」第4回 「連載小説を書いてみようv(41975)」

おはようございます。

虹子の物語2部の4回目です。
少し間があいてしまいましたが読んでくださいね。
応援お願いいたします。m(__)m



第4回  2 ヒロとアルフ(承前)

 土曜日、虹子は勉強道具一式を持ち紅葉の家に向かった。もうヒロ君は来てるかな。蜘蛛の知らせではまだ来ていない。家に着く、紅葉がアルフを抱え玄関に出ていた。
 「虹。さあ入って」
 「紅葉のお母さん。こんにちは。お邪魔します」二人は紅葉の部屋へ向かう。
 「今日はヒロ君、来ると思うよ。それももう直ぐ」
 「紅葉、何故分かるの」
 「アルフの様子がさっきからそわそわしているから、ヒロ君の家の方を何度も向くの。きっと、この子には分かるんだと思う」
 
 そんな話をしているそばから
 「こんにちは。アルフに会いにきました」と声がした。二人はアルフと玄関へ向かう。
 「ヒロ君、いらっしゃい」アルフが紅葉の腕から飛び出してヒロに飛びつく。
 「アルフ。寂しかった?」
 「お姉さん。アルフと散歩してきていい?公園に行きたいんだけど」
 「もちろん良いよ。でも少し部屋で休んでからでどう?」ヒロとアルフは最後まで聞かずにもう飛び出して行った。
 「ヒロ君、ほんとうにアルフが大好きなんだね」

 二人も公園に出かけることにした。二人並んで歩く。十分程で公園に着くと、ヒロとアルフが遊んでいた。二人はベンチに腰掛け眺めた。
 
 「ヒロ君の目、寂しそうに見える」
 「アルフと遊べて楽しい筈なのに、何故かな?」

 ヒロはアルフと無邪気に遊んでいる様に見える。しかしふとした瞬間、その目にさみしげな影がよぎるのを二人とも気づいていた。
 
 「ヒロ君、きっと何かあるね。私たちで助けてあげる事なにかないかな?」二人は思った。ベンチに座りながら相談した。

 その日の午後、いっぱい三人でアルフと遊んでいた。夕方になりヒロが帰ると言い出した。

 その時、虹子と紅葉は目くばせした。紅葉の蜘蛛がそっとヒロ君の背中に着いた。
 
 「一緒に帰ろう。そうすればアルフと一緒にいられる時間が増えるでしょ?」
 ヒロの目が輝く。
 ヒロは蜘蛛となった紅葉の分身に気付かづ家に向かう。夕方の六時前だったがもうあたりは真っ暗だった。
 
 団地の入口でヒロと別れる事にした。
 「お姉さん。今日は楽しかった。ありがとう」ヒロがペコっと頭をさげ、アルフを紅葉に渡し、駈け出した。
 「さよなら」振り向き手を振る。紅葉と虹子も手を振った。
 
 ヒロは家のドアの前に立った。表情が強張る。ドアに手をかけた。

                             つづく

虹子の物語第二部 「卒業」第5回

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「虹子の物語第2部 卒業」第3回 「連載小説を書いてみようv(41975)」

皆さん こんばんは~☆
今日は、良い天気でした。雲ひとつなくて富士山もすごく綺麗でした。
そんな中、地区の町民運動会にでてきました。日差しが強く日焼けしてしまいました。(*^_^*)

第3回目です。
また感想教えてくださいね。



第三回

 2 ヒロとアルフ

 翌日、ヒロは紅葉の家に来なかった。
 
 二階の紅葉の部屋、この二年間と半年で紅葉の部屋は少し変わった。虹子の影響で本が増えたのだ。まだ新しい本棚は小説が中心になって、漫画は少なくなった。図鑑は相変わらず上段の定位置をまもっている。その部屋でアルフがミルクを飲んでいた。

「どうしたのかな?ヒロ君」アルフがクンクン鳴いている。僕の友達が来ないと言っている様に紅葉も虹子も感じた。

 「ねえ、紅葉、ヒロ君を見ていると色々考えるんだ」虹子は紅葉を見る。
 
 紅葉は虹子を見て問う「虹、世界は何で出来てると思う?」また始まったと虹子は思った。紅葉はいつも色々な思いをいつも胸に持っている。紅葉にとってヒロ君の事と世界はきっと重大な関係があるに違いない。虹子と紅葉は二人で過ごす時間が増えることでこういう会話、考え、思考を繰り返す様になっていた。

 「ねえ、虹、世界は何で出来ていると思う?」そう問う紅葉には紅葉なりの答えを持っていることを虹子は知っている。

 「繋がり」ポツリと虹子が言う。紅葉が同じ思考をしていたのが分かる。

 「虹、自分も世界は繋がりだと思うんだ。家族、学校、会社。感情では友愛、憎悪、信頼、敵対。なんらかの場所、関係、感情で人、物は繋がっている。密度に差はあっても繋がりのない人はいない。それが世界を造る。世界が繋がりで出来ているとすると孤独はどういう意味をもつの?」

 「世界が繋がりだとしても人は孤独なのは皆おなじ。たとえ二人、三人、触れ合っていても、一緒にいたとしても、人は自分ではない。どんなに言葉を尽くしても楽しくしていても、人は孤独なのだと思うよ。ねえ紅葉、紅葉は孤独を感じるのはどんな時?」

「孤独は友達だから、だからとっても大事。繋がりと孤独は対立するものではなくて共存するものじゃないかな。例えば、親しい友達の輪の中、それも中心にいたとしても、何かの拍子に孤独を感じる事が誰にでもあると思うの。そうでしょ?それは何故かな。それは自分と云う世界と、皆が作り出す世界に微妙にずれているからだと思う。虹、世界を変えるとするとそれは繋がりと孤独を変える事になるのかな」

 一見、ヒロとは無関係な話に思えるが二人はヒロの事を頭に置き話をしていた。まだ一回しかあっていないヒロが二人に動揺を与えていたのだ。

 二人の左の蜘蛛の形をした痣からそれぞれ蜘蛛が這い出てきた。二人の分身となる蜘蛛を扱う技はこの二年で飛躍的に成長した。蜘蛛に自分を重ね移しても本人の方の意識を殆ど通常な状態に保っている事ができた。人間の姿をした二人が受験勉強をしている傍で蜘蛛の二人が会話する事も出来る様になっていたのだ。
 
 シャーペンがカリカリと音を立てている机の傍に半ば透明化した二匹の蜘蛛がよりそっていた。紅葉の分身の蜘蛛は目が淡いピンクに見える。虹子の蜘蛛は淡い青の目をしている。

 蜘蛛同士の会話は精神的な会話で音ではない。距離があっても会話ができるのだがお互いに相手を見ていた方が安堵感が数段上だったし、感情が物質的エネルギーの様に感じられるのだった。

 「明日はヒロ君、来るかな」紅葉が言う。ヒロという声に反応したのかアルフが顔を向けた。人間の紅葉の声にではない。蜘蛛の紅葉の声にだ。

 蜘蛛の二人と人間の二人がほぼ同時にアルフを見る。この子には会話が通じる?

 「アルフ、聞こえる?」蜘蛛の虹子が問いかける。アルフが声の主を探すような仕草をする。アルフには蜘蛛の会話が聞こえているらしい。意味も伝わっているのかはよく分からない。

 二人の考える事がまた増えた。子犬のアルフの意識を読めるかもしれない。
 
 「どう思う虹」これは少女の方の紅葉。
 「もし、アルフと話ができたら、凄いことだね」

 「アルフ、明日はヒロ君、きっと来るよ」蜘蛛の紅葉がアルフに向かって言う。それが届いたのかアルフは小さく一度ク~ンと鳴いた。二人の蜘蛛も二人の少女もその泣き声の意味を知ることは出来なかったがその淋しさは伝わってきた。

                              つづく

虹子の物語第二部 「卒業」第4回
***********************************************************************

いままで虹子の物語やエントロピーを書いてきて、自分の書きたかった事が分かってきた気がします。

それは 世界と個人、社会と孤独、意識(自分)とはなにか? です。
言い換えれば、”自分がここにいる意味”です。

こんな今更な主題で恥ずかしいのですが、どうやらこの事が自分のライフワークではないかと思うのです。

虹子と紅葉は、自分の分身です。二人の言葉の大部分は自分の思いと重なります。
話の進行で色々な事、考え方の変化が現れるとは思うのですが最後は自分に戻ってくるのではないかと思います。


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虹子の物語第二部 「卒業」第2回 「連載小説を書いてみようv(41975)」

こんばんは~
虹子と紅葉の物語、続きです。

皆さんの感想や応援がすごく嬉しいです。今回も頑張りますので宜しくお願いいたします。


虹子の物語第二部 「卒業」第2回



虹子の物語第二部 「卒業」第2回 

 1帰り道(承前)

 子犬を抱きながら家に入った。二人は帰る道々で男の子の名前がヒロと言うのを知った。

 「お母さん。この子、ヒロ君。ヒロ君の家は団地なんだって。それで犬が飼えなくて悩んでて、家出してきたんですって。それでヒロ君の変わりに家で飼ってあげようと思うんだ。良いでしょ?ヒロ君も家にくれば何時でもアルフに会えるし」

 紅葉の母紫はじっとヒロ君を見た。そしてニコッとして言った。

 「良いわよ。でも家出はいけないわね。紅葉、虹子さん。小さなお友達を家まで送って行ってあげて」

 ヒロの住んでいる団地は歩いて十分位の所にあった。

 ヒロ君を真ん中に紅葉が左、虹子が右を歩いた。ヒロはなかなか打ち解けてくれなかった。

 「アルフと一緒にいたいな・・」ヒロが呟く様に言った。
 「ヒロ君はアルフが大好きなんだね」紅葉が聞く。
 「僕にはアルフしか友達がいないんだ。だから・・・」紅葉は虹子をちらっと見た。
 
 虹子はこの子が孤独なのが分かった。しばらく前の自分を思い出した。この子も寂しいんだ。
 「私たちがお友達になってあげるよ。ね、紅葉、そうよね」
 「ヒロ君の友達か~。もちろん良いよ」ヒロは少し表情を明るくした。はにかんだ様に俯く。

 ヒロは団地の5階の角の部屋に住んでいた。エレベーターには修理中の表示がしてあって、三人は息をきらしながら階段を上がった。

 ヒロの部屋の表札には斎藤・小林と苗字が二つあった。
 チャイムを鳴らす。

 「はい?」

 「あの~ヒロ君を連れてきました」

 「ヒロを・・・ちょっと待ってて」しばらくして鍵の外れる音がしてドアが開く。やつれた顔をしたヒロの母がでてきた。

 「ヒロを連れてきてくれたの?どうもすみません。ヒロ、何してたの。心配してたのよ」ちっとも心配そうには聞こえなかった。
 「どうもありがとうございます」母親はヒロの手を引きさっさと家の中にひきいれてしまった。

 「おねえちゃん。明日、遊びに行くね」言っているそばからドアに鍵の掛る音がした。
 
 紅葉と虹子は顔を見合わせた。

 「靴を見た?子供の靴以外には女物しかなかった。父親はいないのかな?」紅葉も気が付いていた。
 「なにか変ね。明日、ヒロ君に聞いてみよう」釈然としない思いを胸に二人は紅葉の家に帰った。

 その日は勉強にもうひとつ身がはいらなかった。

                                   (つづく)

虹子の物語第二部 「卒業」第3回


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虹子の物語第二部 「卒業」第一回 「連載小説を書いてみようv(41975)」

皆さんこんばんは~★

このまえお友達のnanaco☆さんに虹子と紅葉のイラストを書いていただきすごく嬉しかったのですがこの絵からイメージした話を書きたくてずっと考えてました。

第二部としましたが、1.5部位の位置づけかな(*^_^*)
まだ二人は中学を卒業しておりません。

連載回数は~10回位を予定してます。一応最後まで考えては見ましたが途中変更する可能性が大きいと思います。

この連載から読んでいただいても良いように背景説明もいれるつもりではいます。

はじめての方も是非よんでいただいいて興味が湧きましたら是非1部も読んでみてくださいね。


nanacoさんイラストありがとうございます。自分のブログに貼らせてくださいね。m(__)m
虹子と紅葉


それでは第1回目です。応援、感想宜しくお願いいたします。



虹子の物語第二部  「卒業」


第一回 帰り道

 いつもの様に虹子と紅葉は紅葉の家に向かった。紅葉の家で受験勉強をするのが日課となっていたのだ。二人とも志望校は近所の公立の普通高校、緑が丘高校だった。この地区のおおくの中学生が志望していて結構、難関だった。受験勉強も最後の追い込みにはいっていた。

中学校からの道はすっかり秋めいていて風も冷たかった。陽も陰り夕日で雲が赤く染まっていた。二人は並木の綺麗が通学路を歩いていた。

 「虹は絶対大丈夫だと思うんだ。だけど私は不安だな」紅葉が言う。紅葉はいつの間にか虹子の母と同じで虹子の事を虹と呼ぶ様になっていた。
 「そんな事ないよ。私だって自信ないし。紅葉の方が実力あるじゃない」
 「二人で頑張ってきたんだからきっと二人とも合格だよ」虹子は今までの事を思い浮かべながら言った。

 二人は今まで必死に勉強してきたのだ。虹子は好きな本を減らし勉強にあてた。毎日読んでいたのを月数冊まで抑えた。それがストレスとなったのだが紅葉がいたので助かった。

 二人並んで授業や先生の事を喋りながら歩いているとクンクン鳴く声がした。

 「虹、何か聞こえない?子犬の鳴く様な声」
 「うん。聞こえる」

 そこは小さな公園の街灯の下。そのベンチの前で茶色と黒と白のぶちの子犬が鳴いていた。その横に小さな男の子が立っている。小学校に上がる前後だと思う。二人はなにか感じるものがあって近づき声をかけた。
 
 「可愛い犬ね」紅葉と虹子が同時に声をかけた。男のこは答えない。何かを必死に堪えている様子だった。顔を覗くと涙が見えた。

 「どうかしたの?」二人はしゃがみ込んで男のこに話しかけた。男の子はなかなか話そうとしなかったが紅葉と虹子が心配してくれているのが伝わったのか喋りだした。

 「僕ね。ここでアルフと住んでいるんだ。でも寂しくて・・」アルフと言うのが犬の名前だとは判ったのだが住んでいるの意味が解らない。
 「ねえ、君、この公園に住んでいるの?」虹子が聞く。

 「お母さんがアルフの事飼っちゃダメって言ううだ。団地だからペットは飼っちゃダメだって。だから僕、家出してきたんだ」
 紅葉はびっくりして聞いた。
 「ねえ、君いつからここにいるの?」
 「今日」少し、ほっとしたのだがこの子の両親は凄く心配している筈だ。

 「ねえ、紅葉、どうしよう、きっとこの子のお母さん凄く心配してるよ」
 
 「団地って、この辺だとあの公営団地しかないね。きっとあそこよ。でもこの子。犬と一緒じゃなければ帰らないと思うし。どうしよう?」

 「ねえ、僕、お姉さんたちがアルフを育てるから毎日会いに来ればいいわ」虹子は驚いて紅葉を見た。(紅葉、大丈夫?犬を飼うの大変だよ。来年受験なんだし、平気かな)

 男の子の顔が輝いた。
 「うん。解った。毎日来てもいいの?」
 「勿論。じゃあ、お姉さんちにいってから僕の家に帰ろう」紅葉の言葉に男の子が頷く。
 そんな訳で三人と一匹で紅葉の家に行くことになった。
 
 「まあ、どうしたの」紅葉の母、紫の第一声。
 「家でこの子飼っていいでしょ」紅葉がアルフを抱き上げながら言った。紅葉の影から男の子が顔をだして
 「僕からもお願いします」と言いながら頭を下げた。虹子はどうして良いか分かず、後ろで見守っていた。
 「なにか事情がありそうね」

(つづく)

虹子の物語第二部 「卒業」第2回

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掌篇「渋滞の中」

こんばんは~

竜岩石とただならぬ娘を読んだ所為かちょっと不思議な話を書きたくなって、こんな話を書いてみました。

良かったら読んでみてくださいね。



「渋滞の中」

 日曜日、帰路に着く車の列が続いていた。渋滞である。どの会社もなんで休みが土日なんだ。のろのろと動く車に苛立ち、理不尽な事を呟く。宗教的な理由と経済的な訳があって、土日に休むことになったのだろうがこうまで一斉にやすまなくていいだろと思う。二つ先の信号が青に変わり、少し移動し直ぐに止まってしまう。なんで前の車はもっと車間距離を詰めんないんだ。一台分は優にあるんじゃないか。渋滞の時、車間距離を長くとられるとイライラする。のろのろなんだらから車間距離をとらなくてもいいだろうに。渋滞のとき、必ず一台や二台、そんな車がいるものだ。免許を取ったばかりの初心者か高齢者、または婦人の運転する車に違いない。

 自分の三台まえの初心者マークをつけた車がそうだった。もっと詰められるのに、無用なスペースが大きく空いている。クラクションを鳴らそうか。まあ、怪我人や病人が同乗している訳でもないし、良いか。

 信号が変わり、また進む、初心者マークの車は交差点を右折し渋滞から抜けて行った。
これでスペースもなくなるなと思った。しかし二台先の青い車はさっきまでは詰めて運転していたのに今は一台分の車間距離を空けている。まあ運転に疲れてきたか老人かアベックでキスかなんかに夢中に違いない。暫くしてその青い車はけばけばしいネオンサインのある宿の方に入って行った。

 前には赤いスポーツカーが一台になった。一台分の車間距離もその赤い車の前に移動してきた。

 冗談だろ。前のスポーツカーは若い男が一人で運転している様だ。しかし何かの約束でもある様に一台分のスペースが空いている。不思議な事があるものだ。
 幾つ交差点を過ぎたのだろう。赤いスポーツカーはイライラした感じで交差点を左折して行った。

 スペースは自分の前だった。

 こんな車間距離は無意味。自分はアクセルを踏み車間を詰めようとした。今、自分の前には一台分位の空間とその先には黒い車がいた。

 アクセルを踏む。しかし、一台分の空間は縮まらない。渋滞が解消されたわけではなかった。なのに詰める事ができない。厭な気分になってきた。ハンドルを握る掌に汗が滲んできた。

 前の黒い車を良く見る。運転者はどんな奴なんだ。心臓の鼓動が速くなる。前の車の運転者はよく分からない。
車内は異様に暗く、伺いしれない。厭な予感は益々大きくなっていく。背中にも汗が滲んできた。さっきまでなっていたカーラジオも今はなにも音をだしていない。
 ヘッドライトを一瞬上向きにしてみた。前の黒い車の車内を照らす。

 運転手はいなかった。無人だった。ハンドルだけがライトに浮かんだ。

 よく見ると前の前の車も黒かった。その前も・・・・。
 次の交差点までが異様にながかった。

    おわり
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「竜岩石とただならぬ娘」勝山海百合を読みました!! 「本日の1冊(13748)」


竜岩石とただならぬ娘
著者 勝山海百合
MF文庫
評価 ★★★★☆

お友達のnanaco☆さんに教えてもらった本。面白い本を教えてもらってありがとうございました

中国怪異譚を中心に20話の怪しくも、味わい深い作品集です。

20篇もあるのでひとつひとつの感想を書くことができませんが、どれも面白かったです。
読後、余韻が残ります。
その後や前をかんがえてしまうのです。

順位をつけるとすると

1ただならぬ娘
2竜岩石
3山のあやかし
4王冠のバナナ
5馬の医者
  
かな~

順番つけられないですね。ひょうたん形の息子がでてくる話とかも良かったし。

読んでいて刺激されます。こんな不思議な話が書きたいです。

またひとり気になる作家さんが増えてしまいました。(*^_^*)


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
大富豪・李大人の屋敷で働くことになった少年・李衛は、白家へ大事な書物を借りてくるというお遣いに出る。雨が降っているわけでもないのに、着ている物が濡れて重くなる。路地には蟹の鋏で首を挟まれた猫、人気のない白家では壁から一抱えもある魚が泳ぎ出て来て仰天。果たしてその魚は、白家のお嬢様?不思議な話の数々、中国志怪風の“怪しい話”20話。第2回『幽』怪談文学賞短編部門優秀賞作品の文庫化。
【目次】(「BOOK」データベースより)
王冠のバナナ/ひょうたん息子/羅浮之怪/女の紐/楽士の息子/流刑/馬の医者/竜岩石/ただならぬ娘/山のあやかし/ねぎ坊主/いいなずけ/道連れ/炊飯器/猫と万年青/石に迷う/陶片/竹園/白桃村/媚珠
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
勝山海百合(カツヤマウミユリ)
岩手県出身。SF同人誌『ボレアス』にて作品を発表し続け、2006年「軍馬の帰還」(『てのひら怪談』ポプラ文庫に所収)で第4回bk1怪談大賞を受賞。「竜岩石」で、第2回『幽』怪談文学賞短編部門優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)




諸星大二郎の

異界録

のシリーズを思い出したりしました。

作家カ行 | コメント:8 | トラックバック:0 |

開設1000日!!

おはようございます!!☆

ブログの管理ページを開いたら 飛び込んできた1000日の文字

今日でブログを開設して 1000日です。節目です

なんか嬉しくなりました!

ありがとうございます。皆さんのおかげで続けてこれました。

ここまで来たら続けられだけ続けるつもりです。


最近 本田美奈子さんの”つばさ”という歌を知りました。
なんか感動します。

出だしを少し引用します

わたし、翼があるの
太陽に煌めいて
羽ばたきながら夢追いながら

・・・・


勇気を貰える歌だと思います。
未見な方は是非一度聞いてみてください。

今年も色々やり残したことばかり。

来年は挑戦の年としたいです。

夢への挑戦です。

学生の頃、小説家を夢見ていました。
いつしかその夢を忘れてて日常に埋没していきました。
それはそれで意義もあるし大事な事です。

今、夢を思い出しそれを追いかけても遅くはないですよね。
叶うか叶わぬかは わかりません。

だけど追い続けていこうと思います。

このブログはその夢を追い続けていくためのものでもあるんです。今は。

自分の習作の様な作品を読んでいただき、そして感想をいただけることは望外の喜びです。

感謝しきれません。ありがとうございます。

そしてこれからも宜しくお願いいたします。

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「NOVA1」大森望責任編集を読みました!! 「本日の1冊(13748)」


大森望責任編集
河出文庫
評価 ★★★★☆

新作10編の書き下ろしと伊藤計劃氏の絶筆を収録したSFアンソロジーです。

凄く楽しめました!

田中哲弥”隣人”
 閑静な田舎に越してきた一家のとなりに越してきた隣人は不条理きわまりない。
牛や豚や鶏・・を飼っていてその糞の臭いこと。
その糞を始末するのにあくせくする毎日。
その隣人、どこか変。行動だけでなく容姿まで。娘や嫁までが隣人に取り入れられてしまって、だんだん変わっていく。やがて主人公まで・・。臭ってきそうでした!!

斎藤直子の”ゴルコンダ”
 これは面白かったです。家にかえってみたら嫁さんが28人に増えていてめちゃくきゃ。その原因は・・・呪いの・・・不幸の・・・。もう最高!!

七歩跳んだ男(山本弘)
 月面でおこった事件は、初の殺人事件なのか?被害者は何故、宇宙服を着ないで月面にでたのか?それはカルトなトンデモな主張を信じていたからなのか・・・

屍者の帝国(伊藤計劃)
 絶筆。屍者を蘇らせる事ができる英国を舞台にこれからどんな物語が展開する予定だったのだろう。読めない事が悲しい。

エンゼルフレンチ(藤田雅矢)
 宇宙を舞台に壮大な愛の物語。死してなお愛は続く・・・うわっ!!

忘却の侵略(小林泰三)
 姿なき侵略者が既にいたるところに・・観察する事で確定する姿なき敵と対決する主人公は自分と対話しながら追い詰めていく。・・・シュレデンガーの猫ネタ。面白いです。

自生の夢(飛浩隆)
 世界は忌字禍(いみじか)により、書きかれられようとしている。この怪物を滅ぼすため希代の殺人者(会話するだけで相手を死に追いやる事ができる天才作家)を死の世界から呼び戻す。果たして世界の改編を防ぐことが・・・。これがこの本の中で一番か?



【内容情報】(「BOOK」データベースより)
本格、奇想、幻想、純文学、ミステリ、恋愛…SFというジャンルが持つ幅の広さと可能性を詰め込んだオリジナル・アンソロジー。完全新作10編+伊藤計劃の絶筆を特別収録。
【目次】(「BOOK」データベースより)
社員たち(北野勇作)/忘却の侵略(小林泰三)/エンゼルフレンチ(藤田雅矢)/七歩跳んだ男(山本弘)/ガラスの地球を救え!(田中啓文)/隣人(田中哲弥)/ゴルコンダ(斉藤直子)/黎明コンビニ血祭り実話SP(牧野修)/Beaver Weaver(円城塔)/自生の夢(飛浩隆)/屍者の帝国(伊藤計劃)

作家ア行 | コメント:2 | トラックバック:0 |

「ラヴクラフト全集1」H・P・ラヴクラフトを読みました!! 「本日の1冊(13748)」


ラヴクラフト全集(1)
著者 H・P・ラヴクラフト
創元推理文庫
評価 ★★★★☆

とうとう〈クトゥルー神話体系〉の世界に踏み込んでしまいました。
怪奇・幻想小説、ホラー小説に興味を持っている者には避けては通れない作品。
それがクトゥルーの世界です。

この扉を開けるのは恐かったのですが・・

「恐怖は人間の最も古い、最も強い感情だ」とはこの本の著者 H・P・ラヴクラフトの言葉。

インスマンスの影
壁のなかの鼠
死体安置所にて
闇の囁くもの

の4編を収録。
インスマンスの影

 誰もが近づかない呪われた町インスマンスへその謎を確かめに行く主人公、そこは異形のものたちの住む町なのか。
 漁業と缶詰工場の街。魚臭が漂っている街路。そこに漂う影。人間とは思えない前かがみでよろめくようにゆっくり移動する。かれらの正体は謎の島の地下深くにいる太古の・・・・。
 最後は恐いですよ。

闇に囁くもの

 この話で恐怖は宇宙まで及びます。洪水のあと川に蟹の様な人の様な死骸が浮かぶ。
川の元である山奥の洞窟にすみついているらしい。長い爪を持つ足跡をのこす怪物たち。
 これも最後の真相の場面で声を上げること必至です。

 怪奇小説に興味のあるすべての方の必読書ではと思います。全7巻+別巻(上下)
来年中には読破したいと思うのですが・・・
作家ラ行 | コメント:6 | トラックバック:0 |

Sync Future


【予約】 Sync Future

早川書房のSFマガジン創刊50周年を記念して刊行されるアートブックを予約しました!!
もう今から楽しみです。



それと グインファンの方へ 早川書房のウエブを見ていたら
グイン・サーガの豪華本III の予約がはじまってました

凄く豪華な内容みたいです。


雑記 | コメント:2 | トラックバック:0 |

「失われた探検家」パトリック・マグラアを読みました! 「本日の1冊(13748)」


著者 パトリック・マグラア 宮脇孝雄 訳
河出書房新社 奇想コレクション
評価 ★★★★☆

大好きなシリーズ 奇想コレクションから今回は パトリック・マグラア 失われた探検家 を読みました。現在17冊でていて、自分にとっては8冊目、どれも面白くてハズレなしです。もう直ぐ18冊目が刊行予定みたいで楽しみ。

新刊がでたら追いかけてるシリーズで、新しいのを読んだら、未読を読むと言うパターンで読んでます。


今回もその発想に思わず、よくこんな考えができるなと呆れるというか驚く。

長くつが主人公で核戦争後のシェルターの中のある家族の一生を回想したりするのですよ。
(長靴の物語)
かといえば、蠅とあこがれのトンボの彼女が豪華な食事に胸躍らせる話(蠱惑の聖餐)

蜘蛛猿の生態写真をとりにコンゴに行く女性の話(マーミリオン)

庭で遊んでいると、普段だれも近づかない植物だらけの場所で伝説の探検家(それも瀕死の)に出会った少女の優しくも残酷な行動(失われた探検家)

自分のアパートのある階には不思議な男が住んでいる彼は天使だというが・・(天使)



面白いのですがどれも肉が腐った様な匂いが漂ってきそうな話です。
食事の直ぐあとは読まないほうが良いかも・・・


【内容情報】(「BOOK」データベースより)

少女と不気味な訪問者との奇妙な交流を描く表題作をはじめ、「黒い手の呪い」、吸血鬼集団の血の祝祭「血の病」、連続殺人者と女性記者の交渉をミステリー仕立てで綴る「アーノルド・クロンベックの話」、ポストモダン・ゴシックの傑作「マーミリオン」ほか、長靴や蠅が語るブラックな寓話や、美しく歪んだホラーなど、全19篇を収録。

【目次】(「BOOK」データベースより)

天使/失われた探険家/黒い手の呪い/酔いどれの夢/アンブローズ・サイム/アーノルド・クロンベックの話/血の病/串の一突き/マーミリオン/オナニストの手/長靴の物語/蠱惑の聖餐/血と水/監視/吸血鬼クリーヴ あるいはゴシック風味の田園曲/悪臭/もう一人の精神科医/オマリーとシュウォーツ/ミセス・ヴォーン

【著者情報】(「BOOK」データベースより)

マグラア,パトリック(McGrath,Patrick)
1950年、ロンドン生まれ。1988年、短篇集『血のささやき、水のつぶやき』でデビューし、「ポストモダン・ゴシックの旗手」と称される。1989年の『グロテスク』が長篇第一作。第二作『スパイダー』は作者自身の脚本で映画化され(監督デイヴィッド・クローネンバーグ)、話題を集めた。精神科の医師であった父親の影響を強く受けた作風で知られるが、2000年には歴史に題材を取ったゴシック風心理小説、Martha Peakeを出している。ニューヨーク・ロンドン間を往来しながら、英米両国で活躍中

作家マ行 | コメント:2 | トラックバック:0 |

今年もあと少しですね。今年のベスト本を教えてください。

 皆さん、今年もあと一か月を切りましたね。
何かと忙しいく、社会状況も先行きが不安だったりしますがなんとか頑張っていきましょう。

年末恒例の 

マイベスト本 選びをしましょうね

いつもの様に自由にあげてください。


ジャンルも自由です。

皆さんがどんな本を選ぶか、凄く楽しみです。

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それと自分の拙い作品を読んでいただいている皆さんにはどの作品が良かったか教えていただけると嬉しいです。
雑記 | コメント:10 | トラックバック:0 |

構想中・・・・

おはようございます。

今漫然とですが考えてる事をネタばらしにならない程度で書きます。
自分の為のメモ書きとモチベーションを高める意味合いが大きいです。

1膠着した世界

  説明不可(説明するとネタばれになるので)


2本を読む人

  ファンタジーで主人公が本の世界に入っていくのありますね。あの逆パターン。

3西暦後

 今は西暦2009年ですね。
 もし和暦見たいに、欧米の人々がキリスト歴を止めたらということはあらたな神を発見または発明したら、西暦はキリスト歴がおわりあらたな神の時代また1年目・・・こんな話

4虹子の第3部 (2部もおわってない・・・(泣))


今思っているのはこんなとこ

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「ほんとうの世界 第4回」 「連載小説を書いてみようv(41975)」

こんにちは~

ほんとうの世界の4回目です。

ちょっと遅くなってしまいました。申し訳ありません。

次回、最終回の予定です。この3連休で書く気でいますがどうなる事でしょう。

是非、是非、感想教えてくださいね。宜しくお願いいたします。




ほんとうの世界 第4回

 どうしても、あの老紳士を見つけなければいけない。そうしてなおの事を確かめるのだ。その思いは日に日に募っていく。夜、酒場に行くが老紳士は見当たらなかった。会えるまで通うつもりだった。

 月曜日、出社する。同僚たちの態度が気になるのだが、特に不自然なところは見受けられなかった。仕事をしていてもいつの間にか、想いはなおのことにとんでしまう。なおが生き返ってから、気持ちは揺れた。いない間は、寂しくて、悲しくて、打ちひしがれていた。なおが生き返った今はどうか?現実を受け入れられないことで不安でならない。いない方が良いのか?そんな事はない。ならば、素直になおを受け入れれば良いではないか。何も悩むことはない。そう何度も何度も、自分に言い聞かせる。
 現実ってなんだ。実体あるものを全て信じる事で現実がなりたっている。だから、なおを受け入れれば、何の問題もない。なおをとりまく世界も生き返る以前となにも変わっていない様だった。
 ほんとうの世界は今の状態を受け入れる事で成り立つのか。現実を受け入れる事が世界を成り立たせているのか。翌々考えれば、厭、考える以前から今の世界は皆の幻想から成り立っていると言えるのではないのか。
 貨幣経済はその最たるものだと思う。紙幣という紙きれを信用し成り立っている危うい世界、日本中の、いや、世界中の人々が幻想を支えている。それが世界の実態。それは世界を維持していく上で必要な事なのだろう。しかし考えれば、考えるほどおかしな事だと思う。実態のないものに価値を与え、それを皆で疑問も持たないで信じている。お金と違いなおは実態がある。よっぽどなおの方が信じられるのではないのか。信じていけない理由はどこにもない。
 そう思うと早く家に帰ってなおに会いたい。そして抱きしめたい。そう思うようになってきたのだった。一抹の不安を無理やり心の片隅に押しやることでなんとか自分を納得させようとしている。

 会社からの帰り道、昼間会社で考えていた、なおを無条件で受け入れるという考えは家に近づくにつれ、薄れて、不安の方が大きくなっていった。軟弱な自分がたまらなく嫌になる。世界は蘇ったなおを受け入れているじゃないか。自分一人が疑問に思っているだけだとしたら、そのことになんの意味があるのだ。なおに聞いてみよう。君は生き返ってきたのか。なおなら自分の苦しみを分かってくれる。そしてなお自身の事を説明してくれるのではないのか。そう決心した。なおに聞いてみよう。
 家に着くと。夕飯を支度しているらしい、音と香がした。
「お帰りなさい。もう直ぐ、ご飯ができるまで待っててね」そこにはいつもと変わらないなおがいた。着替えてそのまま、お風呂に先に入る。夕飯は美味しかった。自分の好きなものばかり。やっぱりなおは奈緒なのだ。そう思う。

 「なお、話があるんだ」なおが小首を傾げる。その仕草が堪らなく、可愛くて、愛おしい。そして妖しい魅力が漂っている。なおに見つめられると話はどうでも良くなってくる。思わずなおを引き寄せる。
 「なお、君は生き返ってきたのか?」知らず、口走っていた。なおは聞こえたのだろうか。それとも聞こえてないのか。なおの唇が私の唇を塞ぐ。なおはそのまま体重を預けてきた・・・・。

 結局、なおに真実を聞くことができなかった。なおを抱いている時、なおの表情の中に悲しみが浮かんでいる様に見えた。それは気の所為だろうか。それとも、なおに何かの事情があって、なおは苦しんでいるのだろうか。それが生き返りに関係していることだろうか。もしそうなら、何故、自分に話してくれないのだ。今、自分の横で寝ているなおを眺めながら思う。優しく髪を撫でながら、無性に悲しくなってくるのは何故。生き返ってからのなおはその前より、性に積極的なのは悲しみから逃れる為なのだろうか。気にはなっていた。生き返る以前に比べるとその妖艶さがまし、仕草も違う。まるでいつも誘っている様に見えるのだ。それは、まるで私を失う事を恐れているかのように思えもする。
 そんな事を繰り返し、繰り返し考えているともう、真実はどうでも良くなってくるのだった。こうしてなおのそばにいる事で二人が幸せならばそれで良いのではないのだろうか。
無理になおに聞いて何かが分かったとしても幸せを壊すことになるとすれば意味はない。

 知らないでいる事の幸せは世界中にある。
 真実を知ることが幸せとイコールではない事。
 知ってしまって不幸になる事。
 真実とはなんだろうか。
 知ることで不幸になるとすると真実を知る意味があるのだろうか。
 なお、教えてくれないか。
 僕に教えてくれないか。
 僕はどうしたら良い?

 つづく

ほんとうの世界5回最終回へ


創作 | コメント:6 | トラックバック:0 |

「ほんとうの世界 第3回」 「連載小説を書いてみようv(41975)」

皆さん、こんばんは~

ほんとうの世界 の3回目をお届けします。

虹子の物語の9回目は少しお待ちくださいm(__)m

こちらの連載を先に終了させたいと思います。
予定ではあと2回で終了です。
次々回です。

是非、感想を教えてくださいね。


 第3回

商店街に向かう。今日の夕飯の献立の話をする。
「何を食べたい?」なおが言う。さっきから奈緒なのかナオなのかを悩んでいた。だから奈緒にもナオにも変換されなっかった。なおだった。第三のなお。容姿は奈緒であり、ナオだった。しゃべり方や性格もどちらのなおも似ているのとナオの方はもうはっきりと思い出せない。だから、すべてのなおが同一の様に感じられる。

 唐突に蛇の脱皮する映像が頭に浮かんだ。その昔、蛇は永遠の生命のシンボルとされていた。抜け殻を脱ぎ棄て新しい生命に生まれ変わる。日本の何かの古典に、女性は血を流し生まれ変わるとあったのではないか?あれは源氏物語かなにか。それとも中国の怪異譚か。生殖能力があるのは女性である。だから女性は生の象徴。その生命の象徴と生まれ変わりが頭の中で重なる。

ナオが皮を脱ぎしてて奈緒になる。そしてこんどはなおに。馬鹿なそんな事がある訳がない。しかし、そのイメージを打ち消すことはできなかった。ナオ、奈緒、なお・・もし、なおがナオからの生まれ変わりなのだとするとどうなる?

そして本人はそれをっているのか、それとも知らないのか。なおの顔を凝視する。なおは、いつもと変わらない。なにも変わらない。なおに問いただそうか?君はなおなのか?

「ねえ、何を食べたい?」もう一度聞かれた。すっかり考え込んでしまっていた。だから反応が遅れた。

「え?夕飯?昨日飲み過ぎたから、重くないものがいいな」
「お刺身にしましょうよ」
なおの提案で最初に魚屋に向かう事にした。

「奥さん、今日も活きのいいのがはいってるよ。綺麗な奥さんには勉強しとくよ」

「ナオ、ここには良く来るの?」少し、気恥ずかしくて、後ろから小声で聞いた。
「ええ、よく来るよ。お魚を買うときはだいたいこの店よ」

見ていた。見ていたが店の主人の言動におかしなところは感じられない。自然だった。
その後、行った八百屋も総菜屋も皆、同様にナオと会話していた。

ああ、ナオは本当に生き返ったのか?

夕食を家で二人で食べた。そのあと酒場に向かったがあの古い友達である老紳士には会えなかった。

そうだ明日、図書館に行き妻の事故を新聞で調べてみよう。

 なおと食事の後、テレビを見ていた。
「ねえ、私、先にお風呂に入って良い?なんか、疲れてしまって」
「いいよ。僕はこのドラマが終わってから入るから」本当はドラマなんかどうでも良かった。なおが風呂に入れば一人になれる。結局、なおに生き返りの事を聞くことはできなかった。そんな事をずっと考えていた。

 なおがお風呂からでてくる気配がした。なおが部屋に入ってくる。一糸まとわぬ姿で。
妖艶なすがたに目を奪われる。なおは黙って私の横に座った。見つめる。その瞳に吸い寄せられる。なおの両腕が私を捉える。なおは美しかった。前より綺麗ではないのか?なおの妖艶な姿に魅せられて、いままで悩んでいたことは何処かへ飛んでしまった。なおを抱きしめた。溺れるようになおを抱きしめた。昼間の蛇のイメージが突然飛来し、なおの白い肌を凝視した。どこにも変なところはなかった。

 翌日は土曜日で会社をは休みだった。なおのつくる朝食を食べ図書館に向かった。図書館に着くと早速新聞を調べた。地方紙には必ず載っているはずだった。事故は一か月前の15日、当日の記事をくまなく探す。事故の記事はなかった。歩道に突っ込んできた暴走トラック。歩道を歩いていた三人が犠牲なった。しかしそんな記事はどこにも載っていない。念のため前後の一週間の新聞もチェックする。なかった。これはどういう事だ。

・・・つづく・・・・
ほんとうの世界4回へ
創作 | コメント:8 | トラックバック:0 |

「ほんとうの世界 第2回」 「連載小説を書いてみようv(41975)」

皆さんこんばんは~★

ほんとうの世界の2回目です。

面白いと言っていただけて、凄く嬉しいです。

今回も皆さんを混乱させる様な謎がでてきます。
是非、感想を教えてくださいね。

次は虹子の物語の9回目を書きたいと思ってます。
しばらく順番にやろうと思ってます。

宜しくお願いしますね。



ほんとうの世界 2回目

 奈緒の事を確かめる方法を思いついた。午後、奈緒を連れて近所の商店街に行くことにしたのだ。週に何度かは、買い物に通っていたので、店の人の反応で何かわかるのではと思ったのだ。
 近所の買い物に奈緒と二人で行った事はなかった。この胸の中の不安がなければ、楽しい経験だったろう。生前の奈緒はどんな店のどんな人とどんな会話をしていたのだろうか。そんな事も自分は知らない。

 「奈緒、買い物に行かないか?近所の商店街に一緒にどう?」
 「あなたが一緒に行くなんて初めてじゃない?夕飯の買い物なんて恥ずかしくて行けないなんていってたくせに」
 「今までの事は謝るよ。奈緒と一緒にいたいんだ、君一人で買い物にやって、そのまま居なくなってしまうんじゃないかと心配なんだ」
 「変な人?私が居なくなるなんてある訳ないでしょ?」

 突然、疑問が湧いた。奈緒は自分自身が死んで、そして蘇ったことを知っているのか?朝、(ありのままを受け入れてと)と自分を誘ったのは、蘇ってきた事をいっているのか、それとも、睦言を言ったのか。聞きたい。聞きたいけれども、聞いた結果、恐ろしい事が起こる様な気がした。知らず、体が震えてきた。もし奈緒は一度死んで、帰ってきたんだよと教えたら、体が腐って崩れてしまうんじゃないか。それとも、その瞬間、煙の様に消えてしまうのではないのか。ああ、僕の奈緒、君は奈緒なのか。奈緒の手を握る。背中に手をまわし、抱きよせ、唇を重ねる。暖かい。体温を感じる。心臓の鼓動が伝わってくる。

 「苦しいわ」いつの間にか抱きしめる力が強すぎたようだった。奈緒が自分の手をとり離れた。そして自分を見つめる。今の考えを見透かされている様で恐い。

 奈緒のいる世界といない世界。いない世界なんて、なんの価値もない。そう思う。奈緒を失ってから、私は創造的な活動は何も出来ず、会社にいっても単純な事務仕事しかしていない。それを誰も何も言わずにいてくれる。それは今の私の境遇をみんなが労わっていてくれているからだと思っていた。しかし、もし奈緒が死んでいなくて、皆も奈緒が生きていると知っているとすると、状況は、まるっきり変わる。それは労わりではなく、態の良い無視だ。

 世界はその人に隷属する。その人の見える範囲、関係する範囲がその人の世界。人により世界の大きさ、深さ、広さが異なる。それは自明のことだと思う。テレビの向こうの世界なんて虚像だ。なぜなら、映された世界自体が選択されたものだから。フレームの外側が、映画のセットを支える骨組と違うと誰が断言できるのだ。いつの頃か、私はテレビを見る事を止めてしまった。あんな物を見ている人たちの気がしれない。全てバイアスのかかった映像を見て、時に笑い、時に泣き、時に怒り・・・・・しかしそれはテレビの向こう側で操作されたものに期待どうりの反応をしているだけのことにすぎないのではないのか。

 以前こんな事を考えた。そしてこの奈緒の蘇った世界が、誰かが操作した結果だったとしたら、または、それ以前が操作されていた世界だったとしたら。

 こんな事を考えるのが異常なのだろうか?

 家でて商店街に向かう。奈緒は私と手を繋ごうとするのだが、あまりに恥ずかしく人前で手を握る事が出来なかった。娘位の歳の差があるのだ。私は実際より歳に見られがちで奈緒はその逆。そんな二人が手を繋いで歩いていて、どんな誤解をされるか考えるだけでも厭になる。だから並んで歩いた。こんな事を気にしている自分が可笑しかった。

 そもそも、奈緒と結婚したのは、前の妻と別れ、その娘ナオと二人暮らしをして、病気で死に別れた事が大きな理由だった。ナオに生き写しの奈緒と出会った瞬間に奈緒に求婚していた。あの時の世間の目は冷たかったのを思い出す。常識外れ。自分のいない場所で囁かれていた事も知っている。だけど、自分は奈緒に幸せを誓い、奈緒も自分との幸せを望んでいた。だからこの結婚は間違ったものではなかったと自信を持っている。

 混乱した。今、横を歩いているのはナオなのか、奈緒なのか。奈緒と結婚してからナオの事は、記憶の中に収まっていた。しかし、奈緒が死んで、蘇ってきたのはナオの方ではないと自分は言えるのか?もしナオが生きていたら奈緒と同じくらいの歳の筈だった。

 自信がなかった。見分ける自信がなかった。横をあるく愛らしい女性が妻なのか?それとも娘なのか?

 眩暈がしてきた。

  つづく

ほんとうの世界3回へ

創作 | コメント:6 | トラックバック:0 |
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