20世紀SF 冬のマーケット 遺伝子戦 を読みました!2015-03-22 Sun 20:39
長いあいだ、積読していた 河出文庫の20世紀SF を読了した。 <1>~<6>巻までで1940年代から1990年代の英語圏の代表的SFを網羅したアンソロジー。 ミステリーにおける創元推理文庫の江戸川乱歩編の「世界短編傑作集」全5巻に相当する内容と言えば良いのか。 SF好きを自認するには必須なシリーズかな。 読破したので印象に残ったのを上げてみる。 <6>巻からは絶対これ 「しあわせの理由」グレッグ・イーガン 早川文庫から同題の短編集がでていてそちらで読んだので再読。 何度読んでもすごいです。SF短編のオールタイムベストの1位か2位が定位置がなっとく。 脳の損傷で幸福を感じられなくなった、主人公。手術によってその感覚を取り戻す。だけどなんでもかんでも幸せにおもえてしまう。そう、好みの区別がつけられないのだ。そこで、脳内に仮想の制御コンソールを設定しスライドボタンで物事の好き嫌いを設定するようプログラミングされる。その想像上のボタンを自身で操作することで、好きなものが嫌いになったりする。この意識的に好みを操作しないと自分の個性も好みも得られない。 幸せとは、脳内の化学反応にすぎないのか?世の中には多幸感をもたらすドラッグがある。薬で得られる幸せと自然に得られる幸せ感のときの脳内の働きが同じだとしたら・・・・これは恐ろしくも悲しい物語でした。 <5>巻からは 「征たれざる国」 ジェフ・ライマン 戦火の絶えない国で体の一部をうって生活していく人々。生きること、人間とは、死とは。国とは・・・色々な事を問いかけられます。深い話でした。 短編集なので、忘れてしまうのが早くて感想がかけない・・・・泣 スポンサーサイト
|
2月の読書まとめ2015-03-01 Sun 15:23
2015年2月の読書メーター
読んだ本の数:9冊 読んだページ数:2955ページ ナイス数:985ナイス ![]() 総解説は満足の一言。表紙を眺めるだけでも価値あり。ケン・リュウの短編は今回も面白い。機械化されていく妖怪って初めて読んだと思う。 読了日:2月27日 著者: ![]() なんと言う所へ着地するんだろう!思わず目が点になりそう^^驚きました。数々の困難を人間性を保ちつつ克服していく過程がまた良いです。いくつものドラマが展開されます。そしてそれが蝿の王にもならず驚きのクライマックスへとなだれ込む。宇宙人もタイムマシンもでてこない。ただ、宇宙を圧倒的なスピードで飛び続けるだけ。それなのに、この興奮と感動と驚きは凄いです。なにしろ、宇宙〇〇に立ち会うですから。面白かった。満足です!! 読了日:2月27日 著者:ポールアンダースン ![]() 面白かったです!好みは「耳を澄まして」「対称」「孤独」「いっしょに生きよう」「危険の報酬」「夜明けとともに霧は沈み」・・・と上げていくと全部になってしまうな~~「ポータルズ・ノンストップ」ファン小説にもなるSFもいい味だしと結局全部面白かったです!!! 読了日:2月24日 著者: ![]() なんかメチャクチャ凄い!読んでいる間じゅう、宇宙の成り立ちとそれを説明する事の意味を考えさせられた。世界を維持する為に全人類で立ち泳ぎを続ける事が出来たらいいのに。どの頁を開いても知的刺激を受ける濃密な本。半分も理解出来てないけど、凄く良かった。ゾクゾクしました。 読了日:2月17日 著者:グレッグ・イーガン ![]() 今回は既読率低い!40作中6作品でした!名作を埋めるのと新作を追うのとどっちも愉しいんで悩む所ではあります^_^ 読了日:2月14日 著者: ![]() 月刊さいごということで登録。雑誌も今年は記録しとこう。ケン・リュウの短編はシンギュラティ後の人間(データセンターにアップロードされた)と古代人(肉体を持った人)が共存する世界での親子関係を描いている。面白い。サイコパス2の特集も。 読了日:2月11日 著者: ![]() 面白かったです!ディレイニーの「コロナ」なんていい話なんでしょう・・こころが読めることの悲哀がせまります。「町かどの穴」いつもわけわからない話を書くラファティですがこれは面白い、笑える、最高によかった。巻頭の「復讐の女神」デラズニイエスパー版ハードボイルドな展開がよかった。不気味な話「リスの檻」ディッシュ、怖すぎです。映画キューブを想像した。異文化とのコミュニケーションを書いた「イルカの流儀」ディクスンも皮肉がきいてて好きです。「月の蛾」ヴァンスのミステリ的などんでん返しも凄いです。さすが傑作選!! 読了日:2月8日 著者:アーサー・C.クラーク,ロジャーゼラズニイ,ハーランエリスン,サミュエル・R.ディレイニー,J.G.バラード ![]() なんといっても、ク・メルの可愛らしさとその凛々しさが印象に残りますね^^ロッド・マクバン151世の成長物語であるんだけど、そこに地球をまるごと買い取ったりする波乱万丈の冒険がからむ。その原因が短命人のやっかみによることだからなんとも・・・。補完機構はある種専制な統治機構。これは全体主義と紙一重ですね。作中、「人間は怖じ気づいたり退屈したとき、邪悪になる。幸福で忙しくしている時には善良になる」P374の言葉に今の世界の対立を思い浮かべた。他の短編と関連性が沢山あるとの事なので読まねば。 読了日:2月5日 著者:コードウェイナー・スミス ![]() なんとも凄い話です。全体像が見渡せるところにきて、細部をおぼえてないので?マークが一杯ですが、物語の流れ自体が面白いので気にせず読める。でもこれは全巻揃ったところでもう一度読むべき物語ですね。単なる敵はどこにもいないのではというのが今までの結論というか意味かも。しかしそれぞれの境遇がそれぞれを絶望的にまで隔てて行く。今後も目が離せないです。9巻「ヒトであるヒトとないヒトと」早く読みたいですね! 読了日:2月1日 著者:小川一水 読書メーター |
ブログタイトル変更の件2015-02-23 Mon 12:05
思い切ってブログタイトルを変更しました。改めて宜しくお願い致します。
タイトルは好きなシオドア・スタージョンの作品から拝借しました^^ 今まで通り、本の感想を中心に書いて行きますが、何気ない毎日が残せたらいいなと思います。 |
2015年1月の読書のまとめ2015-02-21 Sat 08:41
2015年1月の読書メーター
読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2654ページ ナイス数:724ナイス ![]() 以前、ちょっと読んだだけで積読にしておいたのが悔やまれる。早く読めばよかった。題名は善(または悪)を選ぶ自由意思が制限された人間はゼンマイじかけの時計じかけのオレンジでしかない、から来てる。1部での超暴力を繰り返し退屈からの脱却をはかるアレックスと仲間。2部で逮捕されたあとの刑務所の中。2部では1部同様、仲間に裏切られ罪をひとりでかぶることになる。そしてルドビコの注射による「時計じかけのオレンジ化」。アニメ、サイコパスをはじめとした、全体主義的強制世界。正しいとか善とか自由とはなにか。名作、傑作でした。 読了日:1月29日 著者:アントニイ・バージェス ![]() 定期購読 読了日:1月25日 著者: ![]() 弥生と志恩編は弥生の過去に決着をつける。日っての友人であり愛人であったリナとの。目指すべきは同じだった筈なのに全く逆の立場に置かれる理不尽な運命で迫る。どこでどう間違ってしまったのか。間違った自覚がないのが痛ましい。海上での戦闘場面は1のグソン編を思い出させる。宜野座のパートは「別離」とのことでてっきり親子編かと思ったのですが違ってた。この世界での動物たちの事がわかります。真実の潜在犯孤児の境遇はまた暗澹とさせます。精神をクリアにするための行為がこんなにも悍ましいと言う皮肉さ。2巻読んで、縢くんの話が救い 読了日:1月25日 著者:吉上亮,サイコパス製作委員会 ![]() netでアニメを視聴してから、読みました。シュビラ統治世界の歪がより浮かんできます。グソンのパートはその生い立ちの凄まじさにあっとうされました。生きていくそのこと自体が戦いである彼に対し彼をそして妹を受け入れできない世界とはなんでしょう?限られた中でしか生きていくことしかできない悲しみが迫ってきます。縢くんのパートは本編では知りえない縢くんの熱さを料理から知ることができ、ほっこりする中にもしんみりした温かかさを感じました。グソン、縢ともに人間とは生きるとはと考えさせます。良かったです。 読了日:1月21日 著者:吉上亮,サイコパス製作委員会 ![]() 随所にあらわれる高度な数学や量子論がやたらと難しくて殆ど理解できません。けどそこは雰囲気で読みました^_^宇宙の真理を探求する話。高次元の宇宙に肉体から離れた意識のみの市民が挑んで行く。ウルトラハードなSF。このビジョンがすごい。感動もの。自分の意識を彼方に持っていかれそうなほどでした。読んで良かった。 読了日:1月17日 著者:グレッグ・イーガン ![]() 五色の舟やっぱり良い!初読の作家さんが沢山いたけどその中では東浩紀さんのクリュセの魚が凄く良かった。タイポグラフィーのは正直わからないです〜Nova あと8冊楽しみが残ってる^_^ 読了日:1月10日 著者:東浩紀,恩田陸,法月綸太郎,宮部みゆき,神林長平,倉田タカシ,小路幸也,新城カズマ,曽根圭介,田辺青蛙,津原泰水,西崎憲 ![]() 加速器の見学中に暴走事故に巻き込まれ、陽子ビームにさらされた8人。気づいてみたら、現実と似て非なる幻想世界。PKDの世界は虚実の不明確さが特徴ですね。それも悪夢の様な世界。その原因の究明と現実世界へいかにして戻るか・・・・しかし現実世界の裏にも隠されたものがある。それはその本人しか分からない。その分からない部分をさらけ出させるのがディックの世界です。題名から想像してたもっと宇宙バリバリな話かと思ったのですが違ってましたが面白かったです。 読了日:1月6日 著者:フィリップ・K・ディック ![]() この雰囲気は大好き。何か異常な変容が起きているエリアX。第十二次調査隊の面々。女性ばかり4人。彼女らには名はない。心理学者、測量技師、社会学者、生物学者。ハイテク機器の所持は許されず、記録も日誌。地下に潜っている塔の壁の謎の生きている文字。胞子をすいこんだ生物学者も変容していく。一人又一人と減って行く調査隊。原始の自然世界に蠢く生き物達。謎だらけです。続きが気になる 読了日:1月1日 著者:ジェフ・ヴァンダミア 読書メーター |
「その女アレックス」ピエール・ルメートルを読みました。2015-02-10 Tue 21:46
帯の煽り6冠達成に釣られて読んでみた。 開幕そうそうアレックスが何者かに誘拐監禁されます。 一部では、助かるのかドキドキします。 そして、その結末からが、予想外の方向へと進みます。 題名からなんとなく想像できますが、アレックス只者ではありません。 そして、なんだこの物語とおもっているとまた別のベクトルに方向転換。 1部、2部、3部と変わりようがすごいです。 追う方のちびの刑事とけちの相棒、金持ちでとてもおしゃれな刑事の三人のチームがまた、いい味でてます。 ほろりとした良いエピソードもあって凄惨な話のなかですくわれます。 久しぶりのミステリでしたが、面白かったです。 |